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昔も夏は暑かった。映画『野良犬』を観たら

録画していた黒澤明監督1949年公開の映画『野良犬』を鑑賞しました。
主演三船敏郎、本多猪四郎助監督。
三船敏郎が若くて生真面目な新人刑事を演じています。
以下映画の内容に触れるので注意してください。

『野良犬』

三船敏郎演じる新人刑事村上がバスの中でコルト式拳銃を掏られ、手がかりを求めて戦後間もない闇市を這いずるように捜し回ります。町には「東京ブギウギ(歌無し)」が流れてます。よくある「リンゴの唄」ではないところが戦後3年くらい過ぎているというサインでしょうか。
真夏の出来事なので、村上も闇市の人々もとても暑そう。大量に汗をかいて生きています。
「暑い描写」って映画の中の人間が命を持って生きていると印象付ける手段なのかな?と思っちゃうくらい暑苦しい描写が続きます。

なかなか有力な手がかりがつかめず焦燥を深める村上に対して上司の係長はあまり一大事と思っていない様子。アドバイスはしますが、手伝ってはくれません。
「戦後すぐだし拳銃盗難なんて大したことじゃないのかな?」と思って観ていたら村上は3ヶ月間半額の減俸になってしまいました。上司は監督責任的なことは問われないようです。

やがて手がかりを掴んだ村上はベテランの佐藤刑事(志村喬)と出会い、村上のコルトで強盗事件が起き、負傷者も出ていたことから共に拳銃捜索を始めます。
自分の拳銃が犯罪で使われたことに深く責任を感じている村上に佐藤は言います。

「コルトでなければリボルバーでやったさ」

孤独な捜査を続けていた村上にとって佐藤は心強い味方でしたが、やがて村上のコルトで強盗殺人事件が起きてしまいます。
村上はさらにさらに精神的に追い詰められますが、ベテラン佐藤の力もあって、容疑者を徐々に追い詰めていきます。
佐藤刑事はついに容疑者遊佐と邂逅しますが今度はなんと佐藤刑事がコルトで撃たれてしまいます。

再び一人捜査となった村上でしたが執念で遊佐を追い詰めます。拳銃を向け発砲する遊佐でしたが、弾丸が尽きたところで飛びかかった村上についに逮捕されます。
最後の格闘戦も暑苦しく泥臭いものでした。

「野良犬」って誰のことかな、と思いながら観ていましたが。
遊佐も村上も復員兵で、二人とも復員してきた時にリュックを盗まれるという同じ境遇の持ち主でした。
社会の仕打ちに絶望した遊佐はそこから人が変わったように悪の道に踏み込んでしまいますが、村上はむしろその出来事から正義を求め、警察の道を選びます。
絶望で規範を失った遊佐こそ「野良犬」だったのでしょう。ただ、警察官のことを「イヌ」と呼ぶこともあるので遊佐「野良犬」に対して村上は「飼い犬」なのかなとも思いましたが考え過ぎでしょうか。

若い新人刑事の役でも貫禄を感じる三船敏郎(公開時29歳くらい)でしたが、自分のことを「僕」と言うのは新鮮でした(最初は元軍人アピールなのか「自分」と言ってましたが)。
『日本の一番長い日』でも『羅生門』でもギラギラ暑くて汗ダラダラ映画だったよなぁ、と思いながら鑑賞を終えました。

次は、え〜と、
『1941』でも観ましょうかね。
確か『1941』公開時のインタビューだったと思いますが、
「最近の若い役者はゲートルの巻き方も知らん」
と三船さんは憤慨していました。
(ゲートル巻けないと三船さんに怒られちゃうのかぁ。ゲートルってどうやって巻くんだろう?)
と、役者志望でもないのにいつか三船さんに会った時のことを心配してました。
はい。
昔から心配性なんです、僕。

Netflix →『1941』


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