エッセイ集 第五弾 お祭りの金魚を10年育てたら、フナになった!?
こんばんは訪問歯科衛生士のノンです。
毎日暑い日が続いていますが、皆様どうお過ごしでしょうか?暑くなると思い出すのが祭りです。
小さい頃の思い出話を少しさせて下さい。
子供の頃から、夏祭りが大好きでした。
お囃子の音、屋台の明かり、そして何より私を夢中にさせたのが「金魚すくい」です。
ある年の夏祭り。いつものように金魚すくいの前で目を輝かせる私に、一緒に行った父と母はこう言いました。

「お祭りの金魚は弱っているから、すくってもすぐにだめになっちゃうよ」
でも、私はどうしても諦めきれません。
「大丈夫!ちゃんとお世話するから!」と両親に約束し、ポイをそっと水に沈めました。必死に頑張って、その日は3匹の金魚をすくうことができたのです。
嬉しくて、破れそうなビニール袋を大事に抱えながら、急いでお家に帰りました。
「この金魚さんたち、どこに入れよう?」
慌てる私に、母は「とりあえずバケツに入れときなさい」と言いました。
我が家には昔、井戸があったので、冷たい井戸水を汲んできて、まずは青いバケツが金魚たちの仮の住まいになりました。
でも、せっかくお家に来てくれた金魚たちです。バケツの底をのぞき込むだけじゃなくて、横からスイスイ泳ぐ姿が見たい。
私は両親に「お願い、水槽で泳がせてあげたい!」と必死に頼み込みました。
熱意が通じたのか、後日、小さなガラスの水槽と、ぶくぶく(エアーポンプ)、そして緑色の水草を買ってもらえることに。バケツから新しい水槽へお引越しした金魚たちは、本当に気持ちよさそうに泳いでいました。
それからは毎日が金魚中心です。
学校から帰るとすぐに水槽の前に座り込み、毎日毎日、金魚たちに話しかけていました。
可愛くて仕方がなくて、ついついエサをあげすぎてしまうこともしばしば。
「また水を濁らせて!エサのやりすぎ!」
水槽が白く濁るたび、父と母によく怒られていたのも、今では懐かしい思い出です。
「すぐだめになっちゃうよ」と言われていたお祭りの金魚。
ですが、我が家の金魚たちは、そこからなんと10年もの間、元気に泳ぎ続けました。

毎日お世話をしていくうちに、気がつけば金魚たちはどんどん巨大化。
あんなに小さかった金魚たちが、最終的には「フナ」のような立派な大きさになり、私は子供ながらに「金魚ってこんなに大きくなるんだ……!」と本当にびっくりしました。
あの冷たい井戸水の感触、エサをやりすぎて怒られたリビングの風景。
お祭りの小さな出会いから始まった10年間のアクアリウムは、私と家族の大切な夏の思い出です。
今年も夏祭りの季節が来るたびに、フナみたいに大きくなったあの日の金魚たちの姿を、愛おしく思い出すのです。
本日も最後まで読んで頂いてありがとうございました。
