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コートジボワールで人身売買被害のナイジェリア人女性ら救出 世界人身取引反対デーに浮かぶ西アフリカの実態

「世界人身取引反対デー」(7月30日)に合わせ、ナイジェリアの人身売買禁止庁とNGOが、偽の求人に騙されコートジボワールで性的搾取を受けていた同国出身の女性ら5人を救出したと発表した。


概要

2026年7月30日の「世界人身取引反対デー(World Day Against Trafficking in Persons)」にあわせ、ナイジェリアの人身売買禁止庁(NAPTIP)と同国のNGO「GAHTO(Global Anti-Human Trafficking Organisation)」は、隣国コートジボワールで人身売買被害に遭っていた同国出身の女性5人を救出したと発表した。現地報道によれば、被害者らはプラトー州、クロスリバー州、エド州など複数の州の出身で、10代から30代までの年齢層にわたるという。

被害者らは、マリやブルキナファソの洋品店・飲食店・携帯電話アクセサリー店・家事代行などでの「正規の仕事」を斡旋するとの触れ込みで勧誘されたが、実際にはコートジボワール北西部ウォロドゥグ地方カニ県ジボロソ郡へ移送され、強制的な性的搾取(強制売春)を受けていたと証言している。被害者らは、加害者とされる者たちが眠っている隙に脱出し、地元住民の協力を得て、別の女性の携帯電話を借りGAHTOの担当者と連絡を取ることに成功したという。

NAPTIPラゴス地域事務所は、被害者の所在に関する情報を得て、GAHTO創設者プロスパー・K・マイケル氏に連絡した。GAHTOの現地代表オルワセウン・オドゥサニャ氏が、ジボロソ郡の副知事(スー・プレフェ)バロ・セリ氏の協力を得て救出にあたった。現地当局は、加害者とされる者たちが被害者の引き渡しを求めて接触してきた際にもこれを拒否し、被害者らの身柄を保護したうえで正規の保護手続きに移行させたと報じられている。加害者側の身元特定や訴追の状況については、現時点で公式な発表はない。

なぜこれが人身売買・現代奴隷制の問題として重要か

NAPTIPによれば、同庁は2026年1月から7月までの半年間だけで少なくとも156人の人身売買被害者を国内外で救出しており、2025年には少なくとも300人以上がガーナやコートジボワールから帰還している。西アフリカ地域では、経済的困窮やSNS上の偽求人広告につけ込み、近隣国への出稼ぎを装って女性や若者を国境を越えて移送し、性的搾取や強制労働に従事させる手口が繰り返し報告されている。国際労働機関(ILO)や国連薬物犯罪事務所(UNODC)も、こうした近隣国間の人身取引を現代奴隷制の代表的な形態の一つと位置付けている。

今回のケースが示すように、被害者は必ずしも極貧層に限らず、正規の求人だと信じて自ら国境を越えるケースが多く、渡航後に旅券や身分証を取り上げられるなどして身動きが取れなくなる「デット・ボンデージ」的な支配構造が背景にある。また今回の救出は、政府機関(NAPTIP)と民間NGO(GAHTO)、さらに現地コートジボワールの自治体行政が国境を越えて連携した点に特徴がある。GAHTOは政府からの直接的な資金援助を受けず、寄付を主な財源として国境をまたぐ救出活動を続けているとされ、創設者のマイケル氏は活動継続のための資金不足を訴えている。民間の支援ネットワークが公的機関を補完し、実質的な救出の最前線を担っている実態は、西アフリカにおける対策の脆弱さを映し出している。

まとめ

出稼ぎを装った近隣国間の人身取引は西アフリカで依然として頻発しており、政府機関だけでなく資金基盤の乏しい民間支援ネットワークが救出の最前線を担っている実態が浮かび上がる。被害者の安全確保と並行し、勧誘・移送に関与したとされる加害者の特定と訴追をどう進めるかが今後の課題となる。

出典


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