三菱UFJの決算は非常に強い――金利上昇の恩恵が本格化
三菱UFJフィナンシャル・グループが、2027年3月期第1四半期決算を発表しました。
結論から言えば、今回の決算は非常に強い内容でした。
純利益は8,094億円となり、前年同期比で48.2%増加しました。第1四半期としては過去最高益です。
通期の純利益目標は2兆7,000億円ですので、わずか3か月で約30%まで進捗したことになります。
金利上昇の恩恵が利益に表れ始めた
今回の決算で特に注目したいのは、資金利益の増加です。
資金利益は8,823億円となり、前年同期から約1,900億円増加しました。
国内の貸出金利回りが上昇し、預金金利との差である利ざやも拡大しています。日銀が金融政策を正常化し、日本の金利が上昇していることが、銀行の収益に明確に反映され始めました。
銀行は、預金などで集めた資金を企業や個人に貸し出し、その金利差によって利益を得ます。
長く続いた超低金利の時代には、この利ざやが非常に小さく、国内銀行にとって厳しい環境が続いていました。
しかし、日本の金利が正常化に向かうことで、メガバンクの収益構造は大きく改善しつつあります。
金利以外の事業も好調
今回の増益は、国内金利の上昇だけによるものではありません。
法人融資、資産運用、決済、M&A関連業務、セールス・アンド・トレーディングなど、幅広い事業で利益が増加しました。
さらに、出資先であるモルガン・スタンレーからの持分法投資利益も増加し、全体の利益を押し上げています。
金利上昇だけに依存するのではなく、国内外のさまざまな事業が増益に貢献している点は評価できます。
経費率も前年の60%から53.4%まで低下しており、収益の増加に対してコストが抑えられています。
ROEも14.4%まで上昇しました。日本の銀行としては、かなり高い水準です。
与信費用の増加には注意
一方で、すべてが問題ないわけではありません。
貸倒引当金などの与信関係費用は、前年同期の469億円から720億円へ増加しました。
ただし、不良債権比率は3月末の0.96%から0.80%へ低下しています。
現時点では、融資先の信用状態が急速に悪化しているとは考えにくく、与信費用の増加も十分に吸収できる利益水準です。
今後、米国景気が悪化した場合や、海外企業の信用リスクが高まった場合には注意が必要ですが、今回の決算だけを見れば大きな懸念材料ではありません。
通期予想と配当は据え置き
これだけ強い決算でしたが、三菱UFJは通期の純利益目標2兆7,000億円を据え置きました。
年間配当予想も96円のままです。
進捗率が30%に達しているため、今後も業績が順調に推移すれば、上期決算以降に通期予想が上方修正される可能性があります。
追加の自社株買いや増配にも期待が高まります。
ただし、市場も三菱UFJの好業績をある程度予想していました。決算が良いからといって、株価が必ず大きく上昇するとは限りません。
株価の反応には、上方修正や追加的な株主還元が出たかどうかも影響します。
私の方針 三菱UFJは保有継続
今回の決算を受けて、三菱UFJの長期保有の根拠は一段と強くなったと考えます。
日本の金利正常化による利ざや改善に加え、海外事業、資産運用、法人金融など、複数の収益源を持っていることが三菱UFJの強みです。
もちろん、銀行株は景気悪化や信用不安に弱く、金利が上がれば必ず株価も上がるという単純なものではありません。
それでも、現在の三菱UFJは、日本の金利正常化という長期的な環境変化の恩恵を受けやすい立場にあります。
今回の決算は、利益確定を急ぐ内容ではないと考えました。
短期的な株価の上下にかかわらず、日本株ポートフォリオの中核銘柄として、基本的には保有を継続してよいと考えています。
今後は、上期決算での業績上方修正、追加の自社株買い、そして年間96円からの増配があるかに注目しています。
投資は自己責任でよろしくお願いします。

