自己肯定感が高い人ほど、完璧を目指さない。その理由とは
「自己肯定感が高い人」と聞くと、どんな人を思い浮かべますか。
いつも自信があって、前向きで、失敗しても気にしない人。
周りから好かれていて、自分の意見もはっきり言える人。
そんなイメージを持つ人も多いかもしれません。
でも実際は、自己肯定感が高い人も落ち込みます。
失敗もしますし、人間関係で悩むこともあります。
違うのは、「落ち込まないこと」ではなく、「落ち込んだ自分まで否定しないこと」。
この記事では、自己肯定感が高い人に共通する考え方を通して、「目指すべきなのは完璧な自分ではない」ということを、一緒に整理していきます。
自己肯定感が高い人は、特別な人ではない
「自己肯定感が高い人になりたい」と思うとき、多くの人は今の自分との距離を大きく感じています。
まるで、自分とは別の世界にいる人のように思えてしまうこともあるでしょう。
でも、その距離は思っているほど遠くないのかもしれません。
自己肯定感の高さは、生まれ持った才能というより、自分との付き合い方の積み重ねだからです。
自信がある人とは少し違う
「自己肯定感」と「自信」は、似ているようで少し違います。
自信は、「できる」という感覚です。
仕事がうまくいった。
資格を取れた。
誰かに褒められた。
そんな経験から育っていくことが多いものです。
一方で自己肯定感は、「できても、できなくても、自分には価値がある」と感じられる感覚です。
だから、失敗した日でもゼロにはなりません。
もちろん落ち込みます。
でも、「失敗した自分=価値のない人間」にはならないのです。
失敗しない人だから安心しているわけではない
自己肯定感が高い人も、ミスをします。
プレゼンで言葉に詰まることもあります。
約束を忘れて落ち込むこともあります。
それでも、
「今回はうまくいかなかった」
とは考えても、
「だから私はダメだ」
とは結びつけにくい傾向があります。
出来事と、自分の存在を切り離して考えられるのです。
この違いは、とても大きな違いです。
「そのままの自分」を受け入れる感覚を持っている
自己肯定感が高い人は、自分を完璧だと思っているわけではありません。
苦手なことも知っています。
弱い部分もあります。
それでも、
「そんな自分もいるよね」
と少し距離を置いて見られます。
好きな自分だけではなく、少し情けない自分も人生の一部として受け入れているのです。
だから心に余白があります。
そして、その余白が安心感につながっています。
完璧を目指さないから、心がすり減りにくい
自己肯定感が低くなってしまう人ほど、「もっと頑張らなければ」「もっとちゃんとしなければ」と、自分を追い込みやすい傾向があります。
一方で、自己肯定感が高い人は、意外なほど完璧を目指していません。
それは向上心がないという意味ではなく、「人は完璧ではない」という前提を受け入れているからです。
この違いは、毎日の心の疲れ方にも大きく影響しています。
できなかった自分も責めすぎない
自己肯定感が高い人は、「反省」はしても、「人格否定」はしません。
たとえば仕事で失敗したとき。
「次は確認を増やそう」
「今回は準備が足りなかったな」
そんなふうに出来事を振り返ります。
一方で自己肯定感が低い状態では、
「だから私はダメなんだ」
「何をやっても失敗する」
と、自分そのものを否定しやすくなります。
同じ失敗でも、自分への向け方が違うだけで、その後の苦しさは大きく変わります。
失敗は修正できます。
でも、「自分には価値がない」という思い込みは、何度も心を傷つけてしまいます。
自己肯定感が高い人は、その線引きが自然にできています。
人と比べるより昨日の自分を見る
SNSを開けば、誰かの成功が目に入ります。
同年代の活躍。
楽しそうな写真。
理想的に見える暮らし。
比べようと思わなくても、比べてしまうことがあります。
自己肯定感が高い人も、それをまったく気にしないわけではありません。
でも、評価の基準を他人だけに置きません。
「昨日より少し話せた。」
「前なら諦めていたことに挑戦できた。」
そんな小さな変化にも目を向けます。
比べる相手を他人から過去の自分へ少しずつ変えていくことで、焦りは少しずつ小さくなっていきます。
「100点じゃなくてもいい」と考えられる
完璧主義は、一見すると努力家に見えます。
でも、その裏では、
「100点じゃなければ意味がない」
という苦しさを抱えていることも少なくありません。
自己肯定感が高い人は、
「今日は70点だったけど十分。」
「今できることはやった。」
そう考えることができます。
自分に甘いのではありません。
現実的なのです。
人は毎日同じコンディションではありません。
疲れている日もあれば、集中できる日もあります。
その波を受け入れているから、自分を追い込みすぎません。
もし今、「自己肯定感が高い人は特別だから」と感じているなら、一度その考えを横に置いてみてください。
