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好きなことを探すより、嫌いなことを避ける

「好き」は信用できない

「好きなことを仕事にする」という言葉は、どうも胡散臭い。

凡人の「好き」など、たいしたものではない。
しかもそれは移ろいやすく、一時的な熱狂であることも多い。

さらに言えば、多くの「好き」は生産ではなく消費だ。
映画を見るのが好き、ゲームが好き、旅行が好き。

それは好きで楽しいだろうが、仕事にはならない。
ただの消費だから。

「好きなら努力できる」と言う人もいる。
しかし、努力できること自体が才能だ。

努力という才能を持たない人が大半だからこそ、凡人なのである。


嫌いなことは変わらない

一方で、「嫌いなこと」はあまり変わらない。

それは性格や気質に根ざしていることが多い。
才能も努力もいらない。ただ正直になればいい。

だったら――
好きなことを探すより、嫌いなことを避けるほうが近道ではないか。

嫌いなことを具体的に言語化してみる。
自分の場合だと、

・長時間の満員電車
・スーツと革靴と腕時計
・上司への絶対服従
・無駄な仕事、意味のない残業
・会議で心にもないことを発言すること

こうして並べてみると、
どうしようもないサラリーマン不適合者だったことがわかる。

若い頃は生活のためと割り切れた。
だが、偽りの自分を演じ続けると、いずれ精神は摩耗する。

偽物の自分が、本物を侵食していく。


逆説に学ぶ

諺、とくに逆説が好きだ。

・急がば回れ
・肉を切らせて骨を断つ
・負けるが勝ち
・安物買いの銭失い

どれも小学生でも知っている。

だが、大人になるほど無視する。

恐怖や欲望に負け、
短期の利益に飛びつき、
社会の常識を盲信する。

失敗の原因は、だいたいここにある。

義務教育では疑問や批判を教えない。
学校で優秀な人ほど、構造を疑わず、社会に適応しすぎる。


凡人の生存戦略

自分が凡人だと自覚できるなら、
取るべき戦略は明確だ。

大成功を狙うより、
大失敗を避けること。

特に人生後半の転落は致命傷になる。
若い頃の失敗とは重みが違う。

好きなことを探して迷子になるより、
嫌いなことから距離を置く。

そのほうが、結果的に長く、穏やかに生きられるのではないか。