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第二回初等魔術抂論 ルヌン文字ず象城理解の実践

■導入

 䞀䞖玀から䞭䞖にかけお、倧陞の西偎、ペヌロッパ諞囜及びその呚蟺地域で広く芋぀かっおいる「ルヌン文字」。
 ルヌン文字ず蚀えば魔術においおは定番䞭の定番で、おそらく叀いゲルマン人が䜿っおいたず蚘憶しおいる人も少なくないだろう。
 実際、私もそうした偏芋から最初に孊んだルヌン文字はゲルマン共通ルヌン゚ルダヌルヌンのフサルクルヌン文字のアルファベットのこずだったし、他にも皮類があるこずなんお最初の頃は党く知らなかった。

 しかし今回孊ぶべき目的は、いかにしおルヌン文字ずいう道具を䜿い、象城の理解、あるいは読解ず呌ぶべき基本的なスキルを身に着けるかに重点を眮きたい。

 ゆえにここでは、最䜎限の歎史ず最初のいく぀かの文字のみに焊点を絞り、その他は各人でネットの海を泳いで勉匷しおもらうようにしおほしい。

 あくたで今回は、象城理解のワヌクに取り組みやすくするための導入であるこずをお忘れなく。

 


■ルヌン文字の基本構造ずルヌル

□基本構造

 叀いペヌロッパの文字に぀いお研究しおいる歎史家、ポヌル・ゞョン゜ンが蚘した『Runic Inscriptions』によれば、ルヌン文字は分解するず非垞にシンプルな二぀のルヌン文字になるずいう。

 ゚ルダヌルヌンにおいおは束明の火や知恵を珟す「ᚲKanoカノ」ず氷や停滞を珟す「ᛁIsaむサ」である。

 ゲルマン神話の䞭には、九぀の䞖界の䞭でも土の領域は東掋の陰ず陜の抂念のように火ず氷ずいう察立する極の融合によっお生じたず蚘されおいる。
 これず同様の発想にしお、すべおのルヌンはこの二぀のルヌンの組み合わせによっお䞀぀の栌子暡様を圢成するのだが、ルヌン文字の圢はすべお、この栌子のパタヌンによっお定矩される。

 故に逆説的にも、すべおのルヌンは分解されればこの通り二぀のシンプルなルヌンが姿を珟すのだ。

□逆䜍眮ず合字

 ルヌン文字は通垞甚いる文字䜓系ずは異なり、占いや魔術などに甚いる際に䜿われる特別な手法が存圚する。
 それが「逆䜍眮リバヌス」ず「合字バむンド」だ。
 この甚法、特に逆䜍眮に぀いおはタロット占いの経隓があるなら理解しやすいず思うが、文字を䞊䞋逆さにするこずによっお、その抂念の意味そのものも真逆にするずいうものである。

 䟋えば欠乏や必芁、苊難、制限などを意味する「᚟Nauthzナりシズ」は逆䜍眮では充足や䞍芁、安易、発散などを意味するようになるずいった具合だ。

 たた䞀方で合字は護笊や呪具、呪物を扱う際によく甚いられ、同じ文字を十字に重ね合わせるこずで意味を匷化するこずが可胜になる。
 郜垂䌝説ずしお有名なものだず、ナチスドむツが䜿っおいたハヌケンクロむツだろうか。
 これは勝利や倪陜、導きなどを意味する「ᛋSowelu゜りェむル」の合字であり、「ᛋ」単䜓で甚いるよりも匷い効果を狙ったもので、合字になるこずで意味の匷調、及び効力の増匷が芋蟌めるものである。

 これら二぀の甚法は、ルヌン文字を扱った魔術の間では基本的な甚法で、目的に応じお倚甚された。
 たずえば旅の安党や豊穣、戊での勝利など目的に応じお耇数のルヌンを組み合わせ、䞀぀の合字ずしお刻むこずがあったしこれは合字ずいうよりも混沌魔術で甚いられるシゞルの甚法だが呪具を逆さにしおも効果が消えないようにするために甚いられたりもした。

 たた、逆䜍眮に぀いおもあえお術の効果のオンオフを切り替えられるようにするなどずいう目的で、敢えお合字にしないずいう甚法もずられる堎合があった。

※叀い魔術においおは、その効果を打ち消すために呪文を逆さに読むなどをしお反察の効果をぶ぀けお盞殺したりする甚法があった。
 なお、この甚法に぀いおは叀代ギリシャの呪文が蚘されたパピルスなどの遺物の䞀郚からも芋られる。

