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若くて青くても、大人って自由(義務さえ果たせば)と、着物の布を服に縫い直しながら考えた話

いいタイトルが思いつかずそのまま。
着物を解いて服にする作業中は、なぜか昔好きだった曲や映画を観たくなるのだ。

直近では、ビバリーヒルズ・コップ。エディー・マーフィーがとにかく若くて瑞々しいというか…映画のストーリーも全体的になんだか静か。
でも、ビバリーヒルズ・コップ2ではもう、「あの」エディー・マーフィーになっていた。
芝居を打って大きな声でまくし立てて騙すアレ。
覚えてないもんだ。

刑事物のドラマ大好きな子供の頃に見た時は、海を渡るとこんな世界があるんだなぁと、シンプルにファンタジーとして見ていたけれど。
今は、80年代感満載のアメリカの風景やファッションが素敵だなと、萌える。

着物一着から結構たくさん作れるので、
作業部屋が布の山になっている。

聴きながら手を動かせるのでなかなか良い、Amazon Audibleの月替わり作品は、また中島らもの本にした。

まだ途中なのだが、結構いい年になったいま、感傷的な文章を聞いているとちょっとイタい感じもあって…いいなぁとしみじみ。
自然と、この感じをイタいとも思わず、カッコいい!とはまっていた当時20代前半くらいの青い青いあの頃の自分、の考えていたことが思い出される。

当時私は、やりたいと思っていた職業につくことができず、割とやさぐれていた。
諦めきれず、遠からずの業界の会社には就職できたものの、配属は勉強してきた英語を生かすのではなく、何も知らない経理。
(海外事業部の役員秘書として配属予定が、担当役員が入社直前で亡くなり、行き場がなく管理部部長に預けられた。)

短大で英語を猛勉強してTOEIC820までスコアを上げ、早めの就職を選んだ理由は、お金を貯めて、本場に留学しよう。
という思いからだった。

しかし、信頼していた恩師(20くらい年上の男性)に久しぶりにお会いできた時、企業就職を報告したら、
「そうなんだ…ガッカリした。就職して適当にいい人見つけて結婚して、みたいな、結局あなたはそういう普通の幸せが欲しかったということなんでしょ」という、今ならコンプラに触れまくる、ハラスメント満ち溢れたことを言われ。
(ふてほど、じゃないけど、当時は普通…)

こんな人に憧れてたんだ私は、と絶望して、完全に留学やその職業を諦めてしまったら、会社で働く意味がわからなくなってしまった。

経験も知識もなく、仕事での失敗もまだまだ多く、満員電車に揺られながら、ああ今日もまた、一日が始まる。
と、憂鬱をやり過ごすためにレッチリのアラウンド・ザ・ワールドを聴きながら出社する日々。

若さゆえ、すぐに心がいっぱいいっぱいになってしまうのだ。喜怒哀楽の振れ幅が大きい。
数年経ったある日、バイオリズムも含めて心身の調子が最悪で、自分を奮い立たせるためのレッチリも効かず…会社の最寄り駅に着いたところで足が動かなくなってしまった。
今の時期のような、秋の入り口の頃だったと思う。

ターミナル駅だったので、ふと、素敵な観光地へ向かう特急が目に入る。
フラフラと券売所の時刻表に吸い寄せられた。
ああ、もうすぐこの特急は海に向かうんだな…

グッとこらえて会社に行くのではなく、心臓バクバクしながら、会社に「駅に着いたところで体調が悪くなってしまって」と、初めてのサボり電話。
そうか、今日はそんなに作業も無いし、無理しないで帰りなさい。と言われ。

特急券大人一枚。
そして、初めてのいきなり一人旅をした。

観光地へ向かう特急は、空いており、とてものんびりしている。
満員電車からのこの落差。別世界のようだった。

窓から見えにくいように深く沈んで座ってみたりして…オフィス街をどんどん離れていく特急。
車窓に緑が増え、やがて海が見えてくる。

罪悪感からのものすごい開放感。
今日一日は、私は何をしてもいいんだわ。
すごい。大人って、自分の判断でこういう事ができるんだ。

観光地へ着いても、何も計画していないからどこに行くともなく、足の向くまま神社仏閣を巡ってみたり、街や海をフラフラ。
おなかが空いたなと店に入って、昼下がりに定食屋さんで土地の名物をつまみにして、ちょっとビールを飲んでみる。

家族旅行とか、友達と「旅行しよう!」とイベントとして出かけることはあったけど、誰にも気兼ねせずに一人旅、そんな時間を過ごしたことはなかった。

そうか、仲間外れが怖くて、年頃の女性らしくと気を使っていたけど、縁結びとか関係なく神社に行ったっていいし、甘いケーキと紅茶、でなくていい。
一人で自分の好きな事をして過ごすって、こんなに楽しいんだ…
どこに行ったか、何をしたかも、誰にも言わなくていいんだ。

当時はまだ実家暮らしで、家族にも何も言わずに突然の行動だったので、勤め先から帰る時間に合わせて、何事も無かったように家に帰った。
会社や家族へ配るお土産も買わなくていい。
キラキラした海、静かなお社、美味しい海鮮とビール。
私だけの秘密、誰にも言わないでいい、心の宝物。

自分のやることに責任さえ持っていれば、色んな事を教えてもらいながら勤め先から給料を貰えて、休みを取ればその日一日、何もするのも自分の自由。
それが、大人になるということなんだな。
と、知った瞬間だったように思う。

思い切った行動だったけれど、不思議とそのあとは、会社勤め、与えられた仕事、に真面目に向き合えるようになった。
ロックがなくても、会社に行くことが辛くなくなっていった。
私は大人なんだ。大人になって良かった。初めて心からそう思えた。

もちろん、それからも職業人生で紆余曲折はあったけれど、あの経験は今でも、心の糧になっている。

誤解なきよう、若い方に向けて言いたいのは。
もちろん、社会に出たとて、個々の理由で心が辛い時もあるだろう。
だから、時々はストレス発散をするのが良い。
ただ、サボりを容認するわけではなく、大人は、義務さえ果たせば自由。ということを言いたいのだ。
私が自信を持てたのは、普段きちんとしてれば、どうしてもつらい時は、迷惑をかけない範囲で自分のためだけに、休んでもいい。という実感を得たことであって…難しいな。

なんとなく、年頃の我が子を見ていても思うが、義務の部分は棚に上げて、権利の部分だけを主張する風潮が容認されているような…
見た目や学歴?だけを大事にしていては、育たない何か。があるような…
上っ面ではダメなんだよ。ということ。
本気で、義務に向き合うこと。そして、行き詰まった時の、
必殺!大人の権利!
が、大切。

自分の子にさえ、それをうまく伝えられず…社会に出てから痛い目に遭いなさい。
と思っているので、偉そうに言うことではない。

閑話休題、

若い頃の自分も、今の自分に繋がっている。
結婚出産育児、は、怒涛のラッシュで、ダウン寸前のボクサー状態なので、わからなくなりがちだけれども。(私の場合は、離婚と子の不登校もあってカウント9で再婚という感じ)

だから、若き日の思い出のある映画や音楽を聴いて、青かったあの頃、を確かめる作業も悪くない。
そんな事が書きたかったのだ。

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