お客様視点で「すべて」を考える
夏の暑い日の仕事終わりに飲む
生ビールの味わいは格別です。
最初は、なぜこんな苦い飲み物を
大人は飲むのだろう?などと
思っていたものですが、いつしか
その苦味もまた愛おしい存在に
なっていました。
それはさておき、今日はビール
会社で驚異的な業績をあげた方の
記事を取り上げたいと思います。
『致知』8月号に、
「企業の盛衰はリーダーにあり」
というタイトルにて、
キリンビール元副社長の田村潤さんと
商工中金社長の関根正裕さんの対談
記事が掲載されていました。
田村潤さんと言えば、
『キリンビール高知支店の奇跡』
で一躍有名になった方なので、
ご存知の方も多いでしょう。
断トツ最下位の実績しかあげられて
いなかった高知支店に、いわば
「飛ばされた」田村さんが、まるで
シンデレラの如く大逆転を遂げる
ストーリーです。
みんなが「他責」思考に陥り、
いわゆる「大企業病」にかかって、
「負け癖」にまみれた集団を率いる
ことになった田村さんが、
どうやって大逆転を果たし、
その後トントン拍子で出世して
最終的には全国の営業の責任者たる
副社長にまで上り詰めたのかを、
ごくかいつまんで復習させていただく
ことができました。
その要点を、ひと言でズバリ言うと
するならば、
お客様視点ですべてを考えていった
ことに尽きると言えるでしょう。
当時、キリンビールは、
アサヒが出したスーパードライに
押されに押され、ビール市場における
全国No.1シェアの地位を失ったばかり。
首位にあぐらをかいていたがゆえに
会社としての能力が退化したのでは、
と言われても仕方のないほどに、
キリンの本社が打ち出す対策は
どれもこれもアサヒの二番煎じ、
三番煎じという有様に陥っていた
ようです。
そのような状況下において、
田村さんが率いていた高知支店は
本社の受け売りをするのをやめ、
高知のお客様に直接、キリンに対して
何を期待して下さっているのかを
足を使ってトコトン聞いて回りました。
そこで分かってきたことを、
具体的な施策にしっかりと反映し、
直接的に高知のお客様に向けた
メッセージを声高に叫ぶような形で
キャンペーンを実施するなど、
とにかくお客様本位の取組みを
愚直に実行していきました。
取り組む社員たちの肚落ち具合も
違っていたようで、社員一人ひとりが
主体性をもって動けるようになり、
わずか3年ほどで県内のトップシェアを
奪還することに成功したのです。
過去は、売上至上主義に近い状態、
お客様のことはそっちのけで、
いかに売上を最大化するかに汲々と
する組織文化が培われていました。
それを、お客様至上主義に少しずつ
変えていったのが田村さんなのです。
売上は一旦脇において、
お客様が喜んでくれる打ち手は何か、
お客様の住む高知県にとって最善の
策は何なのか、そういった視点から
すべてを見直し、すべての打ち手が
「お客様にとってよいこと」という
一点で首尾一貫しているかを問う
ようになった結果、高知支店は前代
未聞の飛躍を遂げたわけですね。
一般的な解釈としては「営業」の
成功譚ではありますが、
結局のところお客様を起点にすべてを
考えたことで成功した点を踏まえる
ならば、「マーケティング」の話で
あると言えるでしょう。
お客様を起点に考える。
もうあまりにも当たり前すぎて
今更言うことでもない気がしますが、
マーケティングの本質、ひいては
ビジネスの本質がここにあると
いうことを、改めて念押しさせて
いただきたいと思います。
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