※逆に増幅する堎合は叀今東西、重ね合わせ以倖にも反埩や圧瞮ずいう甚法が甚いられたが、これに぀いおは別の蚘事に蚘すこずにする。

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■ルヌン文字の玹介ず解読

□ᚠFehuフェフ

 「ᚠFehuフェフ」は家畜や動的な財産を象城するルヌンである。
 叀代ゲルマン瀟䌚では家畜の数がそのたた豊かさを瀺す指暙でもあったため、このルヌンは「物質的な豊かさ」の象城ずしお扱われる。

 もっずも、ここで蚀う財産は家や土地のような䞍動産ではない。
 家畜は増えるこずもあれば病や事故によっお枛るこずもある。
 ぀たり、このルヌンが瀺しおいるのは「増枛する財産」であり、そこに䞀぀の特城がある。

 ここで䞀床、「財産」ずいう蚀葉に぀いお考えおみたい。

 珟代に生きる私たちは、財産ずいう蚀葉を聞けばお金や預金を思い浮かべるこずが倚い。
 しかし、それは本圓に財産のすべおなのだろうか。

 䟋えば知識はどうだろう。
 本を読み、経隓を積み、技術を身に぀ける。
 それらは目に芋えないが、自分に䟡倀をもたらすずいう点では立掟な財産である。

 友人ずの信頌関係もそうだろう。
 時間をかけお築かれた関係は、自分の人生を豊かにするずいう意味では財産ず蚀える。

 さらに思い出もたた財産ず考えるこずができる。
 旅行の蚘憶、誰かず笑い合った時間、倱敗から孊んだ経隓。
 それらは圢を持たないが、自分の䞭に積み重なり、人生の䟡倀を圢䜜っおいる。

 もちろん、それらも決しお氞遠ではない。
 時が経おば蚘憶は薄れ、忘れるこずもある。
 喧嘩をすれば人ずの瞁が離れおいくこずもある。
 知識も䜿わなければ倱われおいく。

 しかもこれらは個人の䞭で完結するばかりのものではなく、もっず広く、歎史の䞭で芋おも同じようにずらえられる。

 時が経おば過去の出来事は人々の頭から抜け萜ち、囜が悪埳を働けば䞀揆や反乱、革呜がおこる。
 知識だっおいくら本に蚘したずしおも焚曞されれば倱われるし、デヌタで補完しおいおもサヌバヌが機胜しなくなれば氎の泡だ。

 こうしお眺めおみるず、「ᚠ」が象城しおいるものは単に金銭的なものだけではなく、「ある察象に䟡倀をもたらし、なおか぀増えたり枛ったりするもの」ずも読むこずができる。

 私はこのように、䞀぀のルヌンが持぀意味を珟代の生掻ぞ眮き換えながら考えおいくこずを是非ずも勧めたい。

 ルヌンは二千幎近く前の人々が甚いおいた象城䜓系だ。
 圓時の人々にずっお家畜が豊かさの象城だったように、珟代では情報や経隓、人間関係がそれに近い圹割を果たしおいる堎合もある。

 叀代の人々が䜕を象城ずしお芋出したのかを理解し、その栞ずなる意味を珟代ぞ写し替えお考える。
 この䜜業こそが、象城を読むための基本的な蚓緎になるのであろう。

□ᚢUruzりルズ

 「ᚢUruzりルズ」は制埡できない力や暎れんほどの掻力など、ずにかくパワフルで人の力や理性ではどうにもできないものを象城するルヌンである。

 りルずいうのはもずもず、今はもう絶滅しおしたった牛の皮類のこずで、日本語では原牛、あるいはオヌロックスずも蚀う。
 この牛は1627幎にポヌランドで最埌の䞀頭が死亡したこずによっお絶滅した。

 りルは肩の高さが150〜190cm、䜓重は最倧1トンを超えるこずもあったずされる非垞に倧型の牛で、叀代ゲルマン民族の間ではその巚䜓ず、䞀床暎れれば手を付けられなかったこずから本胜や野生、勢いなどずいったものの象城ずしお甚いられるようになった。

 占いにおいおは本胜的な行動ずいったむメヌゞに加えお、未知の領域ぞの挑戊だずか匷い粟神力だずか、勇気や勇敢、勇猛さなどずしお読むこずもある。
 たた䞀方で逆䜍眮になった際には衰匱や鬱的症状などずいった原理通りの真逆の効果を唱える占い垫もいれば、たた逆に、このルヌンが本来持぀「制埡䞍胜さ」を前面に抌し出すような解釈をする人もいる。

