DarkBlood [短編小説]
作者ウサギ
作画ウサギ

Record.0
扉を開く。
視界にバンドバーが映し出された。
綺麗な音が聞こえる。
〜♪
幼い少女がピアノを弾いていた。
ここは・・・?
この街の何処かに[例の依頼]を引き受けてくれるバーがあると言う話はどこかで聞いたことがある。
ただの都市伝説に過ぎないと思っていたが。
今、現にその場にいる。
少女の音色が妙に綺麗でこの場を演出していた。
だが、何故だろう・・・?
音色が不協和音でも、少女が特別人間離れした見た目でもないのに、何処か不気味に感じるのは。
都市伝説を真に受けて恐れている自分がいるからなのか?
ボーっとしながら少女の音色にいつの間にか聞き入っていたら。
「あら、ここに来るの始めてかしら?」
女性に後ろから話しかけられる。
振り向くと真っ先に女性の着ている赤いカーディガンに目が行った。
一瞬、ビビってしまった。
「私達の秘密のお店へようこそ。
・・・住人さん」
女性は腕を組むと笑った。
ここは殺し屋の血筋が経営する表向きはバンドバー。
裏では情報取引や依頼の受付をしている。
どういう情報や依頼かは後々わかっていくだろう。
ただし、間違っても外の者には明かしてはいけない。
何故か・・・。
少女はピアノを弾くのを止めた。
「記憶やその人が関わった人達の存在を消しちゃうからね〜・・・♪」
Record.1
ギターの袋の紐を肩に担ぎながら奏は帰ろうとした。
魔魅は奏を引き止める。
魔魅「・・・奏、仕事よ」
「あなたはまだ初めて何だから無理しなくても良いけど・・・」
奏「!・・・いや、やらせてください」
「実行日は?」
魔魅「・・・そう・・・明後日の夜よ」
奏「わかった!」
魔魅「・・・・・・」
魔魅「あなたも依頼するかしら?」
魔魅は男性に聞く。
魔魅「何でも引き受けるわよ?」
魔魅「・・・ただ、忠告するとしたら、依頼を引き受けたからには必ず実行する。と覚えておくと良いわ。
その後の人生は、あなたに責任がかかってくる。
私達はただ、その責任を一緒に背負うだけの存在。
だから、依頼をするかどうかに関してはとことん悩み抜くと良いわ。
私がどうこう口出すことじゃないから。
あえて、平和な道を選ぶというのも、あなたの人生の選択肢の一つ。
魔魅「・・・どうする?」
男性「・・・俺は・・・」
真夜中。
ピンポーン
男「・・・ 誰だよ・・・こんな夜中に・・・」配達人「配達でーす」
男「・・・そういえば前に頼んだな・・・てか、もう夜中だぞ!明日にしろ明日に・・・」
配達人「遅くなって、すみません・・・」
配達人「・・・ではここにサインお願いします」
配達人は男にペンを渡す。
男は乱暴にペンを走らせると。
配達人はサインを受け取る。
配達人「ありがとうございます!
では、
・・・さよなら」
ガン‼
男の頭から紅い花が咲いた。
配達人は男の頭を荷物で殴った。
ガン‼ガン‼ガン‼ガン‼
男が息絶えるまで殴るのを繰り返した。
配達人はポケットに入っている通信機器で連絡した。
配達人「仕事はもう達成したと奏に伝えといて」
魔魅「・・・わかったわ」
ピッ。
咲麗「またお兄さんが仕事したんだ?」
魔魅「・・・ええ」
Record.2
配達人は魔魅にサインを渡した。
配達人「・・・はい」
魔魅「よし、ちゃんとサインが入っている」
「証拠隠滅に関しては信頼してるわ」
奏が勢いよくドアを開いた。
奏「輝良〜っまた私の仕事取ったわね!」
輝良「さあ?何のことだか・・・」
二人のやり取りを見て魔魅は苦笑いをしていた。
魔魅「・・・」
(奏はまだ人を殺したことがない。・・・それに、まだ命の重みを知らなすぎる)
(複雑な気分だわ・・・)
奏「とぼけても無駄だから。咲麗から聞いたんだからね!」
輝良「おい、咲麗。・・・俺がやったの秘密だって言っただろ・・・ ?」
咲麗「奏おばさんに頼まれたんだから仕方ないでしょ?」
奏「残念だったね・・・咲麗は私のことが大好きなのよ!」
輝良はため息をつくと魔魅に麦茶を注文した。
輝良「麦茶頼む」
輝良が席に着くと奏も注文した。
奏「魔魅。ストロベリーシェイク一つ」
魔魅「はいはい・・・」
魔魅は注文を聞くと準備を始めた。
テーブルに麦茶とストロベリーシェイクが置かれる。
咲麗「おばさん好きだよね〜これ」
奏「やっぱ、疲れたときはこれだよ〜」
輝良「・・・染み」
奏「え!嘘⁉」
咲麗「大丈夫。出来てないよ」
奏「輝良〜・・・!」
咲麗「・・・あ!でも、ちょっと待って!」
「・・・いや、なんでもない」
奏「え!嘘⁉」
奏は顔を青ざめながら頬に手をやった。
輝良「奏、相変わらず元気だな」
奏「悪い?」
輝良は俯き言った。
輝良「いや、良かった・・・」
Record.3
部屋の中にギターが響く。
奏はギターを弾きながら歌っていた。
奏「よ〜る〜の〜ま〜ちなみ〜と〜け〜こむ〜かげ♪」
咲麗「・・・・・・」
奏「ぬ〜り〜つぶ〜されたきおくが〜あたた〜か〜い〜き〜みが〜きえる〜・・・♪」
咲麗「う〜ん・・・」
奏は弾き終わると呟いた。
奏「やっぱり違和感があるね」
咲麗「ロックにはなっていて、リズムも悪くないのにね」
奏「う〜ん・・・」
輝良は客席に座っていた。
輝良「・・・・・・」
(空っぽだな・・・感情がこもっていない)
魔魅は麦茶を持ってくると麦茶を置き、さり気なく言った。
コトッ
魔魅「奏に教えてあげたらどう?」
輝良「!」
魔魅「・・・ふふ!」
輝良「いや、いい、自分で気づかないと意味ないし・・・」
魔魅「そう・・・」
「さすが幼馴染ね・・・奏のことをちゃんと理解している」
輝良「・・・いや、理解なんてしてませんよ。誰より理解してるんでしたら今頃人なんて殺してませんから」
魔魅「そうかしら・・・?」
輝良「ええ、そうです」
輝良は麦茶を口に入れた。
奏は輝良の背中を押した。
ドン!
