顧客の期待を圧倒的に超える
福島正伸さんが紹介している
駐車場の管理人さんについての
有名な話はご存知でしょうか?
この本に所収されている
「人であふれた駐車場」
というお話です。
簡単に要約すると、こんな話です。
近くの駐車場に一人の管理人さんがいました。
定年退職後に駐車場管理の仕事を始めた60代の男性で、その仕事ぶりは他の管理人と全く違っていたそうです。
毎朝、利用者一人ひとりに笑顔で「おはようございます」と声を掛ける。
雨が降って来ると、傘を忘れた人に自分の傘を貸してしまう。
荷物の多い利用者には、持ち場を離れてまで運ぶのを手伝う。
満車で入れない車には、申し訳なさそうに頭を下げ、丁寧にお詫びする。
頑張りすぎだと思ったものの、聞くと当の本人は、「この仕事が面白いからやっているんだよ」と笑って答えます。
そんな管理人さんに、遂に退職の日がやってきました。
その話を聞きつけて、これまでのお礼にとお菓子を持って最後の挨拶へ向かいます。
すると、驚いたことに、駐車場は利用者や近所の人たちでいっぱいになり、何百人もの人が別れを惜しんで集まっていました。
管理室には花束があふれ、外には贈り物が山積みになっていました。
この管理人さんの仕事は、
表面的には駐車場の管理だった
かもしれませんが、
実際には利用者の方を笑顔にする
ことだったと言えます。
そして、笑顔にしてもらうという
「価値」を受け取った人たちが、
お礼したい!と陸続とやって来る
くだりには、ジーンとくるものが
ありました。
この話をつい思い出したのは、
『致知』7月号にとても似た話が
出てきたからです。
国際コミュニオン学会名誉会長の
鈴木秀子さんの連載記事
「人生を照らす言葉」の中で、
読者からのお便りの中身が紹介
されていました。
こちらも簡単に要約しておきましょう。
手紙の主は70代の男性。
彼は子供の頃から腋臭症の持病があり、友だちからも遠ざけられ、強いコンプレックスを抱えていました。
就職にあたって選んだのは、人と距離を取って働ける警備の仕事。
誰とも話すことなく毎日が過ぎるのが寂しくなり、ある時から「おはようございます」「お疲れ様でした」と自分から通行人に挨拶をするようになりました。
大半の人は何もなかったかのように通り過ぎますが、時折挨拶を返してくれる人もいて、それが彼の生きる力になっていきます。
やがて退職の日を迎え、地味な仕事ながらやり遂げたことに充実感を感じ、満足していました。
退職後のある日、長年勤めた会社の社長から電話がありました。
彼の退職後に何人もの社員から『あの警備員さんはいないのですか』『姿が見られなくなって寂しい』との声を聞いたことと、そのような素晴らしい働きがいつしか会社にとってなくてはならない存在になっていたことに対して、心からの感謝の言葉が伝えられたのです。
何ともいい話ではないでしょうか。
警備員としての仕事に、通行人に対する
挨拶は本来は含まれていないでしょう。
それでも、自主的に挨拶をすることで、
多くの人の心に火を灯し続けた彼の
弛まない行動には、間違いなく大きな
「価値」があふれていました。
これら二つの話は、
単に「いい話だなぁ」で済ませるには
もったいないものです。
顧客の期待を超えるレベルで
サービスを提供し続けることが、
顧客の「満足」を通り越して「感動」を
呼び、強力な情緒的価値を生み出す。
そのような事例として是非記憶して
おきたい、そう思う次第です。
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己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。