2025年の国内・海外のミステリーを語り尽くす
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奈美: ねえ、主要なミステリランキングが出揃ったから、これを見ながら語り尽くしちゃおうよ!今年のミステリ、みんなは何が一番「キタ!」って感じだった?私はもう、上條一輝さんの『深淵のテレパス』に全部持ってかれた感があるんだよね。
翔平: ああ、奈美さんらしいチョイスだね。あの作品はホラーとしてだけじゃなくて、ミステリとしての構造がしっかりしてたのが良かった。でも、まずは公的なランキング、週刊文春「ミステリーベスト10」2025年版、「ミステリが読みたい!」2026年版、「このミステリーがすごい!」2026年版、を見ていきましょうか。
由伸: 国内篇はすごいはっきりしているね。櫻田智也さんの『失われた貌』が、「ミステリが読みたい!」で1位、文春で1位、「このミス」で1位 と、全てでトップを総なめだ!これはもう文句なしの年間ベストだね。
奈美: 満場一致だわ。でも、私が熱狂した作品もちゃんと上位にいるのが嬉しいわ。翔平くん絶賛の伏尾美紀さんの『百年の時効』は、文春で3位、「このミス」で4位 と安定して高評価ね。
翔平: ええ。『百年の時効』は、昭和49年の凄惨な一家殺傷事件から始まって、時効法改正を背景に平成、令和へと続く執念の捜査劇がリレーされていく、重厚な警察大河小説だからね。複雑に絡み合う人間関係と伏線の妙が評価されたんだろう。読書メーターのレビューにもあったけど、本当に一気読み確実で、伏線がすべて見事に回収されるのが気持ちいいんだよ。
由伸: 他には、新川帆立さんの『目には目を』が、「ミステリが読みたい!」で5位、「このミス」で9位、文春でも8位タイに入っているね。
奈美: あと、個人的に注目していたのは、笠井潔さんの『夜と霧の誘拐』よ。「ミステリが読みたい!」で6位、文春で6位、「このミス」で2位 と、特に「このミス」で高順位をつけているのが印象的だわ。
翔平: 逢坂冬馬さんの『ブレイクショットの軌跡』も強かった。「ミステリが読みたい!」で10位、文春で5位、「このミス」で6位 と、こちらも主要ランキング全てでベストテン入りを果たしているね。
由伸: 僕たちの読書会でも話題になった阿津川辰海さんの『最後のあいさつ』はどうだろう。文春では20位、「このミス」では18位タイだけど、あの「メタミステリ」としての虚構と現実が入り混じる設定は本当に面白かった。国民的刑事ドラマの主演俳優が、現実で真犯人の正体を暴く“推理”を披露するっていう設定がまず天才的だよね。
奈美: わかる!あれはもう、阿津川さんの「読者への挑戦状」だよね。読売新聞の書評にもあったように、演技者が役柄に心身を同化させる中で、真実がどこにあるのかを探るのが面白かったわ。
翔平: 国内篇は『失われた貌』の強さが際立ったけど、全体的に「物語の構造」や「テーマの深さ」で勝負する作品が多かった気がするね。
翔平: それじゃ、海外篇を見ていきましょう。国内と違って、海外篇はランキングが割れたのが面白いところだね。
由伸: そうだね。「ミステリが読みたい!」では、僕がハマったフリーダ・マクファデンさんの『ハウスメイド』が1位だ!あの、前科持ちのメイドが巻き込まれるジェットコースター・スリラーで、途中で奥さんのニーナの不可解な言動に気づき、物語が180度ひっくり返る「視点の反転」が本当に衝撃的だった。
奈美: 『ハウスメイド』は、文春でも3位、「このミス」でも3位 と、全てのランキングでトップ3入りしているわね。強烈なインパクトを残した証拠よ。
翔平: 文春で1位になったのは、アンソニー・ホロヴィッツの『マーブル館殺人事件』だ。この作品は「このミス」でも2位、「ミステリが読みたい!」で3位 と、こちらも強かった。ホロヴィッツ作品は「作中作」のミステリと、現実のストーリーが両輪で進んでいく形式が最高で、「トップレベルの犯人当てミステリ」と評されるのも納得だ。
由伸: そして「このミス」の1位を獲ったのは、リチャード・デミングの『私立探偵マニー・ムーン』だ。文春でも5位に入っているね。トップが三つ巴だったのは珍しいかもしれない。
奈美: 複数のリストで上位にいる作品を見ると、今年の海外ミステリの傾向が見えてくるわね。例えば、ホリー・ジャクソンさんの『夜明けまでに誰かが』は、「ミステリが読みたい!」で2位、文春で2位、「このミス」で5位 と、安定して上位にいるわ。
翔平: ウィリアム・ショーの『罪の水際』も文春で7位、「このミス」で4位、「ミステリが読みたい!」で9位 と、各リストで評価が高いね。
由伸: ジャニス・ハレットさんの『アルパートンの天使たち』は、「ミステリが読みたい!」で5位、「このミス」で8位 に入っているけど、文春では12位タイだった。この辺の順位のばらつきが、読者の好みの多様性を示しているのかもしれないね。
奈美: どの作品も、読者の予想を裏切るギミックや、重厚なテーマ性を持っていたからこそ、これだけ熱く語り合えるのよね。今年も本当に豊作だったわ!
翔平: まさに。僕たちの読書会も、どんどん熱が入るわけだ!