「輝良‼」
ブッ!ゴホッゴホッ‼
輝良「急に背中を押すな・・・!」
奏「ごめんごめん」
「ねえ、輝良、バンドの練習終わったことだし。一緒に花火見に行かない?」
輝良「ん?ああ・・・」
「そうだな久しぶりに良いかもな」
咲麗「あっ!私も行くーー‼」
魔魅「咲麗、今日は私と一緒にお留守番してましょ?」
咲麗「えーー‼」
魔魅「良い子にしてたらこの前言ってたぬいぐるみ買ってあげるから」
咲麗「え!ほんと⁉」
奏と輝良は花火を見に橋へ向かった。
Record.4
バーン!
ヒュ〜・・・
パーン‼
夜空に光の花が咲いた。
奏「一緒に花火見るのも久しぶりだね」
「・・・・・・」
輝良「・・・・・・」
奏「・・・ねえ、輝良覚えてる?」
「私がみんなから敵視されて嫌われていても輝良だけはずっと私の味方でいてくれた」
「私輝良のことがね・・・」
パーン・・・
奏、輝良「・・・・・・」
奏「・・・花火綺麗だね・・・」
輝良「・・・ああ、そうだな」
奏と輝良は花火を見ていた。
バーに入ると、二人を魔魅が出迎えた。
魔魅「花火どうだった?」
奏「うん、綺麗だった‼」
輝良「ああ」
魔魅(様子を見る限り・・・うまくいかなかったのね・・・)
「来年も二人で楽しんでくると良いわ」
咲麗「ねえ〜・・・」
魔魅「もちろん約束は守るわよ」
咲麗「やった♪」
魔魅(奏、来年こそは気持ちを伝えるのよ・・・)魔魅は奏を応援する気持ちで見ていた。
Record.5
魔魅「また依頼が来たわよ」
奏「魔魅。今度こそ役に立ってみせるからね!」
咲麗「おばさん頑張って〜」
輝良「・・・・・・」
輝良は部屋から出ていった。
ある場所へ行くと人と待ち合わせをしていた。
仲間「輝良」
輝良「情報は?」
仲間「ああ・・・―――・・・」
夜。
路地裏。
男「何だお前。用って何?」
女「もう良いでしょう?やめてよ・・・」
男「あ?何がだよ」
女「私!散々あなたに殴られて、蹴られて、何か理由が、自分が悪いんだって思ってた。でも、暴力を奮っていい理由にはならないでしょ?」
男「ああ⁉」
女「ほら、また始まった。・・・もううんざり‼」
男「このっ‼」
男は女を本気で殴ろうとした。
パシッ。
輝良「・・・」
輝良が男の腕を止めた。
女は隠し持っていた刃物で男を刺した。
輝良「よく血が出る箇所はこっちだ」
女「あら、ありがとう」
ザシュッ!
女はウィッグを取った。
男「な!あいつじゃない⁉」
魔魅「ええ、そうよ」
魔魅はウィッグを鞄にしまった。
輝良「叫んでも無駄だ・・・。この辺は人が通らない、巡回中の警察も今は相手をしてもらっている」
輝良「魔魅さん」
魔魅「ええ」
魔魅は再び刃物を構えると、男を刺した。
輝良は死体になったのか確認し、通信機で誰かに連絡をした。
輝良「例のものは・・・ に隠しておく。じゃあ、あとは頼んだ」
ピッ。
次の日の夜。
奏「魔魅〜・・・」
魔魅「あ、あはは・・・」
輝良「奏、魔魅さんを困らせるな・・・」
「それより練習のほうはどうだ?」
奏「う〜ん・・・」
輝良「その様子を見る限りダメそうだな・・・」
