旅で一番好きな時間
旅で一番好きな時間は、初日の夜かもしれない。
長期の連休になると3泊くらいで一人旅をする。
たいてい仕事で疲れた状態からのスタートだ。
なんとなく初日はエンジンがかからない。
エンジンがかからないというか、チューニングがうまくあっていないといった感じか。
あそこ行こうとか、この道曲がろうとかの直感がまだ鈍い。
それでも絶景を眺めたり、自然の匂いを感じたり、動物と触れ合ったり、地元のグルメを楽しんだり少しずつ旅に馴染んでくる。
そして初日の夜遅くには徐々に、チューニングが合い始める。
どこで飲もうかとか、ここ入ろうとか、そういった何でもないところでも、なんとなくほぐれてくる。
メニューを見ながら、店員さんとの何気ない会話。
始めは躊躇がある。
お酒の力も借りてか、旅の力か、やがてそんな躊躇もなくなり、自然になってくる。
旅先の自分になっているというか、自由な気持ちで自分に正直になれる。
普段は少し慎重というか周りを気にしているのだろう。
それが旅先では少しだけオープンでいられる。
日常とは違う居場所での自分。
旅で少しほぐれたそんな自分に会えることも楽しみにしているのかもしれない。
旅の初日の夜。
暖簾をくぐる頃には、ちょっとアクティブなヤツになっている。
