サービス開始から1ヶ月間のリアル
転職相談サービス「エージェントの窓口」をリリースして1ヶ月が過ぎました。
簡単に言うと、保険の窓口の転職版、みたいなサービスです。
転職相談を無料で行い、転職すべきかどうかから中立にアドバイスするサービスです。
会社売却から2回目の事業ですが、リリースから今日までの一ヶ月間にあったことをnoteに書いておこうと思います。
「それ、儲かるの?」
「転職の相談サービスをやろうかな、保険の窓口の転職版みたいな感じで、無料で利用できるやつ」
周囲にこのアイデアを話すと、多くの人から「それ儲かるの?」「エージェントやったら?」と言われた。
まぁそれはそうだ。
しかし、僕のXには、日々転職相談のDMが届いている。
「転職すべきか悩んでいるが、どうしたらいいか」
「フラットに、今の状況に意見がほしい」
「どの転職エージェントがいいのか教えてほしい」
数が多くてどうにも返信しきれないため、どうしたものかと思っていた。
そこで思いついたのが、転職相談サービスだ。
「潜在的なニーズとして、困っている人は少なからずいるはず。あとは、やりながら考えればいい。マネタイズは後から考える」
そんな感じで、とりあえずやってみることにした。
そもそも、人が集まらなければビジネスにならないし、人が集まるかどうかはやってみないとわからない。
やってダメならやり直せばいい。最初の起業のときもそんな感じだった。
サービスを作る上で「ユーザーからお金を取らない」「自分で転職エージェントはやらない」「現職残留も提案する」というルールを決めた。
中立でなければ、転職相談はできない。
これを軸に、サービスの構想を練り始めた。
Xでヒアリングを実施
僕が転職活動していたとき、転職相談をした先輩にエージェントを紹介してもらい、いい感じに転職できた経験がある。
せっかくなら、必要な人に優秀なエージェントも紹介したい。
紹介したいエージェントの候補はある程度あったものの、実際にどのエージェントが良いのか、Xで聞いてみることにした。
リプで上がったエージェントはこんな感じ。
— moto (戸塚 俊介) (@moto_recruit) February 25, 2026
・JAC:総じて高評価
・リクルートエージェント:担当ガチャ
・doda:担当ガチャ
・アサイン:選考対策が手厚い
・ムービン:選考対策が手厚い
・Izul:面談が手厚い
・プロコミット:キャリア相談が丁寧
JACが良かった、というコメントが一番多かった。 https://t.co/Ry1Jwfsz7N
Xで上がってきたのは、いずれも過去に自分でも使ったことがあり、実際に良いと思っていたエージェントだった。
早速、各社にアポを取る。
「相談サービスをやろうと思っています。僕らが一度面談し、転職希望者がいれば御社を紹介したい」
「ただし、きちんと求職者の話を聞いて、転職前提で進めないでほしい。仮に転職しなくても、フラットに意見して、その人のキャリアのために動いてほしい」
この要望に応えてくれたのが、アサイン社とプロコミットキャリア社、イズル社だった。
さらに、「優秀な担当者じゃないと紹介したくない」という僕のわがままにも応えてくれた。
それなら私がやりますよと、社長自らが面談対応してくれることも決まった。本当にありがたい。
相談コンサルタントを採用
僕一人では相談できる人数に限りがあるため、人を増やす必要があった。
とはいえ、相談者の業界のことがわかってない人や、転職経験がない人には任せたくない。
なので、現役で各業界(ex.外資、コンサル、IT、広告など)にいる人で、転職経験があり、元転職エージェントまたは人事の経験がある人を採用することにした。
これもXでの採用だ。こちらから声をかけて何人か採用した。
結果として、外資、コンサル、IT、メーカー、マーケ、医療など、それぞれの業界で現役で活躍している人かつ、過去にエージェント経験や人事の経験、転職経験がある人を採用できた。Xはすごい。
開発エンジニアの退職
