【ハートを探して遊ぶ「隠れミッキー」】 【地図遊びアイディア集:No.031】
動画配信が大好きで、暇さえあれば視聴しています。いくつかのエピソードを見逃していたドラマ『美食探偵』を見終わったところ、次にお勧めとして流れてきたのがホームドラマ『過保護のカホコ』でした。ドラマの冒頭、神奈川県の上空から俯瞰した映像が流れます。横浜市泉区に相当する地域が、赤い線でハートの形に囲まれている……。「一体何だろう?」と気になって見始めてしまったのが、今回の遊びのきっかけです。
航空写真ではありますが、こういう境界線が登場すると、ついつい探したくなってしまいます。しかもハート型。高畑充希さん演じる主人公のカホコさんの活動範囲かと思いきや、黒木瞳さん演じる母親の泉さんが「女王」として振る舞える範囲でした。もっとも、泉区そのものの形がハート型に似ているため、この話が生まれたのかもしれません。ドタバタ喜劇なのですが、主人公の一生懸命な姿を見ると目頭が熱くなります。どうしてこんなに面白いんだろうと脚本家を調べて見たら『家政婦のミタ』を手掛けた遊川和彦氏でした。
まあ、ドラマのことはともかくとして。「他の場所にも、こんな風なハート型はないものだろうか?」と探し始めてしまったのが、この「地図遊び」の始まりです。

まずは、湖で探してみました。青森県の下北半島で見つけたのが「宇曾利山湖(うそりやまこ)」という湖です。かなり不格好ではありますが、個人的にはこの発見に大満足! すでにネットでも話題になっているようです。
さあ、あなたもさっそく探し始めてみませんか?

遊びの準備
・地図:地図なら何でもOKですが、国土地理院地図(電子国土Web)がおすすめです。
遊び方のステップ
①地図を広げる(または画面で開く)
②ハート形の地形をひたすら探す
③見つけたら、地名や場所を記録する
もっと楽しく遊ぶために
まずは「日本三大ハート湖」を探してみよう
ネットで調べてみると、日本では「日本三大ハート湖」と呼ばれる有名なスポットがあるようです。
・豊似湖(とよにこ):北海道

・谷中湖(やなかこ):栃木県・茨城県・群馬県・埼玉県にまたがっており、「渡良瀬遊水地」の名称でも有名です。

・北竜湖(ほくりゅうこ):長野県

世界中で探してみよう
今度はスケールを大きくして、世界地図を広げて探してみましょう。
湖以外で探してみよう
ハート型になる地形は、境界線や湖だけではありません。
・島
・噴火口
例えば、ハート型の「島」を探してみましょう。比較的有名なのは以下の二つです。
・黒島:沖縄県

・渡鹿野島(わたかのじま):三重県

「地図」という制限を無くしてみよう
地図という枠組みを飛び越えれば、岩の形、洞窟の開口部、雪渓の形など、自分で冒険し発見する世界がさらに広がります。
例えば、ハート型の光で有名な「濃溝(のうみぞ)の滝」(千葉県君津市・清水渓流広場)。水面の反射と合わさって綺麗なハート型に見えるのは、3月(春分)と9月(秋分)のお彼岸前後、早朝06:30~07:30頃のわずかな時間帯です。
「隠れミッキー」を探してみよう
ハート以外の形にも目を向けてみましょう。
・円形
・星型
・ひょうたん型
ミッキーマウスを形作る三つの円、いわゆる「隠れミッキー」のような形を地図上から探してみるのも実に魅力的です。
雑談: 横浜市泉区の「謎の円形」
冒頭で触れた横浜市泉区の地図をよく見ると、南東側に綺麗な「円形」の地形が浮かび上がっています。総武線沿線に馴染みのある私にとって、これは非常に既視感のある地形です。千葉県船橋市にある行田(ぎょうだ)団地周辺にもこれとそっくりな円形地形があり、スケール感もほぼ同じです。
実はどちらも「旧日本海軍の無線通信基地(電信所)の跡地」なのです。横浜市泉区のものは「旧深谷通信所跡地」、船橋市のものは「旧行田無線塔跡地」にあたります。

大正から昭和にかけて、旧日本海軍は各地に大規模な無線電信所を建設しました。中心に巨大な主塔(親コラム)を建て、そこから全方位へ均等に電波を送受信するため、周囲に副塔を等間隔の円状に配置したことから、こうした独特の円形地勢が今も道路や区画として残っています。
もちろん、この2カ所以外にも全国に、いくつかの円形の軍事遺構・通信基地跡が残っています。ぜひ探してみてください。
雑談:「隠れミッキー」を探すなら
「隠れミッキー」を探すには三つの円が綺麗に重なる必要がありますが、地球上の自然地形ではそう簡単には見つかりません。
しかし、「円がたくさん集まっている場所」といえば……そう、月のクレーターです! これだけ丸い穴があれば見つかりそうなものですが、実際に探してみるとこちらも一筋縄ではいきません。その中でも比較的有名なのが以下のクレーター群です。

地球や月以外の天体はどうでしょう? 実は、水星には「Disney(ディズニー)」と名付けられたクレーターがあり、まさにミッキーのような形をしています。

パレイドリア現象とシミュラクラ現象
何かの形が、自分が知っている別の形に見えてしまう現象は、「パレイドリア現象」と呼ばれています。特に、三つの点が人の顔に見えてしまう現象は、「パレイドリア現象」の中でも、「シミュラクラ現象」と呼ばれています。
パレイドリア現象(Pareidolia)
視覚だけでなく聴覚など五感全般に及ぶ認知現象です。「形」だけでなく音や声、意味への「見立て」全般を含みます。
(例:雲が犬に見える/月の影がウサギに見える/ノイズが話し声に聞こえる/等高線が人のシルエットに見える など)
脳が過去の記憶や知覚パターンを使って「知っている意味のある形」へあてはめようとする、トップダウン型の情報処理によるものです。
シミュラクラ現象(Simulacra)
主に視覚に関する現象で、「点や線が3つ集まった配置」を脳が自動的に「人間の顔」と識別してしまう現象を指します。(壁の穴やコンセントの差込口が顔に見えるのが典型例です)
これは敵や味方の顔を瞬時に見分けるための生体防御本能(ボトムアップ処理)に由来すると言われています。

最後に、皆さんも「ハート型」の地形などを見つけられたら、ぜひ教えてください。コメント欄でシェアしていただけると励みになります。
本記事は、「地図で思いっきり遊ぶためのアイディア集」の31個目のアイディアです。
