本と人のあいだに立つ、あなたへ。|ゆ。さんとの往復書簡・第一通
往復書簡に、ずっと憧れていました。
誰かから届いた言葉を受け取り、その人のことを思いながら返事を書く。
すぐに答えの返ってくる会話とは違って、手紙には、相手を待つ時間があります。
その時間まで含めて、いつか誰かと味わってみたいと思っていました。
けれど、自分から声をかけるには、やっぱり少し勇気がいります。
そこで先日、Xで、noteを通して往復書簡をしてくださる方を募集してみました。
その投稿に、一番に反応してくださったのが、ゆ。さんです。
まだよく知らない相手と、公開の場で手紙を交わすこと。
きっと、声を上げるのには勇気が必要だったと思います。
それでも「書いてみたい」と手を挙げてくださったことが、とても嬉しかったです。
ゆ。さん、本当にありがとうございます。
小さなお茶会を開く人
ゆ。さんは、ご自身のnoteを「小さな小さなお茶会」に見立て、日々のなかで感じたことや、胸の奥にしまってきた言葉を丁寧に綴っています。
以前、私の記事に反応をくださったころ、ゆ。さんのnoteには、まだ一篇の記事もありませんでした。
2026年6月25日に最初の記事「開会のことば」が公開されました。
今では、読書のこと、お仕事のこと、日々のなかで感じたことが、一篇ずつ着実に並べられています。
何もなかったテーブルの上に、一杯のお茶が置かれ、また一杯と増えていくように。
その歩みを、少し離れたところから見られたことも、私は嬉しく思っています。
ゆ。さんとの往復書簡について
今回の往復書簡は、全六通を予定しています。
私から三通、ゆ。さんから三通。
お互いの記事を読み、感じたことや聞いてみたいことを、ラブレターのように綴っていきます。
ただし、きっちりと期限を決めるつもりはありません。
それぞれの暮らしを大切にしながら、無理のないペースで手紙を届けられたらと思っています。
そして、手紙が届くときの喜びや驚きを大切にしたいので、基本的には、公開された記事を通してやり取りします。
事前にお互いの原稿を読むことはせず、公開されて初めて、相手からの言葉を受け取ります。
どんなお手紙が届くのか、私にもまだ分かりません。
だからこそ、楽しみです。
ここからは、ゆ。さんへの最初のお手紙を綴ります。
ゆ。さんへ
ゆ。さん、あらためまして。
私の呼びかけを見つけ、勇気を出して声をかけてくださり、ありがとうございます。
往復書簡について相談しているとき、ゆ。さんが「凛さんへお送りするラブレター」と表現してくださったことが、とても嬉しかったです。
恋愛だけに限らない「好き」を、相手の言葉や、その人が見ている世界へ宛てて綴る。
そんな手紙を、私も書いてみたいと思いました。
最初の一通を書くにあたり、ゆ。さんの記事を、あらためて読ませていただきました。
そのなかで心に留まったのが、「私の『お仕事』」です。
ゆ。さんは、書店員として十年以上働いていらっしゃるのですね。
お客さまが探している本を、何とか見つけて手渡したい。
本を受け取った方の「ありがとう」が、毎日働く原動力になっている。
記事から、本を探している人を放っておけない、ゆ。さんの姿が浮かびました。
なかでも、月に一度ほど来店されるお客さまとのお話が印象に残っています。
何度も本を探すお手伝いをするうちに、「いつものお姉さん」と頼られるようになり、とうとうお名前を尋ねられたこと。
困ったと思いながらも、少し嬉しく感じたという一節に、ゆ。さんのお人柄が表れている気がしました。
前に出ようとするわけではない。
けれど、目の前に困っている人がいたら、そっと手を差し出してしまう。
だから、その方も、ゆ。さんを見つけると安心されたのではないでしょうか。
私は以前、書店員として働き、現在は図書館で司書をしています。
本を売る場所と、本を貸す場所。
役割は違いますが、本を探している人の隣に立ち、その人と一冊をつなぐ喜びには、重なるところがあるように思います。
お問い合わせを受けたときの緊張も、探していた本が見つかったときの安堵も、少し分かる気がしました。
ゆ。さんが最後に綴っていた、「本とお客様の、橋渡しのお手伝いをする」という言葉。
私もまた、本と人のあいだに立ちたいと願って、ここまで歩いてきたのかもしれません。
まだ、ゆ。さんのことを、私はほとんど知りません。
けれど、同じように本と人のあいだに立ってきた方なのだと知り、少しだけ近くに感じました。
だから、最初のお手紙で、ひとつ伺ってみたいです。
本と人との出会いをつないできたゆ。さんは、私の言葉とは、どんなふうに出会ってくださったのでしょう。
往復書簡について相談していたとき、ゆ。さんが、私との「最初の出会い」についても書いてみたいと話してくださったことが、ずっと気になっています。
最初に読んでくださったのは、どの記事だったのでしょう。
そのとき、私の言葉や、私という人は、ゆ。さんの目にどのように映ったのでしょうか。
よかったら、ゆ。さんから見た、私との「最初の出会い」を、次のお手紙で教えてください。
お返事は、どうぞ急がずに。
ゆ。さんの小さなお茶会に、次のお手紙が並ぶ日を、ゆっくりと楽しみに待っています。
これから、どうぞよろしくお願いいたします。
喜木 拝
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