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第二十四話 夏合宿|新しい春

第三章 ユウ先輩編
第二十四話 「夏合宿」

夏合宿の朝。

大学に集合して、
何台かの車に分かれて出発した。

ユリとナナと同じ車に乗り、
途中でコンビニに寄ったり、
夏っぽい歌を流して、
みんなで歌ったり。

海が見えてくると、
車の中が一気に盛り上がった。

大学に入って、初めての夏合宿。

二泊三日が、
いよいよ始まった。


宿に着いて荷物を置くと、
BBQの準備が始まった。

「女子は野菜お願いしまーす。」

ハヤト先輩の声に、
ユリとナナと調理台へ向かう。

玉ねぎ、ピーマン、エリンギ。

とりあえず並べて、
適当に切り始めた。

「これくらい?」

「大きくない?」

「焼けば小さくなるでしょ。」

「なるかな。」

三人で話していると、

「それ、でかくない?」

後ろから声がした。

振り返ると、
ユウ先輩が立っていた。

「やっぱり大きいですか?」

「それ火通る?」

「……たぶん。」

ユウ先輩が笑って、
隣に置いてあった包丁を手に取った。

玉ねぎを半分にして、
そのまま迷いなく切っていく。

思っていたより、
ずっと手際がいい。

「ユウ先輩、料理するんですか?」

「するよ。」

「意外。」

「一人暮らしだし、普通に。」

そう言いながら、
今度はピーマンを切っていく。

私がやるより全然早い。


「いつも何作るんですか?」

「適当に。炒め物とか。」

「へえ、意外。」

「リオは料理しないの?」

「あまりしません。」

「実家暮らしだもんな。」

「先輩より下手だと思います。」

「それは見たら分かる。」

「ひどい~。」

ユウ先輩が笑った。


ユウ先輩が料理をする姿。

普段、
どんなものを食べているのか。

一人暮らしの部屋で、
どんなふうに過ごしているのか。

考えてみたら、
私は何も知らない。

昨日、
もっと知りたいと思ったばかりなのに。

知らないことなんて、
まだいくらでもありそうだった。


BBQが始まると、
みんな好きな場所に座って、
一気に賑やかになった。

焼けた肉を取ったり、
誰かが焦がした野菜を押しつけ合ったり。

ユリとナナと笑って、
先輩たちに混ざって騒いで。

それだけでも、
十分楽しかった。

少し離れたところでは、
ユウ先輩が先輩たちと話している。

普段よりよく笑っていて、
楽しそうだった。

少し前は、
私の知らないユウ先輩を
他の人が知っていることが、
羨ましかった。

でも今日は、

私もひとつ知れた。

料理するんだ。

たったそれだけのことなのに、
なんだか嬉しかった。


まだ一日目。

明日も、明後日もある。

この二泊三日で、あとどれくらい、
ユウ先輩のことを
知れるんだろう。

そんなことを考えながら、
初めての夏合宿を楽しんでいた。


第二十五話へ続く


私の高校生の頃の恋は
こちらから🌸


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