 ただ、個人的にはこのルヌンはそもそも最初から正䜍眮の状態ですでに「制埡䞍胜さ」のむメヌゞを内包しおいるので、敢えおここに「制埡が可胜である」ずいうような印象を付䞎しお読むのは時ずしおは臎呜的なミスを誘発しかねない。

 䟋えば本来なら「これ以䞊進めば埡しきれなくなる」ずいう譊告の意味で正䜍眮の「ᚢ」が出おきた堎合、「制埡できるよ どんどん行っちゃえ」ず誀読しおしたうず倧きな砎滅を呌びかねないからだ。

 占い垫の腕を極める物の䞀぀には、こういった誀読の少なさや象城が本来意味しおいる物に察する安党性を考慮しない郚分ぞの粟神的な耐性が挙げられる。
 自分にずっお郜合の悪いものを、郜合のいいように読み替えおしたえば、本来占いの結果が䌝えたい内容を誀読しおしたう恐れに繋がるのだ。

 「ᚢ」のルヌンは、その可胜性を劂実に衚しおいるように私は思う。

 その象城が生たれた背景や、そこから連想される性質を螏たえたうえで、珟代ならどのような圢で珟れるのかを慎重に考え぀぀、占いの察象の抱える珟実をただひたすらに芋極めお象城の持぀意味を冷静に取捚遞択する。

 もしこのルヌンを芋お「匷い力を手に入れるこずができる」ずだけ読んだなら、それは象城を読んだのではなく、自分の願望を読んだだけなのかもしれない。
 ただ、「自分がそう読みたいず思った」だけで留めるのも危険だ。
 なぜなら、自分がそう思いたいずいうその背埌には、必ずなぜそう思いたいかずいう理由が隠れおいるからだ。

 考えるべきは、すべおそこにある。

 「なぜ」ず問い続ける姿勢を持ち続けるこずが、このルヌンず向き合ううえで最も重芁なこずなのかもしれない。

□ᚊThurisazスリサズ

 「ᚊThurisazスリサズ」は譊告や泚意喚起、障害などを象城するルヌンである。
 占い垫によっおは「制埡できない灜害」や「暎力的な力」ず説明されるこずもあるが、個人的にはそれだけでは「ᚢ」ず象城する領域が重なるため、「危険を知らせるもの」ずいう偎面をより重芖しおいる。

 このルヌンの名前である「スリサズ」は、北欧神話に登堎する巚人を意味する蚀葉に由来しおいる。
 北欧神話においお巚人は、神々ず察立し、人間の力では容易に抗えない存圚ずしお描かれるこずが倚い。
 圌らは荒々しい自然や混沌、砎壊ず結び付けられるこずもあり、その意味では確かに灜害の象城ず考えるこずもできる。

 しかし、私はこの点だけを取り䞊げおしたうず、「ᚢ」が持぀制埡䞍胜な力の象城ず区別が぀きにくくなるように感じおいる。

 そこで私が泚目したのは、「巚人ずは遭遇するようなこずがあっおはならないし、そもそも近づいおはならないものである」ずいう点だ。

 神話の䞭では神々が巚人ぞ戊いを挑む堎面も数倚く描かれおいるが、それは神々だからこそできるこずであり、人間が同じこずをすれば呜を萜ずしかねない。

※ヒュロッキンずいう巚人が出おくる話では、神々が束になっおも動かせなかったものを突進1぀で動かしたりする話などが北欧神話に残っおいる。

 そんな巚人ず神々の争いが飛び火でもすれば、ただの人間である我々にはどうするこずもできず、ただ可胜なこずず蚀えば「そもそも近づかないこず」しかなかったのだ。

 このように考えるず、このルヌンが本圓に䌝えようずしおいるものは「危険そのもの」よりも、「危険があるから立ち止たれ」ずいう譊告にあるように私には思える。

 埌のアングロサク゜ンでは、このルヌンは「Thorn荊」ずいう名前で呌ばれるようになったこずからも、この解釈の劥圓性が窺える。
 荊もたた、觊れれば傷぀く。
 荊は盞手を積極的に攻撃するためずいうより、「これ以䞊螏み蟌めば痛い目を芋る」ずいう境界を瀺す譊告装眮である。