自己肯定感が高い人の考え方は、生まれつきではなく、少しずつ身につけられるものです。
記事「自己肯定感の高め方は、頑張って変わることじゃない。毎日の小さな積み重ねだった」では、毎日の生活の中で無理なく育てていく具体的な習慣を紹介しています。
自分にも他人にも、少し優しくなれる
自己肯定感が高くなると変わるのは、自分との関係だけではありません。
人との関わり方にも、少しずつ変化が表れます。
不思議なことですが、自分を必要以上に責めなくなると、他人に対しても過剰に期待したり、過剰に恐れたりすることが減っていきます。
心に少し余裕が生まれるからです。
他人の評価だけで自分を決めない
もちろん、人から認められるとうれしいものです。
褒められれば安心しますし、評価されれば自信にもつながります。
でも、その評価だけで自分の価値を決めるようになると、評価が得られなかった日は、自分の価値まで失われたように感じてしまいます。
自己肯定感が高い人は、人からの評価を受け取りながらも、それだけに依存しません。
「評価されなかった=価値がない」
ではなく、
「今回はそういう結果だった」
と受け止められます。
だから、人の反応に振り回され続けることが少ないのです。
嫌われることを必要以上に恐れない
誰だって嫌われるのは怖いものです。
でも、すべての人に好かれることはできません。
自己肯定感が高い人は、その事実を受け入れています。
だから、自分の意見を伝える場面でも、
「嫌われたら終わり」
ではなく、
「合わない人もいるよね」
と思える余白があります。
その余白が、人間関係を少し楽にしてくれます。
助けを求めることも自然にできる
自己肯定感が低いと、
「迷惑をかけたくない」
「こんなことを頼んだら嫌われるかもしれない」
そんな気持ちから、一人で抱え込みやすくなります。
一方で自己肯定感が高い人は、
「一人では難しいからお願いしよう」
と考えることができます。
助けを求めることは、弱さではなく、人と支え合うための自然な行動だと知っているからです。
「変わること」より「やめること」が多かった
自己肯定感を高めようとすると、多くの人は「何か新しいことを始めなければ」と考えます。
毎日ポジティブな言葉を言う。
自信がつく行動をする。
新しい挑戦を続ける。
もちろん、それらも大切です。
でも実際には、自己肯定感が安定している人ほど、何かを足す前に「自分を苦しくしているもの」を少しずつ手放しています。
今まで無意識に続けてきた、自分を傷つける習慣。
それを減らしていくことで、もともと持っていた安心感が少しずつ戻ってくることがあります。
自分を否定する言葉を減らした
自己肯定感が低い状態では、自分に対して厳しい言葉を使うことが習慣になっている場合があります。
「また失敗した」
「どうせ私には無理」
「もっとちゃんとしなきゃ」
気づかないうちに、毎日のように自分へダメ出しをしていることがあります。
もし友達が同じ失敗をしたとしても、きっとそんなに強い言葉では責めないはずです。
「大丈夫だよ」
「次に気をつければいいよ」
そう言える相手に、自分自身にも少し近づけていく。
自己肯定感が高い人は、最初から自分に優しかったわけではありません。
少しずつ、自分を傷つける言葉を減らしてきたのです。
無理な我慢を少しずつ手放した
人間関係の中で、いつも相手を優先してしまう人がいます。
相手が困らないようにする。
嫌な顔をされないようにする。
空気を悪くしないようにする。
その優しさは、とても大切なものです。
でも、自分の気持ちを置き去りにし続けると、いつか疲れてしまいます。
自己肯定感が高い人は、自分の気持ちも同じくらい大切にしています。
「今日は疲れているから休もう」
「本当は嫌だったから伝えてみよう」
そんな小さな選択を積み重ねています。
自分を大切にすることは、わがままになることではありません。
自分の存在も、人と同じように扱うことです。
完璧主義を少し緩めていった
完璧を目指すこと自体が悪いわけではありません。
向上心や責任感につながることもあります。
ただ、
「完璧じゃない自分には価値がない」
と思ってしまうと、どれだけ頑張っても安心できません。
自己肯定感が高い人は、
「できるならやる」
でも、
「できない日があっても自分を嫌いにならない」
という距離感を持っています。
この違いが、長く続けられる安心感につながります。
自己肯定感は、一気に高めようとするよりも、毎日の小さな習慣を積み重ねることで変わっていきます。
記事「自己肯定感を上げるには、「自分を好きになる」より先にやめたいこと」では、今日から始められる「やめること」「続けること」を具体的に紹介しています。
目指すのは「自己肯定感が高い人」ではなく、自分を苦しめない自分
「自己肯定感が高い人になりたい」
そう思う気持ちは、とても自然なものです。
でも、その目標が強くなりすぎると、
「まだ自分は足りない」
「まだ変われていない」
