習慣は、意思の力で変えられる?|人は、なぜそう動くんだろう?⑫
「明日から早起きしよう。」
「今日から運動を始めよう。」
「寝る前のスマートフォンはやめよう。」
そう決めたのに、
気づけば、いつもの生活に戻っている。
そんな経験はありませんか?
「もっと意思が強ければ続くのに。」
そう思ってしまうこともあるかもしれません。
でも、本当に習慣は、意思の力だけで変えられるのでしょうか。
習慣は、「きっかけ」で始まる
心理学では、習慣は
「きっかけ(Cue)→行動(Routine)→結果(Reward)」
という流れで繰り返されることが知られています。
例えば、
仕事から帰宅すると、ソファに座る。
すると、なんとなくスマートフォンを開く。
SNSを見ているうちに、時間が過ぎていく。
この場合、
「帰宅すること」がきっかけになり、
スマートフォンを見るという行動が習慣になっているのです。
つまり、
私たちは毎回「考えて」行動しているのではなく、
無意識に同じ行動を繰り返していることが少なくありません。
行動より、「きっかけ」を変える
だから、習慣を変えたいときは、
行動そのものより、
「きっかけ」を変えることが効果的な場合があります。
例えば、
寝る前にスマートフォンを見てしまうなら、
寝室に持ち込まない。
運動を続けたいなら、
前の日のうちに運動着を用意しておく。
勉強を始めたいなら、
机の上に本を開いておく。
行動を変えようとするより、
環境を少し変える方が、自然と新しい習慣が生まれることがあります。
「頑張る」より「続けやすくする」
マインドフルネスでは、
自分を責めるよりも、
「今、何が起きているのか。」
に気づくことを大切にします。
例えば、
「今日も続かなかった。」
そんなとき、
「私は意思が弱い。」
と思う代わりに、
「続けにくい環境だったのかもしれない。」
と見てみる。
すると、
「まずは運動靴を玄関に置いてみよう。」
「スマートフォンを手の届かない場所に置こう。」
そんな小さな工夫が見えてきます。
習慣は、
気合だけではなく、
続けやすい環境から生まれるのかもしれません。
まとめ
習慣は、意思の力だけで変えられるものではありません。
人は、環境や日々の「きっかけ」の影響を受けながら行動しています。
だからこそ、
「もっと頑張ろう。」
ではなく、
「続けやすくするために、何を変えられるだろう。」
と問いかけてみてはどうでしょうか。
あなたが変えたいと思っている習慣は何でしょう。
ほんの少し環境を変えることが、習慣を変えていくかもしれませんね。
このマガジンで考えていきたいこと
わかっているのに、できない
つい人と比べてしまう
あとで後悔するとわかっているのに、同じことを繰り返してしまう
そんな経験はありませんか?
人の行動には、一見すると不思議に思えることがたくさんあります。
でも、その多くは「意思が弱いから」ではなく、人間の心や脳の自然な働きによるものです。
このマガジンでは、行動心理学や認知心理学、社会心理学、マインドフルネスなどの視点から、「人は、なぜそう動くのか?」をやさしく紐解いていきます。
人の見方が変わると、自分の見方も少し変わる。
そんな新しい視点を、一緒に探していきましょう。
参考文献
Clear, J. Atomic Habits. Avery, 2018.
Duhigg, C. The Power of Habit. Random House, 2012.
Wood, W. Good Habits, Bad Habits: The Science of Making Positive Changes That Stick. Farrar, Straus and Giroux, 2019.
