週一だけ会える芸能クラス20(修学旅行④)
第20話「韓国到着」
修学旅行当日。
羽田空港を出発した飛行機は予定通り韓国へ到着した。
到着したのは金浦空港。
飛行機が着陸した瞬間、機内のあちこちから小さな歓声が上がる。
谷口:「着いたーーー!」
菅原:「まだ飛行機降りただけ」
山﨑:「でも韓国だ」
谷口:「韓国です!」
〇〇:「まずは落ち着け」
谷口:「無理です!」
〇〇:「知ってた」
飛行機を降りると、ハングルの案内表示が目に入る。
聞こえてくる言葉も日本とは違う。
それだけで海外に来た実感があった。
宮地:「本当に韓国ですねぇ」
五百城:「当たり前やけどな」
小島:「なんかテンション上がる〜」
奥田:「少し緊張します」
佐藤先生:「楽しんできな」
〇〇:「全員、はぐれるなよ」
谷口:「大丈夫です!」
〇〇:「一番信用できない返事だな」
山﨑:「確かに」
菅原:「分かる」
谷口:「なんで!?」
そんなやり取りをしながら入国審査を終える。
大きなトラブルもなく、一行は観光バスへ乗り込んだ。
空港からソウル市内へ向かう車内。
窓の外には高層ビルや韓国語の看板が並ぶ。
小島:「見て見て〜」
宮地:「綺麗ですねぇ」
五百城:「思ったより都会やな」
奥田:「道路も広いです」
谷口は窓に張り付いていた。
谷口:「全部韓国だ!」
菅原:「当たり前だろ」
山﨑:「楽しそうだな」
谷口:「楽しいです!」
〇〇は思わず笑った。
修学旅行が始まってからずっとこの調子だった。
昼前。
一行は昼食会場へ到着する。
韓国最初の食事はサムギョプサルだった。
鉄板の上で焼かれる肉。
立ち上る香ばしい匂い。
谷口:「きたぁぁ!」
菅原:「予想通り」
山﨑:「美味しそう」
五百城:「ええ匂いやな」
宮地:「お腹空きました〜」
奥田:「私もです」
谷口は焼けるのを待ちきれない。
〇〇:「まだだ」
谷口:「もういけます」
〇〇:「いけない」
数分後。
谷口:「いただきます!」
一口食べる。
谷口:「うまっ!!」
店内に響く声。
菅原:「リアクション大きすぎる」
山﨑も食べる。
山﨑:「あ、美味しい」
谷口:「でしょ!?」
山﨑:「だから私が作ったわけじゃない」
五百城:「これは美味しいわ」
宮地:「美味しいですねぇ」
小島:「幸せ〜」
奥田:「韓国料理好きかもしれません」
昼食は大好評だった。
そして午後。
一行はソウル市内観光へ向かう。
訪れたのは韓国を代表する歴史的建造物。
景福宮
壮大な王宮を前に、生徒たちは思わず足を止めた。
谷口:「でかっ!」
菅原:「第一声それ?」
山﨑:「でも分かる」
宮地:「綺麗ですねぇ」
五百城:「写真映えしそうやな」
奥田:「歴史を感じます」
ガイドの説明を聞きながら歩く。
普段は賑やかな生徒たちも、この時ばかりは真面目だった。
クラス写真も撮影した。
谷口:「先生も入ってください!」
〇〇:「俺はいい」
菅原:「修学旅行なんだから」
山﨑:「思い出だし」
結局〇〇も参加。
シャッターが切られる。
その瞬間の笑顔は、きっと良い思い出になる。
観光を終える頃には夕方になっていた。
ホテルへ到着。
谷口:「ホテルだー!」
小島:「大きい〜!」
五百城:「すごいな」
奥田:「綺麗ですね」
チェックインを済ませ、各自部屋へ。
一時間ほど自由時間を過ごし、夕食も終わった。
そして夜。
点呼後。
教員による見回りが始まる。
〇〇と佐藤先生は各部屋を順番に回っていた。
まずはB班。
コンコン。
佐藤先生:「入るよー」
宮地:「あ、先生〜」
部屋へ入る。
そこには予想通りの光景があった。
お菓子を囲みながら談笑する四人。
騒ぐわけでもなく。
寝ているわけでもなく。
絶妙に平和だった。
〇〇:「問題ないか」
奥田:「大丈夫です」
小島:「平和です〜」
五百城:「めっちゃ平和やで」
宮地:「佐藤先生も座りますか〜?」
佐藤先生:「見回り中だから」
宮地:「残念です〜」
小島:「先生人気者〜」
佐藤先生:「そうかな?」
五百城:「せやけど気になることあるな」
佐藤先生:「なに?」
小島:「先生彼氏いるんですか〜?」
佐藤先生:「え!?」
〇〇:「おい」
五百城:「気になるやん」
宮地:「気になりますねぇ〜」
奥田:「少しだけ」
佐藤先生:「いないよ!」
小島:「即答だった〜」
五百城:「ほんまかな」
佐藤先生:「本当だから!」
宮地はくすくす笑っていた。
そして。
小島:「じゃあ〇〇先生は〜?」
〇〇:「なんで俺に飛ぶ」
五百城:「気になるやん」
奥田:「少しだけ」
宮地:「ふふっ」
佐藤先生:「知らない!」
五百城:「否定早いな」
小島:「怪しい〜」
佐藤先生:「怪しくない!」
部屋中が笑いに包まれる。
〇〇:「ほら、そろそろ寝る準備しろ」
宮地:「はーい」
五百城:「了解や」
奥田:「おやすみなさい」
小島:「おやすみです〜」
本当に平和だった。
部屋を出た瞬間。
佐藤先生が小さく息を吐く。
佐藤先生:「あの子たち鋭いね」
〇〇:「楽しんでるだけだろ」
佐藤先生:「そうかなぁ」
そして次。
A班。
コンコン。
返事がない。
〇〇:「嫌な予感しかしない」
ドアを開ける。
谷口:「先生!」
菅原:「あ」
山﨑:「見つかった」
〇〇:「何してる」
部屋の中央。
韓国のお菓子が山になっていた。
谷口:「韓国お菓子ランキング決定戦です!」
〇〇:「誰が始めた」
谷口:「私です!」
菅原:「知ってた」
山﨑:「予想通り」
〇〇は額を押さえた。
佐藤先生は横で笑っている。
谷口:「先生も参加します?」
〇〇:「しない」
菅原:「即答」
山﨑:「知ってた」
谷口:「えぇ〜」
その後も。
これは美味しい。
これは微妙。
そんな話で盛り上がっていた。
ふと。
谷口が聞く。
谷口:「先生」
〇〇:「ん?」
谷口:「修学旅行楽しいですか?」
一瞬。
部屋が静かになる。
〇〇:「まぁな」
谷口:「今笑いましたよね?」
〇〇:「笑ってない」
菅原:「笑ってた」
山﨑:「ちょっとだけ」
〇〇:「お前らな」
谷口は満足そうだった。
先生も楽しんでいる。
それが少し嬉しかったのかもしれない。
見回りを終えた帰り道。
ホテルの廊下。
佐藤先生:「みんな楽しそうだったね」
〇〇:「騒がしいだけだ」
佐藤先生:「でも嬉しそうだったよ」
〇〇:「……そうか?」
佐藤先生:「うん」
文化祭。
修学旅行。
少しずつ増えていく思い出。
〇〇は静かに廊下の先を見た。
まだ修学旅行は始まったばかりだった。
当作品は全てフィクションです。
実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
