「親がいなかったら何者でもない」から始まった野心の話|外資系金融管理職の頭の中
どうして私は、こんなに仕事がすきなのか。
どう育てられたら、こんなに野心的になるのか。
いま、自分が育児をしながら、改めて考える。
私は両サイドの祖父母も、両親も、従兄弟たちも、全員が会社経営の家系で育ったので、そもそも専業主婦というロールを身近で見たことがない。中学からはアメリカのボーディングスクールに留学し、幼少期からお金に困ることは一切なかった。元旦那も世間的には稼いでいるほうで、「私がここまで労働して、疲れてまで、自分でお金を稼ぐ必要性」は、結婚後に仕事を続ける必要もまったくない環境にいたと思う。
だけど私は、学生時代から「自分でミリオネアになりたい!」と思うくらい、かなり野心的だった。
でも、他のお金持ちの子たち、特に女の子たちに、この同じ野心が備わっているわけではない。
じゃあ、うちのママが教えてくれたお金に関するコアバリューは?と考えたときに、思い出せるのはこれ。
① あなたは親がいなかったら、何者でもない
これって冷たく聞こえるけど、ママが言いたかったのはたぶんこういうこと。親が「すごい」からといって、あなたがすごいわけじゃない。だから自分で自分のアイデンティティを確立して、恥ずかしくないように生きなさい。「親がすごい」で評価されるんじゃなくて、自分の足で立て、っていう教育だったと思う。
② お金持ちの「ただの息子」とは結婚するな
これも①とほぼセット。親がお金持ちなだけで、本人が努力してない男と結婚するな。本人が努力している男と結婚しろ。要するに、「資産」じゃなくて「人間」を見ろ、っていうメッセージ。
③ 女性が結婚するということは、仕事が2つになること。損でしかないから、覚悟しなさい
これは…言われなかった方がよかったのかもしれない?って、今になっては思う。
私は名古屋で育って、名古屋の価値観って「女性が家の中のことをするのが当たり前」な文化が強い。だから私は小さいころから、料理教室・お菓子教室・オシャレの大事さみたいな「女性性」をとことん教えられてきた。その延長で、働く女性が結婚するってことは、家庭も回すのが当然で、「耐えるしかない」っていう認識を植え込まれていたと思う。そのおかげで、料理も家事も大の得意になった。ただ、そのせいで結婚生活のパワーバランスが崩れたのも事実。
(私が育児も家事も、全部働きながら回していたから)
④ 努力は楽しい
「よくそんな働けるね」って言われるけど、母と私の共通点は「努力するのがほんとに楽しい」ってところだと思う。
母は学生時代、ゴルフのアマチュア選手で、数々のトロフィーを取って新聞記事にもなってきた。経営も凄腕で、母が回すと一気にビジネスが成長した。それを「いやいや」やっている人は成功しない。その過程を楽しめる人は、何をしても成功する。私はたぶん、この価値観をいちばん濃く受け取ってる。
⑤ 確認は3回しなさい
子どものころから、親が仕事の電話をしている姿、経営の話をしている姿を、毎日のように見て育った。
「確認は3回しなさい」ってよく言われていたけど、
それは単なる“ミス防止”の話じゃなかったと思う。
契約も、数字も、人も、一度聞いただけで信じるな。一度見ただけで判断するな。ちゃんと裏を取れ。自分の頭で考えろ。そして最後は、自分で責任を持て。
親の会話を横で聞きながら、どうしたら組織が回るのか、どうしたらビジネスになるのか、リーダーの気質とは何か、「使えない人材」はどんな人か教科書じゃなくて、リアルな会話の中で、肌で学んできた。それが、自分の価値観として今外資系金融の管理職として自然に出てきてると毎日思う。
結局、「自分で稼ぐ」って本当に楽しい。
そして、女性が自分で稼ぐ力を持ち、自分の子どもに「努力して、成功する姿」を見せることが、どれだけ育児にとって大事か、いま自分が母親になって、強く感じている。もちろん、専業主婦として、真正面から育児に向き合うことも心から尊敬している。どちらが正しい、という話ではない。
ただ、母親っていちばん子どもとの距離が近い存在だからこそ、私は「時間・お世話」よりも「背中」で見せたいと思っている。
自分が努力すること。
挑戦すること。
そして結果を出すこと。
それをロールモデルとして見せることが、子育ての長期的な本質なんじゃないか、と思う。ワーキングマザーたち、『子供との時間』を犠牲にする女性が多いと思う。けど、子どもに残せる最大の教育は、「時間」よりも「姿勢」であり、母親の姿をみて学び、子供が最大限に自分の持っている特性を伸ばせる環境を作ってあげることが育児の本質と言えると思う。
