【自閉症】食べ物以外を口にしてしまう子どもたち!異食症とお腹の健康のつながり | ASD | 大人のASD | 自閉症スペクトラム | 自閉スペクトラム症 | 自閉症 | アスペルガー | 発達特性 |
こんにちは、春乃ひかりです。
「うちの子、本やノートの角をちぎって食べてしまう……」
「クレヨンや粘土、服の袖、時には公園の砂や小石まで口に入れてしまうのをやめさせられなくて、本当に困っている」
私も小1の頃、鉛筆のお尻をガシガシ噛んで、
赤鉛筆の芯までかじって先生に見つかった事があります。
紙や氷も食べていた記憶があります。
そして遺伝なのか
教えてもいないのに息子もやってました。
長男は鉛筆かじりと氷を食べて夫に怒られ割とすんなり辞めました。
次男は鉛筆かじりが特にひどく、小2くらいまで、
鉛筆が可哀想な事になっていたので、
通級と担任の先生で作戦を立てた事があります。
↓こちらの動画の1番最初みたいな
筆箱になっていました。
そして後々に歯医者に行って発覚したのですが、
上前歯の抜け落ちた隙間部分に鉛筆をはめて
ガシガシ噛んでいたため、
新しく生えるはずの歯の角度が前に曲がってしまっていました。
なかなか同じ状態になる子は居ないかもですが、
皆さまもお気をつけ下さい、、。
自閉スペクトラム症(ASD)などの特性を持つお子さんを育てる中で、このように
食べ物以外のものを強迫的に口に入れて噛んだり、
飲み込んでしまったりする行動に、
強い戸惑いや不安を感じている保護者の方は少なくありません。
親としては、命に関わる誤飲や中毒のリスクが常に頭をよぎるため、一瞬たりとも目を離せず、精神的にすっかり疲れ果ててしまいますよね。周囲から「愛情不足で、寂しいから口にものを入れるんじゃない?」などと偏見に基づいたアドバイスをされ、傷ついたことのある方もいるかもしれません。
しかし、海外の発達障害と臨床医学の最新研究(自閉症児の異食症と消化器健康に関するデータ)では、この行動には脳の感覚的な仕様と、さらに「お腹(消化器)の状態」が密接に関わっているという科学的事実が示されています。
今回は、自閉症児に見られる異食症(ピカ)の本当の原因と、見落とされがちな内臓の健康のつながりについて解説します。
1. 脳が口からの強い感覚刺激を求めている(感覚処理の問題)
海外の自閉症支援と作業療法の分野によると、
食べ物以外のものを口にする行動は、
医療的に異食症(Pica - ピカ)と呼ばれ、
自閉スペクトラム症のある子どもたちに
比較的高い確率で見られることが報告されています。
その大きな原因の一つが、脳の感覚処理障害(感覚プロセシングの問題)です。
自閉特性のある脳は、感覚の受け取り方が独特で、口腔内(口の中やアゴの筋肉)の感覚の感度が低く、強い刺激を浴びないと自分の口やアゴが今どうなっているか」を実感しにくい特性(感覚鈍麻・感覚追求)を持つことがあります。
そのため、紙のザラザラした質感や、クレヨンの独特の硬さ、服の袖の繊維の弾力などを噛むことで、脳に必要な「感覚刺激(固有受容感覚や触覚)」を補給しようとしているのです。
これは、心因性のストレスというよりは、目が悪い人がメガネを求めるように、脳が生命維持に必要な感覚データを必死に集めようとしている感覚的な適応行動に近いものです。
2. お腹の痛みや不調を口の刺激で紛らわしている
さらに、近年の海外の医学研究において極めて重要視されているのが、異食症とGI健康(消化器系の不調)の驚くべきつながりです。
自閉特性を持つお子さんは、
腸内環境の乱れや消化酵素の不足などにより、
慢性的な便秘
下痢
胃酸逆流
お腹の張り
といった
消化器のトラブル(GI症状)
を抱えやすいことが知られています。
しかし、彼らは自分の身体の痛みや不快感を
「お腹が痛い」
「ガスがたまっている」
と的確に言葉で表現することが困難です。
そのため、お腹のシグナルから来る正体不明の不快感や痛みを紛らわせるために、
非食物を口に入れて噛みしめることで、
一時的な感覚の麻痺や安心感を得ようとする
自己治療行動(セルフメディケーション)
をとっている可能性が指摘されているのです。
口の問題に見える異食症が、
実はお腹のヘルプサインである
という場合があります。
専門家は、
単に口に入れないよう行動を制限するアプローチだけでは不十分であり、
腸内環境や日々の栄養バランスを整え、お腹の炎症を抑えることが、
異食行動を根本から減らすための重要な鍵になると警告しています。
3. 口と胃腸の両面からアプローチを整える
異食に対するサポートは、「頭ごなしに叱る」ことや物理的に取り上げるだけでは解決しません。
まず、口の寂しさを安全に満たせるように、医療用の噛むおもちゃ(オーラルチューブやチューイー)を利用して、「噛みたい感覚ニーズ」を否定せず、安全に満たす方法を保証してあげることが有効です。
さらに、小児科と相談しながら食生活を見直し、消化に優しい食事や乳酸菌を取り入れ、慢性的な便秘を改善するアプローチを行うことで、異食行動が根本から消えていくケースが多く見られます。
子どもたちの不可解な行動の裏には、必ず生物学的な理由や、彼らが生き抜くための切実なニーズが隠されています。
「悪い行動」と決めつけて無理に押さえつけるのではなく、身体の内側の声(感覚と胃腸)に耳を傾けることこそが、最も優しい解決策になるのですね。
4. 今日からできる小さな一歩
お子さんが食べ物以外のものを口に入れてイライラしそうになったとき、まずは「今日からできる小さな一歩」として、口に入れるのを怒る前に、『今日はお通じがあったかな? お腹が張っていないかな?』と、お子さんの排便記録やお腹の張りをチェックしてみることから始めてみませんか?
叱る代わりに、お腹を「の」の字に優しくマッサージしてあげたり、水分を多めに摂らせて胃腸の働きをサポートしてあげるのです。口ではなく「お腹」にアプローチすることが、異食行動を根本から優しく和らげるきっかけになります。
食べ物以外のものを噛む行動は、脳とお腹からの切実な「ヘルプサイン」です。
親御さんの育て方のせいではありません。
口の欲求を優しく認めつつ、身体の内側の健康をサポートしながら、一歩ずつ進んでいきましょう。
今回の内容について、あなたのご家庭ではお子さんの「口に物を入れる癖や異食」に対して、どのような対応をされてきましたか?ぜひコメントで教えてくださいね。
用語解説
異食症(Pica - ピカ): 粘土、紙、髪の毛、衣類、砂など、栄養価のない食べ物以外の物質を少なくとも1ヶ月以上にわたって強迫的・反復的に口にする摂食行動の障害。
GI健康(Gastrointestinal Health): 胃や小腸、大腸などの「消化器系」の健康状態のこと。自閉症児においては、腸内環境の乱れが脳の機能や行動に影響を与えるという「脳腸相関」が研究されている。

