検索順位は落ちてないのに、売上が減る。ECサイトに今起きていること
Google検索だけを見ていると見落とす、AI経由の露出と流入。GA4とサーチコンソールで15分で確認する方法。
こんにちは、大塚和男です。
最近、ECサイトの相談を受けていて、少し嫌な減り方を見かけることが増えました。
検索順位は、大きく落ちていない。
広告費も、急に減らしていない。
商品も、在庫も、価格も、そこまで変えていない。
でも、アクセスと売上だけが、静かに減っている。
こういう現象です。
僕はEC構築とコンサルティングを18年やってきて、これまで680サイト以上のECに関わってきました。
その中で、集客チャネルの変化はいくつも見てきました。
スマホシフト。
SNSシフト。
モール依存から自社ECへの流れ。
広告単価の上昇。
ただ、今起きているAI検索への変化は、かなり大きいです。
理由はシンプルです。
お客様が、サイトに来る前に意思決定を始めているからです。
以前なら、Googleで検索して、検索結果を見て、いくつかのサイトを開いて、比較して、購入を検討していました。
でも今は違います。
ChatGPTやGeminiに聞く。
AI Overviewを見る。
Perplexityで比較する。
AIの回答の中で候補を絞る。
その結果、サイトに来る前に「どの商品を見るか」「どの会社を信頼するか」が決まり始めています。
ここで問題になるのが、標準のレポートだけでは、この変化が見えにくいことです。
検索順位は落ちていない。
でも、AIの回答内で選ばれていない。
AIの回答には出ている。
でも、クリックされていない。
ChatGPTから来ている。
でも、レポート上では参照元の一部として埋もれている。
こうなると、現場では原因が分かりません。
見えないものは、改善できません。
なのでAIOの第一歩は、コンテンツ改善の前に計測基盤を整えることです。
AIOとは、AI Optimizationの略です。
SEOが「検索結果で見つけてもらうための最適化」だとすると、AIOは「AIの回答の中で見つけてもらうための最適化」です。
この記事では、ECサイト運営者向けに、GA4とサーチコンソールでAI経由の流入と露出を見える化する手順をまとめます。
所要時間は、だいたい15分です。

検索順位だけでは、AI時代の集客は見えない
これまでECの集客を見るとき、多くの会社はSEOと広告を中心に見ていました。
SEOなら、検索順位、表示回数、クリック数、CTR。
広告なら、表示回数、クリック数、CVR、ROAS。
もちろん、これは今でも大事です。
ただ、AI検索が増えてくると、これだけでは足りません。
なぜなら、AIは検索結果ページの前後に入り込むからです。
お客様は、いきなり商品名で検索しないことがあります。
たとえば、
30代女性におすすめのギフトは?
敏感肌向けの化粧水を比較して
出産祝いで失敗しない商品を教えて
Shopifyで人気のD2Cブランドを教えて
この商品と似ているけど、もう少し安いものは?
こういう聞き方をAIにします。
AIは、複数のページを読み、要約し、比較し、候補を出します。
この時点で、自社サイトがAIに読まれていなければ候補に入りません。
仮に読まれていても、商品情報が薄い、FAQが少ない、価格や在庫が構造化されていない、レビューや比較材料が弱い。
そうなると、AIの回答内で選ばれにくくなります。
つまり、これからのECは「検索順位で勝つ」だけでは足りません。
AIに理解され、引用され、比較対象に入り、最終的にクリックされる必要があります。
その入口が、計測です。
STEP1:GA4でAI経由の流入を確認する
まずは、自分のサイトにAI経由の流入があるかを確認します。
特別な設定をする前に、いま見える範囲を見てください。
手順はシンプルです。
GA4の左メニューから「レポート」を開く
「集客」→「トラフィック獲得」を開く
ディメンションを「セッションの参照元/メディア」に切り替える
検索窓に `chatgpt`、`perplexity`、`gemini`、`copilot`、`claude` などを入れる
ここで `chatgpt.com / referral` のような流入が出てくれば、AI経由でサイトに来ているユーザーがいます。
数は少ないかもしれません。
でも、ゼロかどうかを見るだけでも意味があります。
ECでは、流入数だけを見ると見落とすことがあります。
AI経由のユーザーは、AIの回答を読んで、比較した上でクリックしていることがあります。
そのため、検索流入より数は少なくても、滞在時間、エンゲージメント率、購入率が高くなるケースがあります。
ここは、実際のデータで見るべきです。

補足すると、Google Analyticsでは2026年5月13日にAI Assistant向けのトラフィック計測が追加されています。
Googleの公式ヘルプでは、ChatGPT、Gemini、Claudeなどのチャットボットからの流入を、Default Channel Groupの「AI Assistant」として確認できるようになったと説明されています。
Mediumには `ai-assistant`、Campaignには `(ai-assistant)` が入る形です。
ただし、ここで安心しない方がいいです。
標準チャネルで拾える範囲は、Google側が認識しているAIサービスに依存します。
新しいAIサービス、国内サービス、AI検索系のツール、独自アプリ経由の流入は、別の参照元やノーリファラーに混ざる可能性があります。
だから僕は、標準のAI Assistantを見るだけでなく、自分たちでAI専用のチャネルを作ることをおすすめしています。
