欧州はインフレとの戦いを続ける一方で、景気の失速も気になる
朝からユーロドルや欧州株の動きを見ていて、「欧州は本当に難しい局面に入っているな」と感じた。
インフレを抑えたい。しかし景気は決して強くない。この板挟みの状況が続く限り、欧州関連の相場はニュース一つで大きく振れやすいだろう。
ECBはインフレ警戒を崩していない
直近の欧州では、エネルギー価格上昇を背景とした物価圧力への対応が大きなテーマになっている。
実際、欧州中央銀行(ECB)は先日の会合で利上げを実施し、インフレ期待が定着することを防ぐ姿勢を明確に示した。一方で、その後に公表された賃金トラッカーでは賃金上昇率の鈍化が確認されており、急激な賃金インフレの兆候は限定的とみられている。
つまり、ECBは「油断はできないが、現時点では賃金と物価の悪循環は抑えられている」という見方を維持しているようだ。
景気は力強いとは言い難い
一方で、金融引き締めの副作用も無視できない。
ECB自身も今年のユーロ圏成長率見通しを引き下げており、高金利環境が企業活動や個人消費を冷やすリスクを認識している。インフレリスクは上向きでも、景気リスクは下向きという難しい環境が続いている。
この状況では、ユーロが買われる材料と売られる材料が同時に存在し、相場の方向感が出にくくなりやすい。
エネルギー価格の行方がカギを握る
最近は中東情勢の変化によって原油価格が落ち着きを見せる場面もあったが、ECB関係者からは「エネルギーインフラの損傷などで価格圧力が長引く可能性がある」との見解も示されている。
もしエネルギー価格が再び上昇すれば、追加利上げ観測が強まり、債券市場や為替市場にも影響が波及する可能性がある。
見立て
俺は、今の欧州を「インフレとの戦いが終わった地域」とは見ていない。
ただし、積極的に景気が拡大しているわけでもないので、強気一辺倒にもなれない。利上げ期待だけを理由にユーロを追いかけるより、実際の経済指標やエネルギー価格の動きを合わせて判断したほうが合理的だと思っている。
特に今は、「インフレ」と「景気減速」の綱引きが続いており、どちらが優勢になるかで市場の評価は簡単に変わり得る。
自分ならこう動く
自分なら、欧州関連の材料だけで飛び乗ることはしない。
ECB高官の発言やインフレ指標、原油価格の推移を確認し、市場が本当に利上げ継続を織り込み始めているのか、それとも景気減速を重視しているのかを見極めてからポジションを取る。
今の欧州市場は、派手な予想を当てるよりも、金融政策と景気のバランスがどちらへ傾くかを丁寧に追い続けることが利益への近道だと考えている。
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