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英語教育を幼児期に進める注意点  英語と同時に育てたい「日本語で考える力」

皆さん、こんにちは。 
いつも記事を読んで頂きありがとうございます。 

本日は幼児期の英語教材のやり過ぎによる思わぬ弊害について触れたいと思います。

今回の記事は中学受験や高校受験、大学受験を予定している、日本語を母国語とする小学生とそのご家庭向けの記事です。

帰国生で母語が英語やその他の外国語の場合はあまり当てはまらない記事です。


中学受験対策をしていると英語・英会話も低学年のうちからあわせて対策されているご家庭は珍しくありません。


しかし、学習の進め方や何を目的に低学年から英会話を進めるかによって、思わぬ弊害もあることをお伝えいたします。


英語の語彙は日本語と比較すると浅く、狭いです。
反面、だからこそシンプルな言語として世界中に広がったと言えると思います。
英語と日本語の違いは、細かな感情、敬語表現があまりないことです。

幼児期から英語に触れること自体は、決して悪いことではありません。

問題となるのは英語の学習が増えたあまり、日本語での会話、読み聞かせ、感情を言葉にする経験が減ってしまうことです。


大切なのは、英語を始めるかどうかではありません。

英語を増やした結果、日本語が減っていないかという点です。


 1.「悲しい」だけでは感情を細かく表せない

たとえば、英語の“sad”を知っていても、日本語では感情をさらに細かく表せます。

* 悲しい

* 寂しい

* 切ない

* 心細い

* やるせない

* がっかりした

これらは似ていますが、感情の原因や程度は少しずつ異なります。

幼児期に日本語で気持ちを説明する経験が少ないと、さまざまな感情をすべて
「悲しい」「嫌だった」「むかついた」といった少数の言葉で処理するようになる可能性があります。
いわゆるボキャ貧=ボキャブラリー貧困です。

これは単なる語彙数の問題ではありません。


自分や他者の感情を区別し、その理由を考える力にも関係します。


2.語彙力の不足が国語読解に影響する


国語の物語文では、登場人物の心情が直接書かれているとは限りません。

表情、行動、会話、情景などから、

「寂しいのか」

「悔しいのか」

「恥ずかしいのか」

「申し訳ないのか」

を読み分ける必要があります。


日本語で感情を細かく区別する語彙が少なければ、本文中の微妙な心情変化を捉えることも難しくなります。


説明文でも同様です。


「原因と結果」
「具体と抽象」
「比較と対照」などを、日本語で論理的に捉える力が必要です。

語彙力は読解力を支える重要な要素であり、知らない言葉が多くなれば文章全体の理解も不安定になります。



言語学習が片寄ると、複数言語を学ぶメリットがあまり感じられないことも。

3.日本語の語彙力は英語の和訳にも生きる

大学受験等では英語を日本語に訳すとき、必要なのは英単語の知識だけではありません。

たとえば“look”を常に「見る」、“say”を常に「言う」と訳してしまえば、文章が単調になります。


文脈に応じて、

* 見つめる

* 眺める

* のぞき込む

* 目を向ける

* 見守る

などと訳し分けるには、日本語側の語彙力が必要です。


英語力が同じでも、日本語の語彙が豊かな子どもの方が、意味や場面に合った自然な和訳ができます。

つまり、英語を深く理解し表現するためにも、母語である日本語の力が重要なのです。


4.「英語の追加」ではなく「日本語との置き換え」

幼児英語で注意したいのは、次のような状態です。

* 日本語の読み聞かせを減らして英語教材ばかり見せる

* 親が不慣れな英語だけで話そうとして、会話が単純になる

* 子どもの気持ちを日本語で詳しく聞く機会が減る

* 英単語は覚えているが、日本語で理由を説明できない

* 英語の発音や暗唱を優先し、日本語で考える時間が不足する

英語教育の目的は、日本語を英語に置き換えることだけではありません。

豊かな日本語の土台に、英語というもう一つの言語を積み上げることです。

冒頭に帰国生向けの記事ではないと書いたのは、ベースとなる言語が外国語だと、日本語ほど細かな表現があまりないため、積み上げるにも最初に何と対応する語句なのかと考えてしまい大変な作業になります。

やがて英語には対応する語句がないと理解し、日本語の細かさ、日本人の感情の表し方の多様性に気付くことになると思います。

5.幼児期に家庭で意識したいこと

幼児期には、英語教材を増やすだけでなく、日本語での経験を充実させる必要があります。

絵本を読んだ後に、

「どうしてこの子は泣いたのかな」

「悲しいだけかな。悔しい気持ちもあったかな」

「自分だったらどう思う?」

と問いかけてみてください。

子どもの答えが短ければ、親が少し豊かな日本語に言い換えて返します。

このような会話の積み重ねが、語彙力、感情理解、説明力、そして将来の国語読解力を育てます。

最近では.食事が美味しい場合も美味しくない場合も「ヤバい」の一言になっている場合があります。(笑)


幼児期の英語教育で本当に大切なのは、英語をどれだけ早く始めたかではありません。


日本語で考え、感じ、説明する力を守りながら英語を加えられているか。


ここを間違えなければ、英語と日本語は対立するものではなく、互いを高め合う力になります。

中学受験や大学を受験する学習プランをお持ちの場合、幼児期の英語学習は単純にプラスだけではなく、思わぬマイナスもあることを理解しておくと良いかもしれません。 

特に中学受験では、英語利用試験でプラスでも、国語でマイナスに働く場合もあります。
中学受験では、英語利用試験で国語の力も試す学校が多いです。

それぞれの言語をバランス良く学習し、どちらの言語も武器になるといいと思います。





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