22歳のミケ猫と狩り
和ちゃんは、もう22歳。動きはゆっくりになったし、寝ている時間も増えました。だけど、狩りの本能はまだ衰えていません。
ただし、若いころのように動き回るわけではありません。彼女の狩りは、静かで、気配があって、緊張感がある。
静かにスツールに登って、じっと座る。 そして、こちらを見つめてくる。それだけです。
鳴かない。身じろぎもしない。 ただ、顔だけこちらに向けて、人間の目をまっすぐに見てくる。
その視線には、「気づいているよね?」という圧がこもっていて、スルーしようとしても、つい気になる。パソコンを開いていても、スマホを見ていても、どうしても意識の端に刺さってくる。
我慢比べが始まります。 先に動いたら、負け。 でも、人間は弱い。
やがて誰かが立ち上がります。 机の上にある、あの箱。 チュールが入っている箱の蓋を開けると、和ちゃんはスツールをすっと下りて、足元に移動してきます。何も言わないまま、正面に回り込む。
そして、チュールを差し出すと、ようやく口をつける。 ゆっくり、でも確実に、ぺろぺろと食べていく。
たった1本で満足します。 もっと欲しがることはありません。 きっちり1本で、今日の狩りは終わり。
食べ終わると、ふらりといつもの寝床へ。 まるで「仕事が終わった」とでも言うように、静かに丸まって目を閉じます。
声も出さず、手も出さず。 それでも和ちゃんは、今日も人間を仕留めました。
スツールの上から、目だけで。

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