【随想】星を見る
空を見る。
月を見る。
太陽を見る。
電車を見る。
しかし、おそらく余程意識的に使わない限り、「星を見る」という言葉は一般的には使わない。
考えてみてもらいたい。過去、この言葉を使ったことってありますか?
おそらく、感覚としては「本を買う」に近いが、それでももっと「星」の方が曖昧だ。
「本を買う」。これは、どんな本でも良いわけではない。何らかの目的があり、買う本は決まっているはずだ。「星を見る」と言って、見る対象の星が定まっているのであれば、例えば「シリウスを見る」と言えば良い。
なぜ、これほどまでに違和感を覚えるのか。
月や太陽は、ただそこに一個の確固たる存在として君臨し、私たちの視界を独占する。だから「月を見る」と言葉がすんなり成立する。
天文に興味があれば別だが、一般の人間にとって、「星」一つ一つにはそれほど興味を感じないからだ。
星の存在は切ない。
一つ一つの輝きがその存在を示しているにもかかわらず、多くの人間には個としての存在ではなく、集合として認識される。
そう考えると、集合として扱われずに個として扱われることは容易ではない。
人間としてもそうだ。
男としてもそうだ。
こちらの企画に参加させていただきました。
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