プーチンに抗議して投獄された女性の「権力と戦う10のルール」が日本の理不尽な日常にも使えるぞ…『読書と暴動』
カラフルな目出し帽をかぶり、突然街角や教会に現れては、パンク・ロックでロシアのプーチン政権に抗議する女性たち。
彼女たちの名前は「プッシー・ライオット」です。
このグループを作った中心メンバーの一人、ナージャ・トロコンニコワが本を書いたんですが、それが衝撃だったので、今日はこの本を紹介しようと思います。
『読書と暴動 プッシー・ライオットのアクティビズム入門』っていうタイトルです。
この本は、単なるミュージシャンの自伝じゃあないんです。
強大な権力とか、すっごい理不尽な社会に対して、お金も権力もない普通の人がどうやって立ち向かえばいいのかを教えてくれる本。
この記事では、この本がどんな内容なのか、なぜ今読むべきなのかを分かりやすく紹介します。
なぜ刑務所に入れられたか
プッシー・ライオットは、2011年にロシアのモスクワで学生たちによって結成されたグループです。
リーダーはおらず、目出し帽(バラクラバ)をかぶれば「誰でもプッシー・ライオットになれる」という自由なスタイルをとっています。
彼女たちが世界中で有名になったのは、2012年の事件がきっかけでした。
ロシアで最も神聖とされる大聖堂に忍び込み、プーチン大統領とロシア正教会の癒着を批判する曲(パンクの祈り)をゲリラ演奏したのです。
この「アートを通じた抗議」により、当時まだ22歳で、3歳の娘を育てる無一文の学生だったナージャは逮捕されてしまいます。
そして「宗教的な憎しみによる嫌がらせ」という意味わからん罪で、過酷な刑務所(アウシュビッツみたいなとこ)に2年間も入れられることになりました。
刑務所の中で見つけた「10のルール」
この本の一番の読みどころは、過酷な刑務所生活を生き抜いたナージャが、そこから導き出した「権力と戦うための10のルール」です。
これ、刑務所のなかだけじゃなくて、いろんなところで使えるルールだと思う。
すっっごいおおざっぱにいうと、以下の10つ。詳しくはもちろん、ちゃんと読んでね。
海賊になれ
既存のルールに従わず、権威を疑おう
ドゥ・イット・ユアセルフ
お金がなくても、自分たちの手で作り出そう
喜びを取り戻せ
権力者が一番怖がるのは、市民が笑うこと
政府をびびらせろ
予測できない行動で、偉い人たちを驚かせよう
アート罪を犯せ
表現の限界を突破しよう
権力の濫用を見逃すな
日常の小さなズルや押し付けを許さない
簡単に諦めるな。抵抗せよ。団結せよ。
一人で戦わず、仲間を作ろう
刑務所からの脱出
絶望的な環境でも、心の自由は奪われない
オルタナティヴを創造せよ
文句を言うだけでなく、新しい居場所を作ろう
ビー・ア・(ウー)マン
「男らしさ」「女らしさ」の押し付けをぶっ壊そう
特に印象的なのは、ユーモアや笑いを武器にしている点。
独裁的な国やブラックな環境は、人を恐怖で支配しようとします。
だからこそ、怒るだけでなく笑い飛ばすことが、権力に対する一番のカウンターパンチになるのだと彼女は語ります。
「読書」と「暴動」はセットである
本のタイトルになっている「読書」と「暴動」。
一見、正反対の言葉に見えますよね。
読書
哲学の本を読んだり、知識を身につけて「なぜこの社会はおかしいのか」を考えること。(頭を使う)
暴動
実際に外に出て、行動を起こすこと。(体を使う)
ナージャは、「ただ本を読んでいるだけでもダメだし、何も考えずに暴れるだけでもダメだ」と言います。
しっかり勉強して知識をつけ、それをもとに勇気を出して行動する。
この2つが合わさることで、初めて社会を変えるアートが生まれるのです。
これは、めっちゃ共感しますよね。うまくいかない人はどっちかに偏ってる。
有名人からの絶賛
この本、世界中で高く評価されており、有名なアーティストや俳優からの推薦コメントも載っています。
そのメンツが、まあすごい。
「私たちはナージャに出会えて、幸運だ」
これは、なんとソニック・ユースのキム・ゴードンのコメント。
「ナージャは彼女の存在すべてをもって真の反骨精神を体現している」
これは、映画監督・俳優のオリヴィア・ワイルドのコメントです。
日本版の翻訳は、サブカルに詳しい野中モモさんが担当し、東京藝術大学の清水知子教授が解説を書いてます。
さらに、ナージャがおすすめする本リストも収録されており、これが素晴らしかった!
絶望を希望に変えるために
よくもまあ、こんな状況で希望を見失わずに、生き残って本まで書いたな...すごすぎるっていうのが読み終えた感想ですね。
「希望は絶望から生まれる」っていうのが彼女のメッセージ。
ホントにその通り。
ロシアでの過酷な体験を書いた本ですが、これは決して遠い国の他人事ではないっていうのが読めば分かると思う。
学校の理不尽な校則、職場のパワハラ、同調圧力など、日常にも小さな権力の暴走はたくさん潜んでいます。
むしろ年間二万人も自殺する日本のほうが状況は深刻。ある意味ロシアより治安が悪い、とも言えるかも。
読書と暴動は、おかしいと思ったことに声を上げる勇気さと、ユーモアを忘れずに仲間と楽しく連帯するためことがどれだけ大切か、を教えてくれる。
みんなも絶対読んでほしい。
【追記】
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