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「トライと実践」がキャリアを拓く。今も胸に残る、活動の原点。


 当団体、Career Cafe Connect(キャリアカフェコネクト、以下CCC)の代表・関小百合さんは、2022年から活動を始め、2024年から代表を務めています。イベントやセミナー開催など活動の幅を少しずつ広げる中で、2025年1月には、企業向けにサービスを提供する一般社団法人キャリアコネクトを設立し、代表理事に就任しました。
 
 先日アップした関さんへのインタビュー記事「ワーママをやめて海外生活へ。役割が変わっても揺らがない “私の軸”」では、いち駐在員パートナーとしての様子や、多忙な日々をこなす工夫、生活の中で大切にしている価値観について紹介しました。
 
 そして今回は、組織の代表として日々奔走する姿をクローズアップ。改めて、CCCの活動の現在や、関さんのこれまでの経験、多様な人材が集う組織を束ねる秘訣などを聞きました。
 前編では、今の活動の原点となっている経験や過去の葛藤、そして駐在員パートナーとして同行に至るまで奮闘した日々やその気づきについて、振り返っていきます。


同行1都市目の上海にいた時、
プロのカメラマンに撮影してもらった

プロフィール

関小百合
一般社団法人キャリアコネクト・Career Cafe Connect(以下、CCCと表記)代表。リクルートで10年間転職支援に携わり、年間MVP3回含む27賞を受賞した。のちに独立し、研修講師として活躍。経済産業省主催のビジネスプラン発表会「RED CHUBU」ファイナリスト。
2022年より夫の駐在に伴い中国生活を開始。上海、大連での生活を経て、現在は北京在住。小学1年生の娘の母でもある。

▼詳細はこちらのWEBサイトをご覧ください。
関 小百合 | Career Cafe Connect


CCCの今と、一般社団法人設立の背景

ーCCCの活動について教えてください。

 CCCは、駐在員パートナーのキャリアを支援する非営利団体です。駐在同行を機に離職するパートナーは7割を超え、9割以上がキャリア断絶について悩みや不安を感じ、9割が再び働きたいと願い(2025年、CCCとCAREER MARKが実施した調査から)、アイデンティティークライシスに悩んでいます。海外生活を経験する中で、「この時間をどうキャリアにつなげればいいのかわからない」と感じる方は少なくありません。
 
 そうした声に向き合いながら、経験をそのままにせず、次の一歩につなげる場をつくりたいと考えてきました。キャリアや再就労に役立つセミナーやイベントの開催、さまざまなキャリアを経た方へのインタビュー発信、駐在員家族の実態調査などを通じて、行動のきっかけを届けることを大切にしています。
 
 私自身は2022年からこの活動に関わっていますが、スタッフだけでなく、参加者や企業の方との出会いそのものが、この活動の価値だと感じています。現在は、中国、アメリカ、シンガポール、メキシコ、日本に50名以上のスタッフが在籍し、年間のべ80件以上のプロジェクトに関わり、ビジネスさながらの実践経験を培っています。
 
 イベントの参加者から「イベントがきっかけとなって新たな活動を始めた」という声を聞くたびに、この場が誰かの背中をそっと押せているのかもしれない、と感じています。

ー2025年に社団法人を設立しました、どんな狙いがありますか?

 CCCの活動を通して少しずつ手ごたえを感じてはいましたが、あくまでも任意の非営利団体なので、社会的な信頼の壁にぶつかったことがありました。
 この活動を、企業としっかり連携しながらさらに意義のあるものにしていきたいと、社会的にも信頼性を持つ枠組みとして、昨年1月に一般社団法人キャリアコネクトを立ち上げました。この活動を継続するために費用は不可欠であり、設立の背景にはそうした理由もあります。
 
 一方で、営利目的ではなく、スタッフ全員がビザの制約の範囲内で、無報酬のボランティアで実践経験を得ることで学ぶという点は変わりません。それでも、法人格を持つ団体として、スタッフの活動証明や再就職へのサポートにつなげ、将来的には日本に帰国した駐在員パートナーの雇用を創出できる法人に育てたいと思っています。

 期待を寄せて下さる企業と連携しながら、これまで以上にこの課題に向き合っていくんだという、私自身の覚悟と責任を形にしました。

一般社団法人の代表理事として企業向けの講演も行う


活動の原点になった、会社員時代の気づき

ー「覚悟と責任」を形にする、という思いの原点になった経験を教えてください。

 20代前半から10年間勤めたリクルートでは、リストラで退職した方の再就職支援をしていました。
 大手企業を退職した方の再就職を支援する中で、キャリアのあり方を会社にゆだねることはこれからの時代に即していない、と気づかされました。会社ありきではなく、個人が自律的にキャリアを考え、実践を続けるというサイクルが大事だとわかったのです。