と、また自分を責める材料になってしまうことがあります。
大切なのは、誰か別の人になることではありません。
今の自分と、少しだけ仲良くなることです。
誰かになる必要はない
自己肯定感が高い人を見ていると、
「自分もあんなふうにならなきゃ」
と思うことがあります。
でも、その人にも不安な日があります。
迷う日があります。
落ち込む日があります。
見えている部分だけを比べると、自分だけが遅れているように感じてしまいます。
でも、本当に大切なのは、
「あの人みたいになること」
ではなく、
「自分が自分を苦しめる時間を少し減らすこと」
です。
少しずつ心が軽くなれば十分
自己肯定感の変化は、とても小さなところから始まります。
以前なら一日中引きずっていた失敗を、少し早く切り替えられた。
誰かの反応を気にしすぎる時間が少し減った。
自分の気持ちを少し優先できた。
その一つひとつが、自分との関係を変えていきます。
大きな変化だけを求めなくても大丈夫です。
心が少し軽くなる方向へ進めているなら、それは十分な変化です。
自分との付き合い方は変えていける
過去の経験や環境の中で身についた考え方は、すぐには変わらないかもしれません。
でも、これからの自分との接し方は選び直せます。
「失敗した自分」
「うまくできなかった自分」
「誰かに迷惑をかけたと思った自分」
そんな部分も含めて、
「それでも自分は大丈夫」
と思える感覚を少しずつ育てていく。
それが、健全な自己肯定感につながっていきます。
まとめ|自己肯定感が高い人の共通点は、自分を責め続けないこと
自己肯定感が高い人というと、
「いつも前向きな人」
「何でも自信を持ってできる人」
「失敗しても落ち込まない人」
そんなイメージを持たれることがあります。
でも、実際は少し違います。
自己肯定感が高い人も、不安になります。
迷うこともあります。
自分に自信が持てない日もあります。
ただ、そのときに自分を必要以上に責め続けないのです。
失敗した自分。
うまくできなかった自分。
誰かと比べて落ち込んでいる自分。
そんな部分も含めて、「今の自分」として受け止めることができます。
自己肯定感とは、いつでも自分を好きでいることではありません。
どんな自分とも、少しずつ付き合っていける感覚なのかもしれません。
完璧を目指さないから前に進める
完璧を求めすぎると、行動する前から苦しくなってしまいます。
「失敗したらどうしよう」
「もっと準備しないと」
「こんな自分ではまだ足りない」
そんな思いが強くなるほど、最初の一歩が重くなります。
自己肯定感が高い人は、完璧ではなく「今できること」に目を向けています。
小さな一歩でも、
「やってみた」
「少し進めた」
という経験を大切にしています。
その積み重ねが、結果的に自信にもつながっていきます。
小さな失敗で自分の価値を決めない
一度の失敗で、
「自分は向いていない」
「自分には能力がない」
と決めつけてしまうと、心はどんどん苦しくなります。
でも、失敗はその瞬間の出来事です。
あなた自身の価値を決めるものではありません。
自己肯定感が高い人は、失敗した自分にも、
「今回はうまくいかなかっただけ」
「次にできることを考えよう」
と声をかけることができます。
自分を責めることより、自分を理解することを選んでいるのです。
今日からできる小さな変化を大切にしよう
自己肯定感を高めるために、特別なことをする必要はありません。
今日、自分に少し優しい言葉をかける。
できたことを一つ思い出す。
疲れている自分に休む許可を出す。
そんな小さな行動でも、積み重なれば自分との関係は変わっていきます。
もし「自分も自己肯定感を育てていきたい」と感じたら、まずは記事「自己肯定感の高め方は、頑張って変わることじゃない。毎日の小さな積み重ねだった」で、基本的な考え方や日常でできる習慣を整理してみてください。
そして、「具体的に何を変えていけばいいのか知りたい」と感じた方は、記事「自己肯定感を上げるには、「自分を好きになる」より先にやめたいこと」もあわせて読むことで、今日からできる小さな行動につなげやすくなります。
おわりに
自己肯定感が高い人は、最初から自分を大切にできていたわけではありません。
失敗した自分を責める時間。
誰かと比べて落ち込む時間。
「もっと頑張らなければ」と追い込む時間。
そうした時間を少しずつ減らしながら、自分との関係を整えてきた人たちです。
だから、今自己肯定感が低いと感じている人も、ここから変わっていくことができます。
大切なのは、
「もっとすごい自分になること」
ではありません。
「今の自分を、これ以上傷つけないこと」
から始めることです。
自己肯定感が高い人を目指すよりも、自分を苦しめない自分になる。
そのほうが、きっと自然で長く続く変化につながっていきます。
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