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芸術か猥褻か

待望の『本なら売るほど』の最新巻が出たのですぐ買って読んだ。前巻と変わらず心に響くエピソード多し。

中でも最後の話に出てくる『愛のコリーダ』。少年五人組が、古本屋の十月堂にやってくる。十月堂にはエロはない。が、少年の一人が『愛のコリーダ』の映画論の本を見つけてしまった。買いはしないが裸がいっぱいのスチール写真に惹かれて毎日やってくる。彼らの密かな楽しみにストップをかけるべきか悩む十月堂主人。映画好きの常連客に観たことあるか聞いてみたら、ないけど見られるサブスクで観られるとの返事。そこで、もう一人の常連さんの隠れ家で上映会をすることに。

子供たちの健全な情操を守るため店に置く本を深く知ろうとする十月堂さんの姿勢に敬意を表して……今日は大人としてしっかり見届けましょう!

ということで、ポップコーンも用意して見始める。結果、「あ、ダメだこりゃ」

その後の展開はネタバレになるので伏せますが、ポップコーンも喉を通らないエグさってところで、かつてそうとは知らずに観てしまったオソロしい映画を思い出した。

海外にいて日本の映画や本に飢えていた。街を歩いていたら、たまたまアート系の映画館で前衛的な映画のシネマウィークのポスターを見た。ちょうどその日に日本映画が上映されるようで時間をみたら、すぐ始まるらしい。なので内容も確認せず切符を買って入ってしまった。予告編の上映もすぐ終わり、本編が始まってしばらくしておかしいな、と思い始めた。

なんでこんなにモロ出しなの?日本映画じゃないの、これ?まあ、そのうちこういう場面も終わるだろ、と思っていたけど延々と続く。前衛ってこれじゃポルノじゃん、何でアート系でやってんだろ。気分が悪くなってきたので下を向いて目をつぶっていた。しかし、映画は容赦なく今度は耳から攻めてくる。耳に指を突っ込み目をギュッと閉じて俯いてたら冷や汗がダラダラ出てきた。しばらくして、何でこんなことに耐えてんだ、外に出りゃいいんじゃないか!と気づいた。外に出て深呼吸して落ち着いたら、近くに同じ理由で外に出たらしき人がいて同情の目で見られた。気分悪さで死ぬかと思ったオソロしい映画だった。タイトルは覚えてないし思い出したくもない。

たぶん『愛のコリーダ』とは全然別の意味で「ダメだこりゃ」だった。芸術か猥褻か。アート系で上映されていても、私はあれを芸術とは呼べない。『愛のコリーダ』を観る勇気はありません。クインシー・ジョーンズの歌は大好きだけど。

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