STEP2:AI専用チャネルを作る
次に、GA4でAI専用チャネルを作ります。
これは一度設定しておくと、月次レポートがかなり見やすくなります。
手順は次の通りです。
GA4の「管理」を開く
「データ設定」→「チャネルグループ」を開く
新しいチャネルを作成する
チャネル名を「AI Referral」にする
条件を「セッションの参照元」が「正規表現に一致」にする
以下の正規表現を貼り付ける
.*(chatgpt|perplexity|gemini|copilot|claude|felo|genspark|notebooklm).*正規表現という言葉が難しく見えるかもしれません。
簡単に言うと、「この文字が含まれていたらAI流入としてまとめる」というルールです。
新しいAIサービスが出てきたら、`|` の後ろに名前を足していけば拡張できます。

<!-- スクショ差し込み位置:正規表現コードの直後。設定画面の条件欄が見えるスクショを入れると、読者が迷わず真似できます。 -->
ここで、ひとつ大事な注意点があります。
作成した「AI Referral」は、Organic Searchより上に置いてください。
GA4のチャネルグループは、上から順番に判定されます。
つまり、AI経由の流入が別のチャネル条件に先に当たってしまうと、せっかく作ったAI Referralに入りません。
実際、設定したのにゼロのままです、という相談では、この順番が原因になっていることがあります。
AI Referralを作ったら終わりではありません。
必ず、チャネルの順番まで確認してください。

STEP3:サーチコンソールでAI検索の露出を見る
GA4で見えるのは、基本的にはサイトに来た後のデータです。
つまり、クリックされた後です。
でもAI検索では、クリックされる前の露出が重要になります。
AI OverviewやAI Modeの中で、自社サイトが表示されたのか。
どのページが表示されているのか。
どの国、どのデバイスで表示されているのか。
これを見るには、サーチコンソールを使います。
Googleは2026年6月に、Search Consoleの「Generative AI performance report」を公開しました。
Google公式ヘルプでは、このレポートでGoogle Search上の生成AI機能におけるサイトのパフォーマンスを確認できると説明されています。
対象には、AI OverviewsとAI Modeが含まれます。
現時点で中心になるのは、表示回数です。
Googleのヘルプでは、ページ、国、日付、デバイスといった軸で確認できるとされています。
ただし、段階的な展開中です。
自分のサーチコンソールにまだ表示されていなくても、異常とは限りません。
また、十分な表示回数がないサイトでは、レポートが見えない場合もあります。
ここで見たいのは、売上に近いページです。
トップページだけ見ても、あまり意味がありません。
ECなら、商品ページ、カテゴリページ、比較ページ、FAQ、ガイド記事。
こういうページがAI検索に出ているかを見る必要があります。
たとえば、商品ページが表示されていないなら、AIに商品情報が理解されていない可能性があります。
カテゴリページだけ出ていて商品ページが出ていないなら、商品単位の情報が弱いかもしれません。
FAQや選び方記事だけ出ていて商品ページに流れていないなら、内部導線の設計を見直す必要があります。
サーチコンソールは順位を見る道具ではなくなってきています。
AI時代には、「どのページがAIの回答に出る候補になっているか」を見る道具でもあります。
計測するときの注意点を3つ
実際にECのデータを見るとき、気をつけた方がいいことがあります。
ひとつめは、AI経由の流入を量だけで判断しないことです。
AI経由の流入は、Google検索や広告に比べると少なく見えることがあります。
でも、AIの回答を読んだ上でクリックしている人は、すでに比較や検討が進んでいます。
だから、見るべきはセッション数だけではありません。
エンゲージメント率。
商品ページ閲覧。
カート追加。
購入。
問い合わせ。
こうした行動まで見てください。
ふたつめは、平均掲載順位をそのまま信じすぎないことです。
AI OverviewやAI Modeのような新しい検索体験では、従来の青いリンクだけを前提にした順位感覚がズレることがあります。
順位が落ちていないのにクリックが減る。
順位が良く見えるのに売上が伸びない。
こういうことが起きます。
順位は参考値です。
最終的には、露出から実流入、実流入から購入までの歩留まりを見た方が現場に効きます。
みっつめは、GA4とサーチコンソールを分けて見ることです。
サーチコンソールは、Google検索上での露出を見る。
GA4は、サイトに来た後の行動を見る。
この2つを混ぜると、判断を間違えます。
AI検索では、「見られているけどクリックされない」こともあります。
逆に、「数は少ないけど購入率が高い」こともあります。
だから、露出と行動を分けて見る必要があります。
露出、実流入、購入の歩留まりを見る
ここまでを整理すると、見るべき流れはこうです。
サーチコンソールで、AI検索にどのページが露出しているかを見る
GA4で、AI ReferralやAI Assistantから実際にどれくらい流入しているかを見る
GA4で、商品閲覧、カート追加、購入、問い合わせまで見ていく
月次で並べて、露出から購入までの歩留まりを見る
ここで大事なのは、AI流入を単独で見ないことです。
ECの売上は、ひとつの数字だけでは分かりません。