さて、いよいよサービスの準備だ。
エージェントも相談コンサルタントも揃った。あとはシステムだ。
最初はスプレッドシートで運用して、あとからシステムにしていこうと、エンジニアと打ち合わせをした。
僕は、とにかくユーザーファーストにこだわった。
紹介なのに、各エージェントに会員登録するのはユーザー体験としてよくないとか、転職相談だから気軽に利用できる形にしたいとか、エージェントに推薦文を書きたいなど、色々と注文した。
しかし、僕のこだわりとエンジニアのこだわりがポイントが全く合わない。
ユーザーファーストな僕と、効率的に開発したいエンジニアで、プロダクトの方向性や開発の進め方が合わないのだ。
お互いにやりにくいまま進めてもいいサービスはできないので、話し合いの結果、エンジニアは退職することに。
そして、次のエンジニアが見つかるまでは、引き継ぎも兼ねて業務委託として働くことでお互いに合意した。
しかし結局、エンジニアはslackにメモだけ残して退職。業務委託の話もなくなってしまう事態に…。
システム開発は途中で止まり、引継ぎは無し。エージェント側もリリースを待っている状況。今更サービスをやめるとは言えない。
この無理難題をクリアできる、救世主エンジニアはいるのか…。
ダメ元でXにエンジニア募集のポストをしてみた。
そこに応募してくれたのが吉田さんだ。自分で会社を起業して、売却経験もある。
数多くの応募をもらったが、1番最初にDMをしてきたのが彼だった。Xにはマジですごい人がいる。
吉田さんはAIを駆使して、爆速でキャッチアップし、開発してくれた。今までの30倍くらいの速度だ。
一気に物事が進んだ。同じ方向を向いてやってくれるから仕事が早い。彼は本当に救世主だった。
無事にシステムが完成し、LPも完成した。ギリギリまで色々な調整はあったが、無事に出せた。
リリース直後は、特にこれといった大きな反響もなく、静かに世に出た。
サービス開始3日で300名突破
申し込みも多くなく、これならいい感じにPDCA回せるし、システム開発もゆっくりできそうだね、くらいのスタートだった。
ところが、午後から状況が一変する。
prtimesがランキングで上位に入り、Xでも言及が増え始め、申し込みが増加。あっという間に100件の申し込みが入った。
しかも、ほぼ全員が年収1,000万円のユーザーだ。
「年収1,000万円の人しか申し込みがないんだけど、システムの表示バグってない?大丈夫?」と、吉田さんに確認するも、特にバグはなし。
初速の大半がハイクラス属性でスタートすることに。完全に想定外だ。
翌日も勢いは止まらない。翌日の午前中だけで100件の申し込みが入った。
この時点で、もうキャパは超えていた。
これ以上申し込まれても、対応できない。ましてや、ハイクラス属性からの申し込みは想定してなかったから、受けられる人がほぼいない。
オフィスの椅子に座り、slackに届く申込み通知を茫然と眺めていた。
「どうするんだろうこれ…相談できないぞ…」
1時間くらい、どうすればいいんだろうと茫然としていた。とりあえずスタバでアイスティーを買ってゆっくりすることに。
サービスは止めたくない。でも、今から相談員を増やすのも現実的じゃない。
色々考えている間にも、ユーザーの申し込みは増えていく。
既存メンバーに時間を最大限確保するよう伝え、社外取締役や、エンジニアの吉田さんにも相談対応を依頼。
僕の周りの優秀な人にも声をかけて、ハイクラスに対応できるよう、一時的な相談コンサルタントを増員した。
相談員の質は絶対に落とせない。でも、人数を増やさないとサービスが成り立たない。
難しいミッションだったが、あらゆる人のツテを辿って、いろんな人に声をかけ続け、ぎりぎりではあるものの、初回の申し込みは受けきることができる状態に持っていくことができた。
ほんとに危なかった。
転職の相談内容は大きく2つ
申し込み過多のため、僕自身も7-8件/日の面談に入った。
相談開始直後、「え、motoさんがやってくれるんですか?!」とユーザーに驚かれることもあったが、当たり前にやる。やらなきゃ回らない。
