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ともだちでは、ありません

「あなた、私の友達ですか?」

私が仕事で言われて、青ざめたひと言だ。

とある高級レストランへ取材協力依頼の電話をした。すると、今日はシェフが不在のため、明日の12時に電話をかけてください、とのこと。

12時は、ランチ営業の真っ只中のはずだ。
一番お忙しい時間かと思いますが、と何度か確認した上で、それでも12時にかけてもらった方が都合がいい、と電話に出たヤマダさん(仮名)がいうので了承した。

実はこの店、知り合いが贔屓にしている店で、私も何度か食事をしたことがある。シェフとも客として何度か話したことがあったが、仕事相手としてやりとりをするのは、このときが初めてだった。

以前から、どこか私の好みには合わない、と感じていた。味もサービスも悪いわけではない。ただ、なんとなく好きになれなかったのだ。

約束通り、次の日の12時に電話をかけた。

すると冒頭のひと言。
「……あなた、私の友達ですか? 違いますよね。友達だってこんな非常識な時間に電話してこない。今ランチ営業中で、本来電話に出る時間もない。ランチ営業後にかけ直してくれれば、話だけは聞きますよ」
と一方的に言われ、ガチャンと電話を切られた。

おい、ヤマダ!!
だから何度も確認したじゃんか!!!!!

そして、営業時間終了後に改めて電話した。

あらためて、忙しい時間帯に電話をしたことを詫びるとシェフは言った。
「取材したいという“お願い”ですよね。営業時間を調べてから空き時間に電話するのが筋じゃないですか」
事情を知らないシェフが憤るのも無理はないが、こちらも引き下がるわけにはいかない。再度謝罪した上で、ヤマダとのやりとりを伝えた。

シェフ「……で、どんな取材ですか?」

えーーーーーーーーーー!?
なかったことになった。
あやまりもせずに、次のステップいくんかーい!!!

私はひどく納得した。
「ああ、やっぱりな」と。

こちらも、仕事です


「取材してやってる」というスタンスのメディア関係者は、残念なことにある一定数いる。そういう人たちのせいで取材交渉が難航することも珍しくない。そして逆に、「取材させてやってる」という相手も少なからず存在する。

シェフに媒体名と取材内容を告げると、「まあ、検討してもいいですよ」とあしらわれた。その口調から、こちらを値踏みされたことがわかった。その後、取材を引き受けてはくれたが、終始、片手間のような対応だった。

もちろん、“取材をお願い”しているのはこちらだ。
当然、断る権利もある。嫌なら断ればいい。でも、引き受けたのならば、お互い仕事相手として仁義を通しませんか、と心底思う。

こちらは、話を聞かせてもらうことへの感謝と、相手への敬意を持って臨む。それが取材する側の最低限のマナーだと思っている。それは、高級店のシェフであろうが、どんな立場の人が相手であっても変わらない。

取材相手から失礼な対応をされても、もちろん記事には出さない。最後まで敬意を持って対応する。こういう場であっても店名を公にしない。
それは私のプロとしての矜持だ。

ただ、今後プライベートで行くことは絶対にない。
携わる企画でその店が選択肢に挙がっていたら候補から落とすし、理由を聞かれたら包み隠さず話す。
そして、友達にも言いふらす。

プロとしての礼儀は尽くす。
でも、私個人としての好き嫌いまで差し出すつもりはない。
人間ができてないな、と自分でも思う。

「はい、あなたの友達ではありません」

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最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

noteでは、普段のお仕事では書かない「自分の思い」を中心に、お仕事のことや一人旅の話、仕事以外の写真を少しずつ綴っています。
のんびり更新ですが、また覗いてもらえたらうれしいです。

願わくば、おにぎり一個分くらい
読んでくれた人が満たされますように🍙

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赤飯にぎり 「あちらのお客様からです🍷」に憧れています。