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爆竹

爆竹

作者 大野好克





子供の頃、

夏休みになると、

友達と爆竹で遊んだ。

赤い箱に入った爆竹。

一箱、100円。

何箱も買った。


最初は、

爆竹を地面に置いて、

線香で火をつけた。

そして、

走って逃げる。

しばらくすると、

パパパパパパパパパパパパパパパパッ!

バンッ!

景気よく破裂する。


慣れてくると、

今度は、

爆竹を手に持ったまま、

火をつける。

そして、

手榴弾を投げるように、

放り投げる。

すると、

空中で、

パパパパパパパパパパパパパパパパッ!

これを、

「空爆」

と呼んだ。

ただ、

怖くなって、

早く投げすぎると、

地面に落ちてしまう。

空爆、失敗。

だから、

ギリギリまで我慢して、

投げなければならない。



ある日、

近所のおじいさんが、

声をかけてきた。


「おい、お前ら。わしにもやらせろ。」


僕らは、

恐る恐る、

おじいさんに、

爆竹と線香を渡した。

おじいさんは、

爆竹に火をつけた。

そして、

手に持ったまま、

投げなかった。

逃げなかった。


僕らは、

見ていた。

パパパパパパパパパパパパパパパパッ!

爆竹が、

おじいさんの手の中で、

全部破裂した。

「........。」


おじいさんは、

何事もなかったように言った。


「おい、お前ら。これが本当の爆竹だぞ。」


僕らは、

びっくりした。


「すげえ……」


まるで、

神様を見るように、

おじいさんを眺めた。

そして、

おじいさんの手を見た。


岩みたいな、

ゴツゴツした手だった。


僕は、

自分の手を見た。


小さくて、

柔らかい手だった。

......。



あの、

おじいさんの手は、


今でも忘れない。






終わり

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