独立FPって何で稼いでる?─日本FP協会「11,195人の実態調査」を読み解いてみた
1.はじめに
「独立FP」と聞いて、どんな人を思い浮かべるでしょうか。
家計の相談に乗ってくれる人?
資産運用をアドバイスする人?
あるいは、保険をすすめてくる人?
「独立FP」という方々がいろんな発信をされていますが、どんな仕事をしていて、いくら収入を得ているのか?
なかなか実態はわかりません。
ですが、日本FP協会が、その所属員(CFP・AFP)にアンケートしたこちらの調査がとても参考になりそうです。
2021年度 ファイナンシャル・プランナー実態調査 結果報告書
この調査の有効回答数は11,195人。
すべてのFP資格保有者を対象にした調査ではなく、あくまで日本FP協会所属員が対象ですが、FP資格を持つ人たちの実態を知るには、かなり興味深い内容でした。
今回は、この調査をもとに独立FPの実態を紐解きたいと思います。
※注
本調査はまだコロナ禍の影響が強かった2021年に行われています。
経済環境が今とは違いますので、その点ご了承ください。
2.FP資格を持っている人は、どこで働いている?

こうして見ると、「FP=保険屋さん」という世間のイメージは、まったく的外れというわけでもなさそうです。
しかし、実際には保険だけではなく、銀行、証券、不動産、税務・会計など、さまざまな分野で働いている人がFP資格を持っています。
逆に言えば、いわゆる「独立FP」という仕事だけをしている人は、想像していたよりずっと少なそうです。
3.FP以外に持っている資格を見ると、さらに分かりやすい
次に、CFP・AFP以外にどんな資格を持っているかというデータです。

上位に並んでいるのは、保険、証券、不動産に関係する資格。
すなわち、FP資格は「FPという職業に就くため」というより、
今ある仕事にお金の知識をプラスするために使われているケースが多い
と感じます。
保険の仕事+FP。
証券+FP。
不動産+FP。
税務や士業+FP。
4.1級FP技能士なのに「AFP」の人もいる
もうひとつ、少し意外だった数字があります。

AFP認定者9,002人のうち、2.0%が1級FP技能士を持っていました。
「1級FP技能士なら、みんなCFPなのでは?」と思っていたのですが、どうやら私のような方々もおられるようです(笑)
では、「FPそのもの」を仕事にしている人は、実際どのくらいいるのでしょうか。
5.「FP業務で売上がある人」は4.3%

「FP業務で売上がある経営者」が3.7%、
「FP業務で売上がある勤務者」が0.6%。
つまり、「FP業務で売上がある人」は全体の4.3%しかありません。
一方で、「CFP・AFP資格を業務で活用している人」は36.0%います。
おそらくここのゾーンは上で挙げた「銀行・生保」などの人達でしょう。
なので、「FP資格をもっている人」100人のうち、
FP業務で売上がある人は4人
業務で活かしている人は36人
ということになります。
では、実際に「独立FP」の方々の収入の内訳はなんでしょうか。
6.FPで売上がある人でも、収入の半分はFP以外


日本FP協会では、以下の分類を「FP業務による売上」としているようです。
FP相談業務による売上(収入)
FPに関する講演・講師料
FPに関する執筆・監修料
金融商品等の募集・仲介・販売による手数料
その他FP業務による売上(顧問料など)
ここまでを合計すると49.6%です。
残りは、
その他士業による売上:31.7%、
それ以外のその他売上:8.7%。
合わせて50.4%です。
つまり、
FP業務で実際に売上がある人たちでも、約半分がFP以外の仕事からの収入
ということになります。
特に「その他士業」が31.7%と大きいのも印象的です。
FPだけではなく、別の専門分野を持ちながら仕事をしている人が多いことが、ここからも分かります。
7.「金融商品の販売手数料」をFP収入と考える?
そして、この調査を読んでいて、「おや?」と思ったのが、
「FP業務による売上」の中に、
金融商品等の募集・仲介・販売による手数料 12.4%
が含まれていることです。
「FPで売上がある人」と聞くと、「相談業務だけで生計を立てている」ようなイメージを持ちます。
でも、実態は
家計や資産形成について相談を受け、その相談料をいただいている。
保険や投資信託などの商品を販売・仲介して、手数料を受け取っている。
この二つは、収益の仕組みとしてはかなり違うでしょう。
「金融商品販売による手数料12.4%」を除いて考えると、「FP相談、講師、執筆、顧問」といった、私たちがイメージする「FPとしての収入」は収入の37.2%しかないことになります。
8.FP業務では実際いくら稼いでいるのか
ここまで全体像を見たうえで、ようやく収入を見てみます。

平均470万円と、中央値149万円。
かなり大きな差があります。
一部の高収入層が平均を引き上げているため、「平均年収470万円」という数字だけでFPの収入をイメージすると、実態とは少し違って見えてしまいそうです。
さらに個人事業主に限ると👇️

となっています。
独立してFP業務をすることを考えるなら、こちらの数字のほうが現実に近いのかもしれません。
9.高収入のFPは、何で稼いでいる?
もう一つ気になったのが、収入階層による「稼ぎ方」の違いです。

高収入のFPほど、相談だけではなく、金融商品の販売、顧問契約、講師、提案書作成など、複数の収入源を持っていることが分かります。
10.FP資格は「組み合わせ」
ここまで調べてみると、
FPという資格だけを武器にして、相談業務を中心に独立し、それだけで十分な収入を得る
という働き方については、思っていた以上にハードルが高そうです。
「FP業務収入」には、「金融商品の販売・仲介による手数料」も含まれいる。
高収入層を見れば、「金融商品販売」や「顧問」など、「相談」以外の収入源を持つ人が増えていく。
こうして見ると、FPは「この資格ひとつで食べていく」というより、
ほかの仕事や専門性と組み合わせることで強みになる資格
と考えたほうが、実態には近いのかもしれません。
「FP=お金の相談をして稼ぐ人」
というイメージを持ってしまいますが、実際のデータを見てみると、保険、金融、不動産、士業など、それぞれの本業を持ちながらFP資格を生かしている人が多い。
資格の知名度と、「その資格だけで仕事として成り立つかどうか」は、また別の話なのだと感じました。
本日も当ブログをお読みいただき、ありがとうございました。
