組織に「問題」があるとき-組織の「膿み出し」と心理的アプローチ
あるところで正規と非正規の賃金格差についての闘争が起こっているというのを見ましたが、それにせよほかのハラスメント的なことにせよ、自分の組織で起こりそれに対処しないといけないとなると、関わる人は面倒だなとか、なぜ私がこんな目に、とか思うかも知れません。
たしかに面倒で、時間もかかり、感情負荷も高く、うまく行くかどうか道筋も見えにくいと行った性質のことでしょう。
しかし、こうした問題はミクロで見れば面倒なだけかもしれませんが、マクロで見ればいずれ対処しなければいけないことであり、社会や世界のトレンドとしてはダイバーシティや心理的安全性、人権擁護といった価値観へと向かっているかと思います。
和を重んじ、なかなか声を上げにくい日本人ということを考えると、つらい状況に勇気を持って声を上げてくる人には、むしろ感謝すらすべきなのかもしれません。それをきっかけに、組織の膿み出しとなり、ポジティブな変化へとつながっていくこともあり得るからです。
こうした状況を放っておくと、休職・離職につながり、せっかく能力や経験のある人がその力を活かせなかったり、またわざわざ採用をしなければならなかったりということが繰り替えされかねません。
私が最近見たケース(個人カウンセリング)では、パフォーマンスが高く、また勝ち気で正義感もあるような女性が、根っこには女性蔑視的な男性上司らハラスメントを受け、場合によっては休職に追い込まれるというようなものです。その際、精神科で診断を受けたりもしますが(休職上必要なので)、女性側の体験は「病気」とされるべきものではなく、スティグマを考えてもそれも不当であるという風に言えるかと思います。
これは構造的に見て非常に変で、要はハラスメント自体が職場内で対処されてしまえば、休職も診断もまったく必要ないかもしれないのです。
組織を変えていくには、トップダウン的にこうしようと言えば変わるものではありません。そこにはいろいろなタイプの人たちが関わり、経験や背景、アプローチ、感情や反応も千差万別です。こうした改革をしていくには、変化のプロセスを知っている人が関わっていく必要があるのです。
参考までに、これまでオープンマインドで関わってきた組織内の問題について列挙しておきます。
・男性上司と女性部下の対立のメディエーション
・従業員の突然の死亡や急病などの後の心理的ケア
・合併や組織変更後の心理的ケア
・リストラに関わる心理的ケア、フォロー
・自治体におけるレジリアンスの向上
・休職者が多い職場での互いにケアするアプローチの教育
・職場での男女の働き方に対するアプローチの違いについてのインタビュー
などです。
マネジャー含む個人を対象にしたものから少人数、チーム単位、組織全体など介入のレベルや規模はさまざまです。
心理的アプローチが有効なのは、人それぞれの反応や感情を理解することに長け、受け入れやすいレベルで話を進めていけるからです。感情をうまくプロセスしていければ、最終的な段階になって納得が行かないとか、結果に不服であるとかいうリスクを最小限にすることができます。
難しい問題に積極的に関わっていこうとする、プロアクティブな姿勢についても学ぶことができるでしょう。それは決して「無理強い」ではなく、自分の中や自他の間でのネゴシエーションなのです。
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