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映画🎬フェラーリ(原題:Ferrari)

映画🎬フェラーリ
(原題:Ferrari)

製作年:2023年
製作国:アメリカ

監督:マイケル・マン
脚本:マイケル・マン、トロイ・ケネディ・マーティン
原作:ブロック・イエーツ
『Enzo Ferrari: The Man and the Machine』

キャスト
エンツォ・フェラーリ:アダム・ドライバー
フェラーリ社の創設者で社長。情熱と孤独を併せ持つ実業家。

ラウラ・フェラーリ:ペネロペ・クルス
エンツォの妻で共同経営者。強い意志を持つ女性。

リナ・ラルディ:シェイリーン・ウッドリー
エンツォの愛人。静かに彼を支える存在。

ピエロ・ラルディ:ジョゼッペ・フェスティネーゼ
エンツォとリナの息子。

アダルジーザ・フェラーリ:ダニエラ・ピッペルノ
エンツォの母親。

ピーター・コリンズ:ジャック・オコンネル
フェラーリのドライバー。

ピエロ・タルッフィ:パトリック・デンプシー
経験豊かなレーサー。

アルフォンソ・デ・ポルターゴ:ガブリエル・レオーネ
情熱的なレーサー。

エウジェニオ・カステロッティ:マリーノ・フランキッティ
フェラーリの若きドライバー。

スターリング・モス:ベン・コリンズ
マセラティのドライバー。

ジャンニ・アニェッリ:トンマーゾ・バシリ
フィアット社の次期社長。

あらすじ
1947年にフェラーリ社を創設してから10年。名門レーシングチームを築き上げたエンツォ・フェラーリは、地元では成功者として知られる一方、会社は深刻な経営危機に直面していました。
さらに前年、最愛の息子ディーノを病で失った喪失感が、妻であり共同経営者でもあるラウラとの関係を冷え切らせています。
私生活では愛人リナとその息子ピエロとの時間に安らぎを見出していたエンツォでしたが、その秘密もやがて露見し、彼の立場は一層不安定になります。
フィアットやフォードによる買収の圧力が迫る中、エンツォは会社の命運を賭け、公道レース「ミッレミリア」への参戦を決断します。



マイケル・マン監督作品という理由で、本作『フェラーリ』を観ようと思いました。
彼が描いてきた「仕事に人生を賭ける男」というテーマには、以前から強く惹かれてきました。
物語の舞台は、イタリア・モデナを拠点に、ブレシアを発着点としてローマまでを往復する公道レース「ミッレミリア」です。
フェラーリ、マセラティ、アルファロメオ、フィアットといった強豪が同じ時代に並び立っていたこと自体が、今振り返ると奇跡のように思えます。
こうした濃密な時代背景が、作品全体に圧倒的な緊張感を与えていました。
丘陵地を駆け抜けるフェラーリの姿は、ただ速いというよりも、風景と一体化しているように見えます。
太陽と影が交互に現れるロード、重低音で響くエンジン音、ヘルメットから揺れる布や革の感触。
それらによって、レースは映像としてではなく、五感を通して身体的に迫ってきました。
サーキットではなく、人々の生活のすぐ隣を走る公道レースだからこそ、その美しさと危うさは常に隣り合わせで描かれています。

本作が描くエンツォ・フェラーリは、英雄でもカリスマでもなく、徹底して「判断する人」として描かれています。
レースに賭ける情熱は確かにありますが、それは感情的な熱狂ではなく、冷静な計算と責任感に裏打ちされたものでした。
タイムを分析し、マシンを詰め、勝敗の先にある結果まで引き受ける姿からは、もの作りに対する真摯な態度がはっきりと伝わってきます。

同時に、この映画は親子の物語でもあります。
亡くした息子への変わらぬ愛と、今を生きる息子への無条件の愛を、エンツォは同時に抱え続けています。
その二つを並べて引き受けることが、彼の生き方そのものになっているように感じられました。
ラストで、亡き息子の墓に息子を連れていく場面は、解決や救済を示すものではありません。
事実を事実として並べるという、静かな選択が示され、その沈黙が強く胸に残ります。
そして忘れてはならないのが、レースがもたらした大事故です。
民間人を含む多くの犠牲者が出た現実を前にしても、映画は決してロマンに逃げません。
対マスコミの場面で描かれるのは、感情の吐露ではなく説明責任であり、その冷たさこそが、この作品に誠実さを与えていると感じました。

『フェラーリ』は、速さや勝利を讃える映画ではありません。
情熱、親子の愛、そしてもの作りに人生を賭けることの重さを、静かに、しかし確かな手触りで描いた作品でした。


※本作で特に胸に残ったのが、アルフォンソ・デ・ポルターゴのサインをめぐる場面です。
ピエロ(エンツォの息子)は何度もサインをねだりますが、多忙なエンツォはそれを後回しにしてしまいます。
やがてレース直前、アルフォンソはサインを書きますが、それが本当にピエロの手に渡ったのかは、はっきりとは示されません。
事故の後、まだ死というものを理解していないピエロが「サインはもらってくれた?」と無邪気に問いかけると、エンツォは「ああ、もらったよ」と静かに答えます。
そのやり取りは過去と未来が交差する瞬間でした。静かで真摯な時間の流れを感じました。

仕事と愛と喪失と・・・


✨✨✨✨✨


見に来てくださってありがとうございます💕🙏💕
みなさんと映画のお話が出来てとても幸せです💕りさ💕