炎天下の行列の先にあるもの。娘と楽しむふたつのかき氷
毎日うだるような暑さが続きますね。
普段は農業法人で土と向き合ったり、休みの日は頼まれた庭木の剪定で汗を流したりしている私ですが、お酒を飲まないせいか、疲れると無性に甘いものが欲しくなります。
夏場の甘いものといえば、やっぱり冷たいかき氷。今日は、京都の大学に通う娘のところに遊びに行った時の、ちょっと特別なかき氷のお話をさせてください。
炎天下の行列と、お目当てのお店
京都の夏は、盆地特有のまとわりつくような暑さがあります。
そんな中、妻と私、そして娘の3人で向かったのは、娘がお気に入りだという「京氷菓 つらら」さんです。

開店前から行列ができるほどの人気店で、私たちもハンカチで汗を拭いながら、今か今かと順番を待ちました。

こういう時の美味しいものを待つ時間は不思議と苦になりません。並んでいる間も、「どんな味にしようか」と家族で話しているだけで、あっという間に時間が過ぎていきました。
思わず声が出た、芸術品のようなかき氷
ようやく涼しい店内に入り、それぞれのお目当てを注文。しばらくして運ばれてきたかき氷を見て、私たち親子3人は思わず「わーっ」と感嘆の声を上げてしまいました。



こんもりと丸く盛られた氷の上には、たっぷりのクリームや色鮮やかなソース、そしてフルーツ。まるで丁寧に作られた洋菓子のような、芸術的な美しさです。
一口食べると、ふわりと溶ける氷に濃厚な甘さが絡み合い、炎天下で火照った体がすーっと癒されていくのを感じました。2000円近くする高級かき氷ですが、それだけの、いやそれ以上の価値がある贅沢な時間です。
色褪せない、いちごシロップの記憶
そんな豪華なかき氷を娘と向かい合って食べていると、ふと、ずいぶん昔の夏の日が頭をよぎりました。
娘がまだ幼かった頃、近所のプールに連れて行った時のことです。
プールの売店で買った、発泡スチロールのカップに入った昔ながらのいちごかき氷です。

塩素の匂いが少し残るプールの空気の中、冷たさに肩をすくめながら、真っ赤ないちごシロップで口のまわりをべったりと赤くして無邪気に笑う娘の姿。
京氷菓つららさんでスマートフォンでかき氷の写真を撮りながら、大人びた表情でスイーツを味わう娘と、あの日の口のまわりを赤くした小さな女の子が、私の中で静かに重なりました。
ふたつのかき氷と、時の流れ
娘が幼かった頃は、今のように2000円もするような高級かき氷は、世の中にあまりありませんでした。
ガリガリとした粗い氷に、甘くてチープなシロップをたっぷりかけただけの庶民的なかき氷。そしてフワフワの氷に厳選された素材を使った洗練されたかき氷。
世の中のかき氷がこんなにも進化していくのと同じように、娘も少しずつ、でも確実に大人へと成長してきたのだなと、氷が溶けるようにじんわりと感慨深い気持ちになりました。
昔ながらのチープないちごかき氷も、職人技が光る高級かき氷も、どちらも私にとっては娘との大切な「夏の味」です。どちらが好きかと聞かれたら、選ぶことはできません。それぞれに、その時にしか味わえない愛おしい記憶が詰まっているからです。
さて、そろそろ夕方。庭の植木に水をやったあとは、作業部屋に戻って、ミシンで縫いかけの帆布バッグの仕上げに取り掛かろうかと思います。その前に、温かいコーヒーを一杯淹れて、冷えたお腹を少し休ませてあげようと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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