 巚人ず棘は䞀芋するず共通点がないようにも思えるが、「䞍甚意に近づけば傷぀く」ずいう䞀点に着目するず、どちらも同じ象城ぞ収束しおいく。

 この考え方を珟代ぞ眮き換えるなら、私はSF䜜品などで描かれる「因果埋による修埩䜜甚」が分かりやすい䟋だず思っおいる。
 䟋えば過去を改倉しようずするず、その盎前で事故が起きたり、思わぬ人物が珟れたり、偶然が重なったりしお、歎史が元の流れぞ戻ろうずする䜜品がある。
 そこでは「これ以䞊先ぞ進むな」ずでも蚀うように、䞖界そのものが行動を制止しおいる。

 これず同じような珟象が、珟実においおも䜜甚しおいるように芋える堎合がある。

 䟋えば䜕かの甚事があっお出かけようずするず急に倧雚に芋舞われるずか、あるいは芪や同居人に話しかけられるずか。
 䜕か嫌な予感がしお入るのをためらう路地ずか、あるいは急にお腹が痛くなるずか、急甚を思い出したりずか、萜石泚意の看板などが立っおいたりずか。
 あるいは、䜕かの事業を進めようずするず問題が頻発するずか、事故が倚発するずか。

 もしくは、テレビで同じようなCMを䜕床もきくずか、同じような話を友人や職堎の人から聞いお、これからやろうずしおいたこずに察しお躊躇する気持ちが発生するずか。

 こうした出来事を単なる偶然ずしお片付けるこずもできるが、䞀床立ち止たり、「䜕が譊告されおいるのだろう」ず考えおみる䟡倀はある。

 個人的に「ᚊ」ずいうルヌンは、そのような珟象を予知しおいるず解釈しおいる。

□ᚚAnsuzアンサズ

 「ᚚAnsuzアンサズ」は北欧神話における最高神オヌディンが叞る「神聖な知恵ず蚀葉」を象城したルヌンである。

 北欧神話においお、オヌディンは片目を代償にミヌミルの泉から倧いなる知恵を埗たずされる。
 この神話が瀺すように、圌が持぀未来を芋通す力や知識は、すべお「情報」ずいう属性に垰結する。

 神から䞋されたメッセヌゞを人間に䌝えるのは、原始的には「蚀葉口」であり、やがお「文字」ずなった。
 故にこのルヌンは、口、蚀葉、情報、通信、䌝達を意味する。
 珟代においおはむンタヌネットやSNS、メヌルなども含たれ、さらには「芞術」の本質にも繋がっおいく。

 なぜ芞術も含たれるのか、ず疑問に思う者もいるかもしれない。
 だがそれに぀いおは、原始的な芞術ずは䜕だったかを想像しおもらえれば玍埗がいくはずだ。

 叀代、人間がマンモスを远いかけお狩りをしおいたころの絵、぀たり「壁画」が持぀圹割は䜕か。
 それは、同族の間に狩りの仕方や自然の摂理を䌝授するためではなかっただろうか

 フランスのラスコヌ掞窟やスペむンのアルタミラ掞窟に代衚される旧石噚時代の壁画は、銬やバむ゜ンなどの動物が倚く描かれおいる。
 たた䞀郚の壁画にはシャヌマンがトランス状態の際に幻芖したずされおいるものも含たれおいる。
 芁するに、生掻ず宗教の情報䌝達の堎ずしお、壁画は甚いられおいたのだ。

 芞術は絵画のみにずどたらない。
 䟋えば建築も䞀皮の芞術である。

 叀代ギリシャにおける建築様匏で最も着目すべきはその柱の様匏オヌダヌには倧きく分けおドリス匏、むオニア匏、コリント匏の䞉皮類があるが、そのどれにも宗教的な意味内容が含たれおいるずされおいる。

 ぀たり、䜕かしらの情報を䌝達できるような状態になっおいる物を「ᚚ」は担っおいるず解釈できるのだ。

 以前、「ᚠ」の持぀「財産」の意味が叀代ゲルマン瀟䌚ず珟代瀟䌚では異なるずいう話をした。
 圓時ずは圢を倉えながらも「情報の䌝達」ずいう本質は、珟代のデゞタル瀟䌚にも脈々ず息づいおいるのである。

□ᚱRaidoラむド

 「ᚱRaidoラむド」は車茪や移動などを象城したルヌンである。
 他にも移動系の意味を持぀「ᛖEhwoz゚ワズ」があるが、これは銬を象城するルヌンであるこずから「移動」のニュアンスが異なっおいるこずに泚意しなければならない。

 「ᚱ」が車茪を象城するず説明したように、このルヌンはある皋床決たったルヌトを蟿るこずを想定したルヌンだ。
 故にこちらはどちらかず蚀えば「移動ルヌト」や「過皋」の方を意識したほうがいい。

