音大卒の私が、介護の道を選んだ理由
「どうして介護の仕事をしているの?」
介護職になり約20年。
何度も聞かれてきた質問です。
特に韓国に来てからは
どうしてこの仕事をしているのか。
どうして韓国に来たのか。
そんな質問をよくされて
少し驚かれることがあります。
実は私は、音楽大学の出身です。
10代の頃は
音楽が好きで、音楽を学び、
音楽の道へ進むことを考えていました。
それなのに、
どうして介護の道に進んだのか。
今日は、その原点を書いてみようと思います。
きっかけは祖母の介護でした
私が10代の頃。
一緒に暮らしていた祖母が、
パーキンソン病を患い、
それまで当たり前だった日常が、
少しずつ変わっていきました。
歩くこと。
食事をすること。
着替えること。
できていたことが、
少しずつ難しくなっていく。
家族で支えながら暮らす毎日が始まりました。
当時2000年前後で
ちょうど介護保険制度が始まった頃。
色々な職種の人が
祖母や私たち家族を支えてくれることに
心強さや感動を覚えました。
そんな中で、
「私にも何かできることはないかな。」
そんな軽い気持ちで、
当時のホームヘルパー2級の資格を取りました。
最初は、
家族の役に立てたらいいな。
せっかく家で介護しているんだか基礎を学べたらいいな。
それだけでした。
人の人生に関われる仕事
資格を取るためにスクールに通い、
介護について勉強し、
実習へ行くようになりました。
訪問介護、デイサービス、入居施設
それぞれの実習先で出会う職員さんたちは
忙しそうに見えたけど
利用者さんのために働く姿がすごくかっこよく
素敵に見えました。
介護は、
ただ身の回りのお世話をする仕事ではない。
食べること。
眠ること。
歩くこと。
笑うこと。
その人らしく暮らすこと。
生活そのものを支える仕事なんだ、と。
利用者さんと話をする時間。
初めて会った実習生のわたしのことも
快く受け入れてくださり
「ありがとう。」と言ってくれる
その一言にも感動したことを覚えています。
そんな経験から、
わたしは大学卒業と同時に介護の道に進むことを
決めたのでした。
気づけば20年
あの頃は、
まさか20年も介護の仕事を続けるなんて思っていませんでした。
でも本当のことを言うと
音楽大学まで出してくれた母や家族のため
そして
わたしに最初に介護の経験をさせてくれた祖母のためにも
介護を始めたからには
辛くてもやり抜こう。
という自分との約束、決意があったのも事実です。
日本で経験を積み、韓国へ渡り、
日本の介護福祉士として
韓国で教育やマネジメントにも携わるようになりました。
利用者さんだけではなく、
ご家族やスタッフとも向き合いながら、
「より良いケアとは何か。」
を考え続ける毎日。
気づけば、
介護は仕事ではなく、
私の人生そのものになっていました。
私が介護を好きな理由
介護の仕事は、
決して楽な仕事ではありません。
体力も使います。
気も使います。
悩むこともあります。
思うようにいかない日もあります。
心も体も限界、
そんな日がたくさんありました。
それでも私は、
この仕事が好きです。
それは、
人の人生に関われるから。
誰かの「今日」を支えられるから。
自分の関わりで
その方の1日、その一瞬を笑顔にできる。
その積み重ねが、
その人らしい人生につながっていくから。
そして、
誰かの人生に関わりながら、
私自身の人生も育ててもらってきたと思います。
今日のひとこと
誰かを支えることは、
決して一方通行ではありません。
支えているつもりが、
いつの間にか自分も支えられている。
だから私は今日も、
介護という仕事に誇りを持っていたい。
そして、
この仕事の素晴らしさを、
これからも言葉にして届けていきたいと思っています。
