過覚醒への対応。「いい加減にしなさい!!」と、他の選択肢
こんにちは、はやり目のsioです。
子どもからうつり、家族全員はやり目です😭
そんなわけで家族みんなで自宅で過ごしているんですが…。
カオス〜!!
特に5歳の下の子は保育園に行かなくていい喜び(普段は登園しぶりがあります)と、
家族みんながいる非日常感の興奮、
そして外出できない分、スクリーンタイムが長くなってしまっているせいか、過覚醒ぎみです。
過覚醒とは、自律神経のうち交感神経が過剰に働き、脳と体が「興奮しすぎている状態」を指します。
今日の下の子の様子を通して、
過覚醒への対応について整理していきたいと思います。
過覚醒の理解
子どもの過覚醒は、
・行事やイベントなどの非日常的な高揚
・音や人の動き、情報量が多い環境
・勝ち負けやストレスなどの強い情動反応
・睡眠不足、空腹、疲労などの身体的なストレス
・次に何が起こるかわからない、終わりが見えないといった予測不能性
などの刺激が脳幹に入力されることで生じます。
脳幹・・・生命維持に関与する意識(覚醒)・呼吸・循環を調節する中枢
刺激を受け取った脳幹は「今はリラックスしている場合じゃない」と判断し、
ノルアドレナリンやドーパミンを過剰分泌し、交感神経を優位に亢進させます。
過剰なノルアドレナリンやドーパミンは、前頭前野の機能を一時的に働きにくくします。
前頭前野の機能とは、
ワーキングメモリ、抑制、計画、言語化といった理性的な機能でしたね。
その結果、
前頭前野からのブレーキが効きにくくなった扁桃体は過敏化し、周囲の刺激を脅威として過剰に評価するようになります。
さらに、前頭前野の機能低下とノルアドレナリン過剰の影響により、
視床の感覚ゲート機能が弱まり、音や光、声、人の動きといった刺激が選別されずに流れ込みます。
視床・・・身体の内外の情報を大脳皮質に伝える、感覚情報の中継核
刺激が減らないため、興奮は下がらず、覚醒状態が持続・増幅されるという悪循環に入ります。
…えーっと大丈夫でしょうか。
脳の解剖学・生理学の授業みたいになってきちゃいました(笑)
遠足の前にベッドで飛び跳ねて興奮して寝ないとか、
お正月の集まりに興奮して誰彼かまわず親戚中に話しかけるとか、
久しぶりにお友だちと集まったら走り回ったり奇声を上げて全然収拾がつかないとか…。
親が天を仰いで
「もういい加減にしなさーーーい!!!」
と言いたくなる状況を想像してもらえれば良いかと思います。
ポイントは癇癪とは違い、「楽しすぎ」ても起こることです。
癇癪は、怒りや不満といった情動の調整が一時的に難しくなっている状態ではあるものの、
過去の経験からの学習や、親・周囲の反応によって、行動を変える余地があることが多いです。
(ABAが効果的)
一方、過覚醒は刺激の入力が処理能力を超えている状態であり、
本人の意思による行動の調整は一時的に困難になります。
癇癪は情動が溢れている状態、
過覚醒は刺激の入力が溢れている状態と言えるかもしれません。
私はいつも、この過覚醒状態の子どもを見ると、
赤い靴を履いたまま踊り続ける女の子の童話を思い出します。
(怖いな)
本日のわが家の5歳児の様子
夕飯は座らずにウロウロ〜
「ねぇ、YouTubeつけて!」
ごはんの時はつけないよ〜
「YouTubeつけて〜!△※◾️〇〜!」
座って食べよ
「あーんして!!」
夫が「自分で食べれるやろ」と言うと
「△※◾️〇〜!!」
と言いつつも食べ始めましたが、普段は自分で食べるのにおかしい。
食べ終わってからも
「ねぇ、ママ、上でボールしよ!」
あ、うん、食べてか「ねぇ!!はやく!!」
聞いちゃいねぇ。
間髪入れず
「ねぇ、パパ!!上でボールしよ!」
「ねぇ!はやく!!まだ?!」
パパに叱られるも、今度は上の子に
「ねぇ!!ゲームしよ!ねぇ!ねぇってば!!!」
「も〜うるさい!あっち行って!」
「△※◾️〇〜!!!はやく!はやく!ねぇってば!!!」
ウロウロ〜。
泣き叫ぶわけではないですが、
大声や多動、落ち着かずにこちらの言葉が入らない様子です。
主張もなんだか支離滅裂。
あー、やっぱりいつもと違う。
いったんリビング横の和室に連れて行って、抱きしめて背中をトントンしてみました。
「大丈夫、大丈夫。
心がざわざわする?一緒に深呼吸しようか」
深呼吸をしたあと、一緒にボードゲームをしました。
いくつかボードゲームをするうちに落ち着いて、いつもの下の子に戻ってきました。
その日は早く寝ました。
疲れや体調不良もあったんでしょうね。
過覚醒に対する対応
過覚醒状態の時は前述のように、前頭前野による制御はほぼ期待できず、「説明」「説得」「ルール」は機能しません。
「いい加減にしなさい!!」の怒鳴り声で一時的に動きが止まったとしても、
扁桃体の反応として凍りつき(freeze)が起きただけの可能性が高いと思います。
体や脳的には「落ち着いた」わけではないということですね。
過覚醒(交感神経が過剰に優位な状態)に対して有効とされているのは
▶︎刺激を減らす
まず音や情報など、刺激を減らします。
部屋を移動する、一回外に出るというのも情報がリセットされていいかもしれません。
▶︎深呼吸
ゆっくり鼻からながーく吐きます。
子どもの自律神経は対人同期(近くにいる人の影響を受けて自然と揃う)すると言われているので、隣で大人が一緒に深呼吸してあげるといいと思います。
▶︎固有感覚を入れる
ぎゅーっと抱きしめる、毛布で包む、全身にぎゅ〜っと力を入れてパッと抜く
▶︎リズム刺激
背中をトントンする、抱っこでゆらゆらする
▶︎落ち着いてできる「いつもの」「好きな」活動に集中させる
粘土や塗り絵、ボードゲーム、パズル、迷路、ブロック、絵本など、興奮しすぎない本人の好きな活動をする
時々「エネルギーが有り余ってるんだね」「体力を発散させよう!」と運動を促す場合もあると思いますが、
激しい運動はさらに交感神経を優位にし、余計に興奮してしまう可能性があります。
療育ではダンボールキャタピラーをすると落ち着く子がいました。
キャタピラーの中で視覚が限られて刺激が減る、四つ這い動作で固有感覚が入る、
そして何より本人が好きな活動だったんでしょうね。
その子ひとりひとりの「これがあれば落ち着けるね!」が見つかると、
子どもも大人も気持ちに余裕ができますよね。
ボードゲームをしてるうちに落ち着くわが子の様子を見て、
夫も「そうするといいんだね、ごめん叱って」と言っていました。
自分に余裕がないと私だって思わず叱っていたと思います。
叱っても意味がないと知りながらも。
でも今回はたまたま落ち着いて対応できたことで、ボードゲームで落ち着けることが分かったし、
上手に深呼吸して「心がざわざわするの」と言語化できたわが子に成長を感じることができました。
下の子は年明けすぐ、地域の療育センターにて発達検査の予定です。
どうなるんでしょう〜。
私も若干心がざわざわしそうですが、
私自身もこの記事を思い出して落ち着いて過ごしたいと思います。
