6/19 シャッターを押さない景色
温い風が吹き付ける帰り道。
肩にのしかかった重たいリュックのせいで、視線は自然と下へ向かう。
額に吹き出した汗を拭って、空を見上げた途端。
頭上に、青空との境界線が凄くハッキリとした雲があった。
一度下を見てから、思い返して、思わず二度見した。
「えっ、ヤバッ」
と小さく心で呟いて、スマートフォンを空にかざす。
綺麗。
そう、珍しそうでもない景色なのだけど、なんとなく透いた。
フレーム越しに味わって、深く息を吐く。
重いリュックは、重いままだったけれど耐えられた。
また、見つけたい。
見つけられるように願いを込めて。
シャッターボタンを押さずに、私はカメラアプリを閉じた。
