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主人公と読者を諭す名著「ナゲキバト」。

時折、撮影した写真をAIに判断させて正誤を楽しみ、関連項目を調べては興味の世界を拡げている。
 

電線に休む鳩。ドバトかキジバトと思われる。

の写真にAIが回答した一つが「ナゲキバト」である。悲しげな鳴き声が名の由来。見付けた動画では確かに弱々しい溜息のような鳴き方をしていた。国内不在種だから明らかに間違いなのだが、なんて詩的な呼称だろうと調べるうちに同名の本が表示された。ラリー・バークダル著、片岡しのぶ訳「ナゲキバト(THE MOURNING DOVE)」(あすなろ書房)。大人になった主人公・ハニバルが両親を不慮の事故で失い祖父と暮らした九歳の頃を回顧する形で物語は進む。
 
ハニバルが「ひときわ鮮烈によみがえるのは、あの日の情景。」と追想する「第3章 巣の中のヒナ」は読み手にも衝撃的だ。主人公が浅慮に猟銃でナゲキバトを撃ってしまう。亡骸の近くに二羽の雛鳥が巣の中から鳴いていた。父鳩だけで二羽は育てるのは無理だと祖父は自然の厳しさを語り、引き起こした悲劇に後悔する孫に告げるのだ。
 
「どっちにするか、きめなさい」

いわんや命の取捨選択である。行動の責任は常に自らが果たさねば成らない。安易な逃げ道は此の物語に存在しない。
 
訳者あとがきにれば当初アメリカで自費出版されたがまたたく間に感動は伝播でんぱして広く読まれるに至った本なのだそう。図書館では若者向けの棚に並べられていたが子供から大人まで万人に読んでほしい「教え」と「学び」双方を読者に与える見事な作品だ。
 
AIの御陰で久方振りに良質な現代文学に出会えた。
 
オマケ:

本日は鳩サブレーでお馴染み「豊島屋」制定「鳩の日」。


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