相談内容は様々ではあるが、大半の悩みは大きく2つだ。
・今の仕事を続けるか、転職するか悩んでいる
・転職は決めているが、エージェントがどこがいいのか知りたい
前者は、「異動に伴い、転職するか悩んでいる」、「今の会社にいてもポストがないため、転職するか迷う」、「事業の統合に伴い、転職するか残るか考えている」、「今の環境に不満はないが、このままでいるのもよくない気がする」みたいなものが多い。
後者はもう転職を決めていて、実際にエージェントを使ったけど微妙だったから、いいところを紹介してほしい、というものだ。
いずれも「誰に相談すればいいかわからなかった」という声が目立った。
同僚には相談できないし、上司にもできない。かと言って、友人には年収の話などもあるから話にくく、家族にも転職の相談はしにくい。
かといって、エージェントだと「まず応募しましょう」と言われるから困っていた、という人が大半だった。
反響とユーザーの声を見るに、転職相談のニーズは潜在的にあり、実際に困っている人がいる、というのがわかった。
また、相談者の特徴として、とても優秀な人が多いこともわかった。いわゆる高学歴の大手在籍者が多く、「いやいや、転職困らんでしょ…」と思いながら面談をした。
まぁでも、転職はいい意味で自信がない人ほど、決まる。
現職に残った方がいいケースもあるが、具体的に話を聞いていくと、オファー次第で転職もありでは?というケースも多い。
ちなみに、サービスのユーザー満足度は5点満点中4.8となっている。アンケートの回答率も80%と高い。本当にありがたい。
おかげさまで紹介による申し込みも増えてきて、ユーザーの申し込みは以前よりも勢いを増している。
エージェントのキャパも満枠に
次に起きたのはエージェント側の問題だ。
サービス開始から3日間で、転職相談の申し込みは300件を超えた。
「転職相談だから、そこまで転職意欲は高くないだろう」なんて思っていたが、これも予測は外れた。
申込者の7割以上が転職意欲があり、エージェントを紹介してほしいというニーズだった。年収は700万円以上のユーザーが6割、年収1,000万円以上が3割だ。
相談した結果、やっぱり転職しようと思った、というユーザーも出現するため、結果として9割近くがエージェント紹介を希望する展開となった。
その結果、開始3週間でエージェントの紹介にウェイティングが発生する事態に。
「一部のキャリアアドバイザーの面談枠がいっぱいとなり、受けきることができません、面談のご案内は来月以降になります」
これも完全に想定外だった。GW明けまで待つしかないという状態だ(今は回復した)。
サービスの性質上、無闇にエージェントは増やせない。紹介したエージェントが微妙だった場合、サービスの満足度は下がってしまう。これだけは絶対に死守しないといけない。
引き続き、ユーザーのことを第一に考えるエージェントを探しながら、紹介先を増やしていく。
今後の展開について
毎日何かが起こるくらい、てんやわんやしている状態が続いている。この1か月で転職相談の申し込みは約800名になった。
無事に黒字化も果たし、あとは売り上げを拡大していくのみだ。
まだまだこの転職潜在領域ではやれることがあると思っている。
このサービスをやることの最大のメリットは、転職者のリアルを知れることだ。
何に困っていて、どんな悩みがあるのか。どのエージェントになんて言われたかなど、転職者のリアルが最前線でわかる。エージェントに言えないことを、僕らは聞ける。
引き続き、ユーザーファーストでサービスを伸ばしていき、ユーザーの声をもとに、次の新しいサービスも開発していく。
そんなにうまくいくわけない、というのは誰よりも僕が思っているので、今後どうなるかはわからないものの、引き続きユーザーのためにできることをやっていく。
もし、今の会社に残るか悩んでいる人がいたら、ぜひ相談してほしいです。かなりいいサービスだと思っています。コンサルタントも皆優秀なので、ぜひ。
