寝たきりについて⑤寝たきりになっても伸び続けるもの〜髪と髭〜
病棟看護師:二丁目夏子です。
寝たきりって、どんな状態になるのかを
イメージしてもらえるような記事を
書いています。
今回は、髪と髭について綴ってみます。
人間は、見た目の印象で
瞬時にいろいろなことを判断します。
ここで言う見た目の印象には、何が含まれそうですか?
健康なときなら、顔・表情・姿勢・服装・雰囲気など、
色々と「要素」がありそうですね。
では、寝たきりになると、どうなるのでしょう?
顔は、意識がない状態であれば表情はほとんど変化しません。
もっと言えば、表情はほぼ、ありません。
痛い時に、顔をしかめる程度です。
姿勢はどうでしょう?
背もたれがあれば、上半身を起こして保持できる場合は
座った状態になることで、印象がちょっと変わります。
保持できない場合は、
仰向け、横向きなど、体の向きが変わる程度で、
印象に変化を与えるほどのものはありません。
服装についても、
寝たきりになると、
常に病衣(びょうい=病院で着る寝巻きのこと)や、
パジャマなどで過ごすため、
健康だった時のようなおしゃれは
なかなか叶いません。
では、どんなところで印象が左右されるのか、
考えてみました。
髪と髭です。
寝たきりになると
寝たきりのかたが入る専用のお風呂
(仰向けで寝た状態で入るお風呂)に入って、
介助の状態で髪も体も洗います。
その回数は、1週間に1回程度です。
熱が出たり、状態が思わしくない場合は
それすら、できなくなります。
頭皮は、皮膚よりも脂の分泌が盛んなため、
髪がベタつきます。
ベタついた状態でも、伸び続けます。
皮脂の分泌が活発なベタつく髪は
よく抜けます。
高齢の、特に男性のかたの場合は
さらに「加齢臭」が加わることになります。
また、女性のかたの場合、
健康だった頃に、髪を染めていたり、
パーマをかけていたりする場合が多く、
寝たきりの期間が長くなればなるほど
健康だった頃とは印象が変わってしまいます。
寝たきりの方のヘアカットには
健康だった頃のような細やかなリクエストが
できなくなるからです。
特に、姿勢の保持ができない状態になると、
誰かに頭を支えてもらいながら
ヘアカットをしてもらうことになり、
とても大変です。
男性のかたは、髪だけでなく
髭も伸び続けます。
毎日、1回、髭剃りをします。
ご持参された電気シェーバーで行います。
刃の枚数やブランドなど、個性が出るところです。
高齢で寝たきりになると、皮膚が脆くなって、
顔も皮下出血を起こすことがあります。
それでも生きている間、ずっと髭は伸び続けます。
健康だった頃の写真をベッドサイドで
目にすることがしばしばあります。
そこには、手入れの行き届いた髪で
笑顔で写っている患者さんの姿があり、
目の前の患者さんとの違いに驚いてしまいますが
よく見ると、面影が残っていることが多いです。
衛生面だけでなく、見た目の印象を左右する
髪と髭の手入れは
お亡くなりになるまで続けられます。
*今日はここまで*
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