検索で見つかる。
AIで比較される。
SNSで思い出す。
広告で再訪する。
LINEで購入する。
こういう複数の接点で売上が作られます。
だからAI流入も、最初は小さく見えて当然です。
でも、AIが比較や検討の入口になるなら、ここを見ないままECを運営するのは危険です。
検索順位が落ちていないのに売上が減る。
その原因は、サイト内だけにあるとは限りません。
お客様がサイトに来る前の場所で、すでに選ばれていない可能性があります。
AIOチェッカーで、AIに読まれる状態か確認する
ここまでの話は、AI経由の「露出」と「流入」をどう見るかでした。
ただ、計測だけでは改善は進みません。
次に見るべきなのは、自社サイトがAIに読まれやすい状態になっているかです。
そこで使えるように作ったのが、無料診断ツールの「AIOチェッカー」です。
AIOチェッカーは、サイトURLを入れるだけで、ECサイトのAIO対応状況を100点満点で診断できます。
無料です。
登録も不要です。
診断項目は17項目あります。
大きく分けると、次の4カテゴリです。
AIクローラ受け入れ
構造化データ
コンテンツ抽出性
その他のAIO関連項目
たとえば、AIクローラがサイトを読める状態か。
商品ページに構造化データが入っているか。
AIが本文や商品情報を抜き出しやすいHTMLになっているか。
こういう部分を確認できます。
さらに、商品ページURLを追加すると、Product / Offer スキーマ、つまり価格や在庫情報まで診断できます。
ECサイトでは、ここがかなり大事です。
AIが商品名、価格、在庫、説明文、FAQを正しく理解できなければ、比較候補に入りにくくなります。
また、改善アドバイスはAIがプラットフォーム別に出します。
Shopify、Shopify Plus、SHOPLINE、EC-CUBE、ecforce、MakeShop、w2、WordPress、HTMLなど、サイトの作りによって直し方は変わります。
同じ「構造化データが弱い」という診断でも、ShopifyとEC-CUBEでは見る場所が違います。
ここを現場で使いやすくするために、プラットフォーム別の改善案まで出すようにしています。
今日やるなら、順番はこうです。
まずGA4で、AI経由の流入があるかを見る。
次にサーチコンソールで、AI検索でどのページが露出しているかを見る。
最後にAIOチェッカーで、そのページがAIに読まれやすい状態かを見る。
この3つをつなげると、AIOはかなり現実的になります。
単に「AIに強いサイトを作りましょう」ではありません。
どのページがAI検索に出ているのか。
どのAI経由で流入しているのか。
そのページはAIに正しく読まれる状態なのか。
ここまで見て、初めて改善の優先順位が決まります。
15分で設定できるPDFを添付します
今回の記事は、読んで終わりにしてほしくないので、設定用のPDFも用意しました。
PDFには、次の内容をまとめています。
GA4でAI経由の参照元を確認する手順
AI Referralチャネルを作る手順
コピペ用の正規表現
AI ReferralをOrganic Searchより上に置く注意点
サーチコンソールで生成AIレポートを見るポイント
AIOチェッカーで確認するポイント
月次で見るべき指標
まずはこのPDFを見ながら、自社サイトのAI流入を確認してみてください。
自社ECのAI流入を一緒に確認します
ECの集客は、これまでSEOと広告が中心でした。
でも、そこにAIという3本目の柱が入ってきています。
しかも、まだ多くの事業者は、AI経由の露出や流入を計測できていません。
逆に言えば、今この15分の設定をするだけで、競合より一歩早く変化に気づけます。
「自社サイトにAIからのお客様が来ているか見たい」
「GA4のAI Referral設定を一緒に確認してほしい」
「AIOとして、商品ページやカテゴリページをどう直せばいいか知りたい」
そう感じた方は、LINEまたはDMで相談してください。
最初に見るべきなのは、大きなAI導入ではありません。
まずは、今のサイトがAIにどう見られているか。
そして、AI経由のお客様がどこで止まっているか。
ここを一緒に整理します。
あなたのサイトには、もうAIからのお客様が来ていますか?
大塚和男|合同会社Refine International
EC構築・AI×ECコンサルティング
https://rf-int.com
X: https://x.com/refinekaz
Instagram: https://www.instagram.com/kaz.otk/
LINE: https://lin.ee/RCcnZTM
参考リンク
Google Analytics Help「What's new in Google Analytics」
https://support.google.com/analytics/answer/9164320Google Search Central Blog「Introducing Search Generative AI performance reports in Search Console」
https://developers.google.com/search/blog/2026/06/gen-ai-performance-reportsSearch Console Help「Generative AI performance report (Search)」
https://support.google.com/webmasters/answer/16984139
