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あいたい


会いたいシリーズ最後の一編


「…答えられない」

「私は…すきだよ」

「俺も、な…だけどお前のその、気持ちには応えられない、わかるだろ?」

重たい空気は暗闇に混じり
この時間でさえ
じんわりじんわり、汗ばむ
電車の音が聞こえる、タクシーのライトが何回も近くを通るのが見える

口に出してから気付く、飲み過ぎてしまった自分を
ここまでの、二人の距離をなくしてしまう一言を
わざわざ自分から言ってしまった

最後のジントニック、飲まなければよかった




2人掛けのソファ、離れていると言えるのか
私は平気な振りをしていた
平気なあなたをずっと見つめて
いつもあなたは、この時間には正確で
帰ろうと、立ち上がり
そのまま私は後ろからついて行く

「ねぇ、待ってよ」
手を差し出したらそのままあなたは私の手を握った

ぎゅっと確認してみる

そして
思わず出た言葉

好きだよ
何度も言いたかった

だけど、その言葉は自分たちを確認してしまった 




あなたは寂しく笑う
熱い重さの中で私たち2人だけ、なんだかカラカラに
風にもなれずに
立ちすくむ

「また…飲もう」

「うん、また誘うね」

このまたは、もう今までのまたとは違うのか

でも、いいの
どうせ進めないんだ
いつも、前から昔から、私たちはいつも
これが2人の楽しみ方


また、ネタできたじゃない
私たち、付き合ってるようで 一回もそんなことにはなってないんだよって
いつも、二人で目を見つめて
その話するんだ、何回も

好きなんだよ
二人ともね、だけど
好きじゃないのかもね、二人とも

次は私のあなたに会えるのか
あなたに会えないのかな






会いたいシリーズはこれでおしまい
色んな会いたいを書いてみました

会えない人に、会いたいよ

あいたい




シリーズ
見出し画像のドット、目がチカチカする




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