地上波のニュースを見ることが減った
最近、地上波のニュースを見ることが減った。視聴する気にならないのだ。代わりに見るのがBSで放送される海外ニュース。地上波のニュースでは伝えられないことも多く、世界情勢がわかる。地上波のニュースは国内の事件や海外で活躍する日本人スポーツ選手のことが圧倒的に多く、海外のニュースは限定されている。また、同じニュースを何度も放送するので、「またか」とうんざりすることが多い。さらに、民放の場合はニュースの内容とCMのミスマッチ(たとえば、戦闘地域の飢餓状況を伝えた直後に豪華な食事場面のCMが流れる)も違和感がある。
その理由を映画監督で作家の森達也氏は「視聴率に反映されないから」だと言う(『生活と自治』2026年4月号)。森氏によれば、日本の多くの人たちはバングラデシュやスーダンの現状より、大谷がホームランを打ったとか、誰かが理不尽に刺されたとか、そんな情報を求めており、それは視聴率に如実に現れる。
ニュースでは「世の多くの人が知りたがる」ことが重要な要素となる。需要があるから供給がある。市場原理だ。
テレビはリモコンで簡単にチャンネルを変えられる。番組が面白くなければ視聴者はすぐにチャンネルを変える。民放の場合は視る人が減れば視聴率は下がり、売り上げは減少する。だからテレビも必死なのだ。
社会の中には「報道は国内向けのニュースばかり、しかもゴールデンタイムはくだらないバラエティ番組一色」というような声が多い。だが、テレビが勝手にくだらなくなったわけではないし、世界に関心が無くなったわけでもない。キーワードは「社会。つまり、国民とメディアの相互作用の結果だ」と森氏は言う。
たしかにメディアだけの責任ではなく、国民の側にも責任がある。メディアに携わる森氏が言うだけに、国民とメディアの相互作用という指摘は頷ける。
