男女混浴の温泉に、妹と行った時の金的事件
湯気に煙る脱衣所の棚にバスタオルを置き、少しだけ呼吸を整える。
「先に温泉行ってていいの?」 「いいよ、私は髪まとめるのに時間かかるし。混浴エリアで待ってる」
妹の凛香(りんか)の声が、男湯と女湯を仕切る木壁の向こうから聞こえてきた。
今日訪れたのは、山あいにひっそりと佇む老舗の温泉旅館。そこには広大な自然庭園の中に広がる、珍しい源泉かけ流しの「男女混浴露天風呂」がある。普段はそれぞれの時間を過ごす大人になった妹と、久々の家族旅行の合間に混浴露天風呂を訪れるのは、どこか妙な緊張感があった。
湯上がりの火照った体のまま女湯の脱衣所に戻り、タオルで髪を拭きながら、ふと壁に貼られた注意書きの看板が目に留まった。
そこに書かれていたのは、混浴エリアの利用ルール。
『女性:専用の湯浴み着、バスタオル巻、または水着着用可』『男性:原則として全裸(移動時のみ腰にタオル着用)』
「……え?」
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