【現役臨床検査技師が認知症を解説㉓】人の手には不思議な力があるのかもしれません
こんにちは。ペンペンです🐧
前回は、視覚についてお話しました。
皆さんは最近、誰かと手をつなぎましたか?

大人になると、誰かと手をつなぐ機会はほとんどなくなります。
でも不思議なことに、人は不安な時ほど誰かの温もりを求めるのかもしれません。
今日は「触覚」と認知症についてお話ししたいと思います。
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私は心エコーを担当しています。
心エコーは暗い部屋で行うことが多く、胸元を出していただきながら検査を行います。
患者さんにとっては、何をされているのか分かりにくく、不安を感じることも少なくありません。
特に認知症のある方の場合は、検査を嫌がられることもあります。
そんな中で、私は時々不思議な体験をします。
私の手を触る患者さんがいるのです。
あるおばあちゃんは、検査中ずっと私の手をつねっていました。
また別のおばあちゃんは、私の手をずっとさすっていました。
正直に言うと、検査は少しやりにくくなります(笑)
そこで私は、プローブを持っている手ではなく腕の方へ手を誘導することがあります。
でも気が付くと、なぜか皆さん手の方へ戻ってくるのです。
最初は不思議でした。
でも今思うと、不安だったのかもしれません。
安心したかったのかもしれません。
そんなことを考えるようになった出来事があります。
ある日、認知症のある患者さんの心エコーを担当しました。
検査を嫌がっているわけではないのですが、落ち着かず、ずっともぞもぞ動いています。
ベッドから転落しそうになる場面もありました。
このままでは危ないと思い、看護師さんに検査介助をお願いしました。
看護師さんは優しく声をかけながら患者さんの足をさすってくれました。
私の検査の邪魔にならないように気を遣ってくださったのでしょう。
でも、あまり変化はありませんでした。
そこで作戦変更です。
今度は患者さんの両手を優しく握りながら、声をかけ続けました。

すると少しずつ落ち着き始めたのです。
そして検査開始からしばらくすると、
なんとウトウトし始めました。
私はその光景を見ながら、あることを思い出しました。
子どもの頃、
熱を出した時に母親が額に手を当ててくれたこと。
眠れない夜に背中をさすってもらったこと。
祖父母と手をつないで歩いたこと。
もしかすると、人は何歳になっても誰かの温もりに安心するのかもしれません。
もちろん私は医師でも心理学者でもありません
手を握ることで認知症が改善するわけでもありません。
でも私は現場で何度か見てきました。
手をつねるおばあちゃん。
手をさするおばあちゃん。
そして、手を握られると安心したように眠ってしまった患者さん。
人の手には不思議な力があるのかもしれません。
認知症になると、言葉によるコミュニケーションが難しくなることがあります。
でも、
手を握ること。
手をさすること。
そっと寄り添うこと。
そんな小さな触れ合いが、
不安を和らげることもあるように感じます。
もしご家族や大切な人が不安そうにしていたら、
今日は少しだけ手を握ってみてください。
私たちが思っている以上に、
人の温もりは大切なのかもしれません。

最後までお読みいただきありがとうございました。
次回は
【現役臨床検査技師が認知症を解説㉓】
『ご家族の第六感』(仮)
についてお話ししたいと思います。
認知症の検査をしていると、
検査結果よりも先にご家族が気付いていることがあります。
「なんとなく違う」
「いつもと様子が違う」
そんな小さな違和感が、実はとても大切なのかもしれません。
次回もぜひ読みに来てくださいね。
⚠️この記事は健康づくりのヒントとして作成しています。
診断や治療を目的としたものではありません。
気になる症状がある場合は医療機関へご相談ください。