 それ以来、働くことや勤務先に対する視点が変わり、給与を得ながら勉強させてもらっている、何かを実践したり行動に移したりする機会をもらっている、と考えるようになりました。もし想定外の何かが起きた時、自分で環境を変えたいと思った時に、自分の経験や実績を言語化して履歴書に書けるようにしておきたい、選択肢を持って自ら動き出せる実績や力をつけたい、と。
 だからこそ、目の前の仕事にも真剣に取り組みましたし、自分自身の頭で考える、そして行動を続けるということを決して忘れないようにしていました。これは、現在でも変わらないことですね。

リクルートには10年間勤務

育休中の「息苦しさ」も、学びにつなげる

ーその後育児休業も取得していますね。どんな風に過ごしていましたか。
 
 リクルートで仕事をしていた時に子どもが生まれました。日々幸せを噛みしめていた一方で、育休取得中、社会と切り離されたように感じて悩みました。
 大人と話すことを求めていましたし、楽しいけれど何か引っかかる、女性として妻として母親として完璧であることを求められていると勝手に思い込んでしまって、息苦しかったんです。

ーその息苦しさを、どうやって変えていったのですか。

 ちょうど子どもが1歳になって待機児童となり、育休を延長せざるをえなくなり、そのタイミングで思い切って副業を始めました。私のように、母親になったことで自分の役割や生き方に悩んだ人に手を差し伸べられる存在になりたい、と。
 キャリアコンサルタントの資格を活かしてブログやSNSで発信し、育休後アドバイザーの資格を取得し育休復帰前に仕事と育児の両立のセミナーをしました。

 この時に、自分の活動によってお金を生み出すことの難しさを痛感しました。今もまだ、最初のお客様とのやりとりを覚えているぐらいです。ただ、それと同時に、自らトライして、実践に移したことからの学びが大きかったです。最初は収入につながらなくても、経験値を上げネットワークを広げることができるともわかりました。

 この経験が、たとえ現在の活動がすぐに収入につながらなくても、「トライして実践することが学びになり、キャリアの選択肢にもつながる」と思えるようになった、私のベースになっているのかもしれません。


中国生活の1都市目の上海で、家族と

駐在へ同行する時に、心に決めたこと

ー中国駐在への同行を決めた時の気持ちを教えてください。
 
 子どもが2歳になる前、夫に海外赴任の話が来た時には、本当に驚きました。夫の仕事を応援したい気持ちはあるけれど、自分の仕事も大切で、私自身が納得した形でなければついていけない、とも思い、夫婦でさんざん話し合いました。
 結局はコロナの影響もあって私と子どものビザが降りず、夫は先に渡航し、私は日本で完全にワンオペ育児をしながら生活をしていました。その期間は1年半にもなり、家族が一緒にいることの大切さをしみじみと感じていたので、私と子どものビザが出るという時には、もう腹は決まっていました。
 
 離れていた1年半で、家族が一緒にいることと自分の仕事、このふたつを天秤にかけること自体が不毛だと感じました。ただ、中国にいる間、収入を得られなかったとしても、新しいビジネスチャンスを自分でつかみ、それを実績に変えて本帰国した時に仕事にするために動き続ける、ということは心に決めていました。

ー中国に来て、他の駐在員パートナーと話をする中でどんなことを感じますか。

 実際に中国に来てみると、同じような駐在員パートナーで、仕事を辞めたことでアイデンティティークライシスに陥って悩んだり、「何かしたい、でも何をすればいいかわからない」と、キャリアに悩んだりしている人も多いなと感じています。
 私自身、収入が得られなくても、何かにトライする実践機会を積んでおけば未来は開ける、ということを体験しているからこそ、今悩んでいる方には「同行期間中に、何かにトライしてみてほしい。そうすれば本当に道を切り開けるよ」と、心から伝えたいです。
 
 少しでも「何かをやってみたい」と思う方がいらっしゃったら、私たちと一緒に動いてみませんか?いつでも大歓迎です。


ーあとがき

 いつもポジティブで建設的なメッセージが印象的な関さんの原点や実体験、そしてこれまでに経験していた葛藤を知り、その言葉がこれまで以上にリアルに、説得力を持って伝わってくるように感じました。今もなお、自ら考え、行動し続けているその姿勢がスタッフにも伝わり、CCC全体のアップデートにもつながっているのかもしれません。
 
 後編では、組織のリーダーとしての熱い思い、仕事をする上で心がけていることやその奮闘ぶり、今後の展望をご紹介します。

◆運営・企画
 Career Cafe Connect
◆編集・ライティング
 畑  史

企業・団体様向けの窓口
 一般社団法人キャリアコネクト

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