GPU単体時代の終焉:NVIDIA「Rubin」から「Feynman」へ続く、異種混合推論基盤への構造転換
はじめに
Rubin CPXの後退は、NVIDIAの失敗ではなく「次のAI基盤」への転換点
NVIDIAの次世代AI基盤を考えるうえで、本当に重要なのはRubinそのものの進化だけではありません。
より重要なのは、Rubin CPXという当初の構想が後退し、その代わりにどのような新しい推論アーキテクチャが前面に出てきたのかです。
Rubin CPXは当初、安価なGDDR7を大量に使い、長文コンテキストを低コストで処理するという明快な狙いを持っていました。ところが現実には、その前提が大きく崩れます。GDDR7価格は想定以上に上昇し、さらにTSMCの先端3nmキャパシティも逼迫しました。
その結果、Rubin CPXは「作れるかどうか」ではなく、「限られた資源を使ってまで優先する意味があるのか」を問われる存在になっていきます。
ここでNVIDIAが切り替えたのが、GPU単体で何でも処理する世界ではなく、GPUはprefill、LPUはdecodeという異種混合型の推論基盤です。その象徴が、Samsung 4nmで製造されるGroq 3 LPUであり、それを束ねたLPXシステムです。
さらに、この流れはそこで終わりません。Rubin Ultraでは、縦型ラックとCPOによる光接続が本格化し、Feynmanでは、3D実装、Custom HBM、NVLink 8 CPOまで含めた次世代AI工場そのものへ進もうとしています。
つまり、いま起きている変化は単なる製品変更ではありません。
「安価な外部DRAMを大量に使う推論」から、「低遅延・高密度・光接続を前提にした新しいAI基盤」への構造転換です。
本noteでは、この流れを、
なぜRubin CPXが後退したのか
なぜGroq 3 LPUが採用されたのか
LPXシステムは何を変えるのか
Rubin UltraとFeynmanで、どの企業に恩恵が広がるのか
という順番で整理します。
今回の主役は、もはやGPU単体ではありません。
先端ロジック、HBM、DDR5、LPU、CPO、基板材料、コネクタ、光部品まで含めた「AI工場全体」です。NVIDIAの次の勝ち筋を理解するには、この全体像を捉える必要があります。
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