健康診断で毎年「痩せすぎ・要経過観察」だった僕が、3年で12kg増やした増量の手順
15年間、53kgのままでした
健康診断の封筒を開けるのが、毎年ちょっと憂うつでした。
体重の欄に53kg。その横に「痩せすぎ」の判定。要経過観察。20代のはじめから30代の後半まで、15年間、印字されている数字がほとんど変わりませんでした。
食べていなかったわけではありません。人並みには食べていたつもりです。会社の同期と同じものを食べて、飲み会にも行って、それでも僕だけ体重が動かない。「食べても太れない体質なんですよ」と笑って言いながら、正直、まったく笑えていませんでした。
何度か、どうにかしようとしたこともあります。ジムに入会したこともありますし、増量の記事を読み漁った時期もありました。プロテインを買ったことも、もちろんあります。
全部、続きませんでした。
そのたびに、自分は意志が弱いんだと思っていました。結局、変われない人間なんだと。
今は65kgです。健康診断の紙から、あの判定が消えました。3年かかりましたが、15年動かなかった数字が動いたんです。
「痩せててうらやましい」が、いちばんしんどかった
痩せ型の悩みでいちばんきついのは、たぶん体重そのものではありません。
誰にも、悩みとして扱ってもらえないことです。
体型の話になると、決まって「うらやましい」と言われます。悪気がないのは分かっています。だから、こちらも笑って流すしかない。本気で悩んでいると言った瞬間に、場の空気が微妙になるのが分かるからです(参考:https://www.curves.co.jp/column/791957/ )。
結果、この悩みは相談相手がいないまま、ずっと自分の中に溜まっていきます。
夏はとくに憂うつでした。半袖になると腕の細さが隠せません。薄着になるほど、華奢さが目立つ。同じ理由で、水着になる場面はできるだけ避けていました(参考:https://magazine.photojoy.jp/mens-fashion/coordinate/28758/ 、https://coordinote-yourself.com/complex-bony/ )。
あとは、写真です。
自分では普通のつもりでいたのに、飲み会で撮られた集合写真を見て、自分だけ明らかに線が細いことに気づく。鏡で正面から見るぶんには耐えられるのに、他人が撮った角度で見ると、思っていたよりずっとガリガリでした。
同じように感じたことがある方なら、この感覚は分かっていただけると思います。
痩せは、見た目だけの問題じゃなかった
もうひとつ、当時の僕が軽く見ていたことがあります。
厚生労働省の令和5年 国民健康・栄養調査によると、やせ(BMI18.5未満)に該当する男性は**4.4%**です(出典:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45540.html 、数値引用:https://seikatsusyukanbyo.com/statistics/2024/010816.php )。20人に1人もいません。
情報も、共感してくれる相手も少ないのは、当たり前だったわけです。世の中の健康情報のほとんどは、残りの95%に向けて書かれています。
そして、こちらのほうが重い話です。
国立がん研究センターの統合解析では、男性のBMI別死亡リスクについて、BMI23〜25未満を1としたとき、BMI19未満は1.78倍という結果が出ています(Sasazuki S et al. J Epidemiol. 2011。出典:https://tarzanweb.jp/post-188062 )。
僕は身長173cmで53kg、BMIにすると約17.7でした。この19未満に、しっかり含まれていたことになります。
さらに、低体重の状態が続くと、筋肉量の低下や免疫の低下、将来のフレイル・サルコペニアのリスクにもつながると指摘されています(参考:https://smartdock.jp/contents/lifestyle/lh046/ )。
「痩せすぎ・要経過観察」という判定は、見た目の話ではなかったんです。健康診断は、それをずっと僕に伝えてくれていました。僕が毎年、封筒を閉じて引き出しにしまっていただけで。
僕が太れなかった、本当の理由
では、なぜ15年も変わらなかったのか。
意志が弱かったから、ではなかったと今は思っています。
増量が止まる最大の原因は、**「何をどれだけ食べればいいか分からないまま止まること」**だと言われています。そして厄介なことに、調べれば調べるほど迷いは増えていきます(出典:https://tsukuba.arcs-trainingstudio.jp/blog/20260209-3535/ )。
まさに、昔の僕でした。
カロリー計算の記事を読んで、PFCバランスの解説を読んで、増量向けの食品リストを保存して。知識だけは増えていくのに、その日の夜も、結局いつもと同じ量を食べて寝ていたんです。翌朝には「明日から本気を出そう」と思っている。それを、何年も繰り返していました。
もうひとつ。挑戦したときに設定した量が、そもそも続けられる量ではなかった、というのもあります。ボディメイクは8割の人が挫折すると言われますが(※一次統計の出所は未確認。参考:https://shape-body.com/nutrition/19497/ )、その多くは根性の問題ではないと、僕は思っています。
必要だったのは、情報を増やすことではありませんでした。
選択肢を減らすことでした。
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