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通院日記062_地域病院_通院55日目    昨晩は、2時間ごとに目が覚めた。 けれど20時には眠りについて・・・

20250514(水) 地域病院 通院55日目


 付き添いの16日目。

 昨晩は、2時間ごとに目が覚めた。
 けれど20時には眠りについていたから、朝の6時前に起きても、それほど睡眠不足ということもない。
 寝起きの、モーニングルーティンをする。
 回診が終わったら、チャーハンを試してみたいと妻が言う。
 回診は次席の医師一人だった。
 血液検査に、数日かかることを教えてくれる。
 「結果が出たら、転院の話が出るかもね。」
 僕もそう思い、うなづく。
 妻とは何度か話をしているから、こちらのスタンスは変わらない。

 ファミマは、お弁当の入れ替え中だった。
 ピラフ系は、ジャンバラヤしか残っていなかったので、それを買っていく。
 ライスの部分を、まず味見する。
 「ご飯粒を、飲み込んじゃいそう。」
 ということで、ピラフ系は今後は却下となった。
 「チキンならいけるでしょ?とんかつが良かったんだから。」
 ジャンバラヤの上にのっていたチキンは、食べやすかったようだ。
 噛んでも、細かくならないのがいいようだ。
 「次は肉系で、何か作ってくるよ。」
 「三元豚でもいいんじゃない?」
 三元豚のかつ丼は、ファミマの弁当の中では気に入っている。
 すでに2回食べている。
 「あなたの豚が、無くなるかも。」
 そういうくらいの食欲だ。

 交代の看護師がやってきて、あいさつをしていく。
 最近は看護師も名乗ってくれるので、名前も覚えやすい。
 けれど、僕は人の名前を覚えるのがあまり得意ではなく、再三妻に確認する事になった。
 看護師が検査の一通りを終えると、今度はおせんべいを食べたいという。
 ミックスあられが、いろいろ選べていいようだ。
 その後、体拭きと着替えをしてもらい、午前中のイベントはほぼ終えた。

 義兄の足の指が、巻き爪になってしまった。
 抗がん剤の副作用だ。
 義姉は、サイズの違う靴を選んでからくるので、12時を回る予定。
 けれど、食材を昨日、張り切って買い込んでしまったので、昼食は家ですることにする。

 今日の昼食
 クリームチーズとブルーベリージャムのパン、コンソメスープ、シーチキンサラダ
 いつものメニュー。

 洗濯を済ませて、干しておく。

 
 病院に帰ってくる。
 夕食をリクエストされて、買いに行く。
 カフェのパンは売り切れだ。
 代わりに、三元豚のかつ丼が食べたいとのこと。
 ささみとキャベツのサラダ、明日の朝食に、ハムレタスたまごのサンドイッチも買う。
 
 今日は緩和ケアチームの看護師と話ができたようだ。
 僕が戻ってくると、義姉とそんな話をしている。
 妻が、積極的に緩和病棟への、転院の話をするのはめずらしい。
 「服を着てみましょうか、なんていわれて、着せられちゃうのかも。」
 「起き上がってみましょうか、とかね。」
 冗談めかして笑っていた。

 けれど、話が姪の結婚式の事に至って、妻が泣き出してしまった。
 まだ栄養剤カテーテルだけで、それをリュックに入れていけば、動くことができた頃。
 妻は、こんな格好で出たくないと言っていた。
 抗がん剤治療でよくなれば、それがなくても出席できる。
 披露宴の食事も、食べることができる。
 そんなことを考えていたのだ。
 今は、出席できないと理解しているから。


 氷がなくなってきていたので、氷と自分用の野菜ジュースを、追加で買ってくる。
 氷を口に入れてから、妻の髪を梳かしていると、妻が思いついた。
 「前髪切ってみようか。」
 以前もその話をしていた。
 けれど、出入りのボランティアの美容師がいるので、その時にと話していたのだ。
 「はさみはあったでしょ?」
 「じゃ、やってみようか。」
 妻にはベッドの脇から頭だけ出してもらい、切った髪は床に落として後で拭きとれるようにした。
 前髪を1cmほど切ってみる。
 切れ目が不揃いで、はさみの後が残っている。
 はさみは切れが悪く、切り辛い。
 細かく調整してから、斜めに刃を入れて切り際をぼかす。
 なんとなく、みられるようになったような気がする。
 「どう?」
 改めて櫛を入れてみると、若々しく、かわいい妻が戻ってきた。
 「かなりいい!」
 サムズアップ。
 オールバックはさすがにないな、と思っていたので、もっと早くやっておけばよかった。
 鏡がないので、妻はタブレットの鏡面に、顔を映して見ている。
 気に入ったようで、濡れタオルは着けていない。
 かなり雰囲気が変わったので、看護師の誰かが気づいてくれるはずだ。
 ・・・と思っていたのに、誰も反応してくれなかった。
 妻も残念そうな顔をしていて、悲しくなる。
 誰かに、サクラを頼んでおくべきだったと後悔する。


 目下の関心ごと。
 鼻から挿入している、腸カテーテルを取れないか?
 医師達の見解も、明確な方針を出せていない。
 今の状態であれば、抜いてもいいかもしれないが、今後の状況によって必要になった時、再び挿入するのはむずかしいと考えている。
 また、消化液だけでなく、ガスも腸にたまる。
 それを抜く事も必要だ。


 要望のあった、ミックスあられをまたファミマで買ってきて、いくつか味見する。
 次にちくわ。
 これは、かなりいい具合に味見ができるようだ。
 僕の夕食前にも、買っておいた三元豚のかつ丼のカツを味見する。
 期待に違わず、そこそこ美味しかったようだ。
 けれど、衣が気になるらしい。
 グルメな妻の要望を満たすのは、なかなかむずかしいのだ。

 日が沈んでから、珍しく妻の方からYoutubeを見ようと言ってきた。
 選ぶのは、何かしら食事に関係するものだ。
 それくらい、妻の食べ物に対する執着心はすさまじい。
 北海道の家族の、お母さんの配信を見る。
 その後、今度は映画を見ようという。
 こんな風に、やりたいことを次々と始める妻を、うれしくも思うし悲しくも思う。
 でも、楽しむにこしたことはない。
 ポトフというフランス映画を、半分まで見た。
 少し疲れて寝ることにする。
 古い時代の設定で、古式な調理器具を使って、グルメな料理をひたすら作っている。
 料理シーンを見ていると、食い入ってしまうといいながら妻は観ていた。

 夜番の看護師に、明日の洗髪の予約をお願いして、眠りにつく。


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