スマホ時代に差がつく!子どもの「思考力」をぐんぐん伸ばすアナログな習慣
こんにちは。元小学校教員のポニョちゃんママです。
前回は、デジタル化や利便性が進む現代において、子どもたちが主体的に「考える」機会が減少し、思考力の低下につながっているのではないかという違和感についてお話ししました。
今回は、それを踏まえて
「では、子どもの思考力を育むためには、一体どうしたらいいのか?」という具体的なアプローチについて考えていきます。
根拠のある子育て論を求めて:1冊の本との出会い
私は元小学校教師ですが、教育の研究者ではありません。
我が子を育てる一人の親でもあります。
だからこそ、感覚だけではなく、しっかりと根拠のある方法をお伝えしたいと思い、1冊の本をじっくりと読み込みました。
それが、
認知科学者である今井むつみ先生の著書
『親子で育てる ことば力と思考力』(ちくま新書)
です。
この本は、乳幼児期から小学校中学年くらいまでのお子さんを持つ保護者向けに書かれています。子どもの思考力を育むための具体的なアプローチが非常にわかりやすく言語化されており、元教員の私から見ても「まさにその通り!」と納得することばかりでした。
すべての子育て世代の方に読んでほしいと思える名著ですので、今回はその中から、特に大切だと感じたエッセイのエッセンスをかいつまんでご紹介します。
一生学び続ける人間を育てるために、大人がすべきこと
今井先生は、本書の中でこれからの時代を生きる子どもたちに必要な力について、次のように述べています。
どのような状況にも柔軟に対応できる思考力を持ち、何歳になっても新しいことを自分で学ぶことができる人間。 一生学び続けることができる人間。 そういう人間が、これからの社会を「よく生きる」ことができます。
子どもに「よりよく生きてほしい」と願うのは、すべての親に共通する想いのはずです。では、そうした思考力を育てるために、私たち大人は先回りして手取り足取り教えてあげるべきなのでしょうか。
今井先生の答えは「否」でした。
大人が躍起になって教えようとすればするほど、小さい子どもは、学ぶことに対するワクワク感を失ってしまい、自分で考え、学ぶことができなくなってしまいます。
この一節には、非常に深く共感しました。実は、私が我が子に「先取り学習」をさせない最大の理由もここにあります。
学校という場所で、初めて新しい知識に出会う。そのときに、先生や友達と一緒に「わあ!」「なるほど!」と目を輝かせ、ワクワクしながら学んでほしいのです。
「知識の先取り」よりも大切なこと
幼児期における家庭の役割は、小学校の教科書の内容を早く覚え込ませることではありません。
幼児期にするべきことは、「小学校で教わる知識の先取り」ではありません。 日常生活や遊びの中で、文字、ことば、数、形、空間や時間のことばの表現などに関心を持ち、注意を向ける習慣づけが大事。 子どもが算数を楽しみ、好きになるための準備は、数のことばを早くから覚えたり、足し算や引き算を小さいころから覚えたりすることではありません。
数に興味を持ち、数や量の差に自然に注意を向けることができるようになることが、小学校での算数の学力に大きな影響をあたえる。
大人がすべきなのは、子どもが自ら学びたくなるような「きっかけ作り」や「環境の用意」です。それさえ日常の中に溶け込ませることができれば、無理に先取り学習をさせずとも、子どもは自然と力を伸ばしていくことができます。
こちらの記事にも詳しく書いています。
キーワードは「生きた知識」と「ことばの力」
自分で学ぶ力を育む土台となるのは、他でもない「ことばの力」です。本書では、知識を以下の2つに分類しています。
「死んだ知識」:暗記しただけの、使えない断片的な知識
「生きた知識」:必要な時にすぐ取り出せて使える知識。他の知識と組み合わせて、新たな知識を生み出すことができる知識
母語(日本語)のネットワークは、まさにこの「生きた知識」の代表例です。 本書では、子どもの思考力とことばの関係について、以下の6つの要点にまとめられています。
外から無理に詰め込もうとしても「生きた知識」には育たない
子どもに本当に身につけてほしいのは「思考力」である
思考力とは問題解決能力であり、情報処理能力や実行機能も共に育てる必要がある
思考力は「ことばの力」とタッグを組んで、いっしょに育つ
小学校以降の学びには、日常会話の言葉だけでなく、抽象的な意味を持つ「学習語彙」が必要になる
乳幼児期から児童期にかけて、子どもがことばにたくさん触れ、その意味を自分で考える機会を作ってあげることが大切
日常の「アナログな対話」が思考力を磨く
スマホやタブレットを開けば、一瞬で正解らしきものにアクセスできる時代です。しかし、だからこそ「自分でじっくり考える」というアナログな習慣の価値が高まっています。
家庭の中で、子どもが何気なく発した言葉に耳を傾けること。
「これってどういう意味だろう?」と一緒におしゃべりを楽しむこと。
読み聞かせや読書をすること。
そうした、一見遠回りに見える日常の泥臭いコミュニケーションこそが、子どもの中に「生きた知識」を蓄え、一生モノの思考力を育んでいくのだと確信しています。
今回ご紹介した『親子で育てる ことば力と思考力』には、具体的な語りかけのコツなどもたくさん詰まっています。子育てのヒントが欲しい方は、ぜひ図書館で予約したり、書店で手に取ったりしてみてください。
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ここでは、家庭で育つ「学ぶ土台」について綴っています。
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