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カブトムシと父親

私、夏になるとカブトムシを採りに行くという趣味があります。


子供のころから、カブトムシにはずっとあこがれていました。
お店で買えても、自分で見つけたことは一度もありませんでした。

そんな私が、近所の神社でカブトムシが採れるらしい、
という噂を聞いたのが5年前です。

冗談半分で行ってみたら、本当にいました。

まさか、40代半ばになって、
初めて野生のカブトムシを採ることになるとは思いませんでした。

そこから一気に、少年の気持ちに戻りました。
早朝3時に起きて、毎日のように採りに行きます。

採ってきたカブトムシは、近所の子供たちにおすそ分けします。
「一緒に採りに行きたい」と言われて、連れて行ったこともあります。

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私の親の話になりますが、両親は田舎に住んでいて、
カブトムシがたくさんいます。そして、昔からカブトムシを育てています。

私が昔からカブトムシが好きだったので、
毎年、羽化したカブトムシを私のところへ持ってきてくれます。

それもまた、近所の子供たちにおすそ分けします。

2年前、親が育てていたカブトムシが、暑さのために羽化せず、
全滅したことがありました。

父親は少し寂しそうでした。

そこで私は、近所で採ったカブトムシを父親に渡しました。
父親はそれを持ち帰り、また育て始めました。

そして翌年、無事に羽化しました。
父親は、そのカブトムシを嬉しそうに私のところへ持ってきてくれました。

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正直に言います。

今の私は、毎年、結構な数のカブトムシを採ります。
だから、わざわざ持ってきてもらわなくても、カブトムシには困りません。

むしろ多いくらいです。

それでも、父親は1年かけて育てます。
幼虫の様子を見て、土を替えて、暑さを気にして、羽化するのを待つ。
そして、羽化したカブトムシを自分の子供のところへ持ってくる。

たぶん、それが父親の楽しみになっているのだと思います。

今年も、きっと持ってきてくれるはずです。
その日が近づくと、私は自分で採ったカブトムシを「こっそり隠します」。

すでに何匹もいるところを見られると、
「もういらないやろ」
と思われるかもしれないからです。

父親が持ってきたカブトムシを見て、
「おお、今年も羽化したんや」
と言う。

父親は、少しうれしそうに説明する。
私は、それを近所の子供たちに配る。

本当は、自分でも採っている。
でも、それは言わない。

カブトムシを隠す。
これも、親孝行の一つなのかもしれません。

ちなみに、今日も近所で5匹捕まえてきました。
全部メスだった。オス、いっこもおらんやん。

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