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金曜の終値だけで、月曜の相場を決め打ちしていないか

金曜の夜、チャートを閉じる前に、もう月曜の頭で何を買うか決めてないか。

俺は決めてる週もあれば、決めてない週もある。今週は珍しく、決めかけた週だった。

今日はその話をする。

まず、確定してる事実だけ並べておく。

8月28日、ジャクソンホール会議で新FRB議長ウォーシュ氏が講演した。事前の下馬評は「ガイダンスに消極的な人物だから、何も言わない講演になる」というものが多かった。でも実際は違った。「最近のインフレ指標は必ずしも勇気づけられるものではない」「(改善が確認できないなら)我々にはやる事がある」——これはかなりタカ派寄りの発言だ。

この発言を受けてドル買いが加速し、ドル円は5日続伸。NY市場の終値は160円台に乗せた。前営業日終値からは70銭ほどの円安だ。7月末に協調介入が入った、あの水準にまた来た。この160円という水準は、当局の口先介入が意識されやすい節目でもある。

日経平均も8月28日大引けは前日比273円高の66,405円で3日続伸。半導体関連が買われた一方、上値の重さも同時に指摘されている。

同じ週、エヌビディアの決算(米国時間8月26日発表)は、発表直後こそ下げる場面があったものの、来期の強い成長ガイダンスを受けて買い戻された。原油(WTI)は週末にかけて小反落し、83ドル台前半で終えてる。タカ派発言を受けたリスクオフが、株や商品にも波及した形だ。

ここまでが、金曜時点で確定してる事実だ。

で、ここからが今日の本題。

週末、相場は閉まってる。なのに頭の中では、月曜のシナリオがもう半分できあがってる、ということがある。

「ドル円がここまで来たなら、月曜も同じ方向だろう」

金曜の勢いを見た直後だと、この考えは驚くほど自然に浮かぶ。俺も今週、日曜の夜にスマホでチャートを何度か開いて、正直そう思いかけた瞬間があった。

土日は相場が動いてないだけで、頭の中の相場は動いたままだったりする。チャートを開いても数字は変わらないのに、なぜか安心できなくて、また開く。今週みたいに材料が重なった週末は特にそうなる。

でも、立ち止まって考えると、これはおかしい。

金曜の終値は「金曜までに分かってたこと」の結果でしかない。月曜の寄り付きまでにはまだ時間がある。週末に出るニュース、月初の資金の動き方、月曜のアジア時間の最初の反応——このどれもが、金曜の勢いとは無関係に相場を動かせる。

しかも今回は、ドル円が7月末に協調介入を受けた水準にまた戻ってきてる。ここまで一直線に伸びた金曜の流れを、月曜の朝もそのまま延長できる保証はどこにもない。むしろ、同じ水準に来たからこそ、月曜は逆方向に振れる材料も揃ってる。

エヌビディアの決算も似た話だ。数字自体は市場予想を上回ってたのに、発表直後は一度下げた。"良い数字が出た"という事実と、"相場がどう反応するか"は、実は別の話だということを、あの一瞬の下げが教えてくれてる。金曜のドル高も同じで、材料と反応が今後もずっと同じ図式で続く保証はない。

金曜の終わり方だけを見て月曜を決め打ちするのは、「試験範囲の半分しか見てないのに、もう答案を書き始める」のに近い。

初心者ほど、値幅が大きい日の終値に意味を持たせすぎる。160円のような節目を超えた日は特にそうで、"何かが決まった"ように見えてしまう。でも金曜にどれだけ大きく動いても、月曜になればその値動きは"先週の話"になる。

昔の俺は、これをよくやってた。

金曜の夜にチャートを見て、「この流れなら月曜も伸びる」と決めて、月曜の寄り付き前から注文の準備までしてたことがある。実際に月曜が来ると、寄り付きで逆方向に窓が開いて、そのまま損切りになった。金曜の勢いは、月曜の朝には別のニュースに上書きされてた。

今は、金曜の値動きは「参考情報」までにしてる。月曜のシナリオは、月曜の実際の値動きを見てから作る。

金曜の夜にやるのは、シナリオを"決める"ことじゃなくて、"仮説を分けてメモしておく"ことだけだ。「このままドル高が続くなら160円台に定着する」「材料出尽くしで戻すならここまで」——そのくらいの分岐を書いて、あとは月曜の値動きで答え合わせをする。

具体的には、月曜のアジア時間、最初の値動きと反応の強さを見てから、金曜時点のメモを"更新"するか"破棄"するかを決めてる。金曜のメモは仮説であって、月曜の値動きで検証できて初めて、仮説がシナリオに格上げされる。

これだけで、週明けにすでに決め打ちしたポジションを抱えたまま寄り付きを迎える、という状況がかなり減った。

どのタイミングで"確認できた"と判断するか、その細かい基準は俺なりに決まった手順がある。そのあたりは手法noteの方にまとめてる。

これは別に、今週だけの話じゃない。相場が大きく動いた週の後は、いつも同じ引力が働く。金曜の勢いに乗っかりたくなる気持ちは、来週も再来週も出てくる。

週末は、相場が止まってる時間じゃない。相場を見ない練習をする時間だと思ってる。

日曜の今、この記事を読んでるなら、もう月曜のポジションを半分決めてないか、一度だけ確認してみてほしい。

今日の一言。

金曜の終値は、答えじゃない。ただの途中経過だ。

この話が刺さったなら、これも。 ジャクソンホールが「何も言わない」宣言なのに、待ってしまう理由


俺が使ってる判断基準、手法の全部はこっちにまとめてる。

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