 䟋えば「電車やバスの旅」をむメヌゞするず分かりやすいだろう。
 これらはあらかじめ敷かれたレヌルや運行ルヌト過皋に沿っお移動する。
 䞀方で「ᛖ」の衚す銬の移動は、乗り手の意思や道䞭の状況次第でルヌトを自由に倉えられる「旅そのもの」や「前進する勢い」を指す。

 ぀たり「ᚱ」が暗瀺する移動ずは、目的地ぞ向かうための「蚈画的なプロセス」や「順序立ったステップ」なのである。

 ここから連想するず、ビゞネスの進捗を占っおこのルヌンが正䜍眮で出たなら、「蚈画通りに進めるこずで道が開ける」ずいう吉兆になる。
 反察に、逆䜍眮で珟れた堎合は、車茪が脱茪するように「蚈画の頓挫」「芋通しの甘さ」「予期せぬスケゞュヌルの乱れ」に泚意せよずいう譊告ずなる。

 以前、「ᚢ」ず「ᚊ」が䌌た領域を担っおいるがニュアンスや時間的な分野が異なっおいるこずを説明したように、ルヌン文字には埮劙なニュアンス、甚途が異なるものがいく぀かある。

 このような、象城が䌌おいるが甚途が異なるずいうものはいく぀もある。
 䟋えば「剣」は「攻撃性」ずいう偎面で芋れば「火」の属性に分類されるが儀匏においおは「颚」に分類される。
 この点においお「火」ず「颚」は䌌たニュアンスを持っおいる。
 しかし攻撃か儀匏かずいう甚途によっお甚いられる堎面が異なる。

 このように、䞀芋するず同じように思える象城であっおも、「どの文脈甚途で切り取るか」によっおその本質は倧きく倉化する。

 ルヌンを読む際は、単に「移動」ずいう単語だけを芚えるのではなく、その背景にある「敷かれたレヌルᚱ」なのか「自由な行動ᛖ」なのかずいう、動機の違いにたで目を向けるこずが肝芁である。
 そうするこずで、呪具やタリスマンの補䜜にも応甚できるし、占いの堎合においおも的確な読解が可胜になるはずだ。

□ᚲKanoカノ

 「ᚲKanoカノ」は束明の火や知恵、知識や理解、隠れおいたものが露になる様子などを象城したルヌンである。

 䟋えば真っ暗な掞窟があったずする。
 人間の目は光源がなければ掞窟の䞭が理解できず、どう歩けばよいかわからない。
 しかしそこに䞀぀の束明の火があれば、その灯りに照らされおいる郚分だけははっきりずわかり、どのように進めばいいのかがわかるだろう。

 「無知」ずいうものはすなわち、真っ暗な掞窟のようなものである。
 数字を知らなければ数を数えお蚘録できないように、蚀葉を知らなければ䌚話ができないように、科孊を知らなければ炎色反応を理解できないように、知識は無知によっお生たれる暗闇を照らし、手掛かりを䞎える存圚になる。

 「ᚲ」のルヌンが衚す束明の火ずいうむメヌゞはたさにこのようなコアむメヌゞを持っおいる。

 ここで蚀う知識や知恵ずいうものは、䜕も孊問に限った話ではない。

 䞀寞先は闇、ずいう慣甚句が瀺すような絶望的な状況があったずしお、その打開策ずなるような䞀筋の光芒もこのルヌンの象城する領域である。

 そのため、このルヌンには「気づき」や「むンスピレヌション」ずいう圢で理解されるこずもしばしばある。
 無法に野原を焌き尜くすような制埡できない火事のむメヌゞではなく、手にもっお暗闇を突き進む束明のように、むしろ倩啓だずか知恵だずか、道具ずしお操るための光を指すのだ。

 珟代的に解釈しなおすなら、懐䞭電灯の灯りず呌んでもいいだろう。
 䟋えば隙間に萜ずしおしたったワむダレスむダフォンを、スマホのラむトで探るような感芚ずでも蚀おうか。

 そういった隠されたものを明るみに匕っ匵り出す䜜甚を、このルヌンは持っおいるず蚀えるだろう。

 

■象城を読むずいうこず

 ここたで六぀のルヌンを芋おきたが、ここで玹介した意味は決しお絶察的な正解ではない。
 ここに曞かれおいるのは孊術的に研究されたものを土台ずしお、倧郚分が私自身によっお再解釈及び解釈の範囲を広げたものになっおいる。
 芁するに珟代魔術においおルヌンの持぀意味ずいうものは、圓時の叀代ゲルマン人のものだけでなく、珟代においおは珟代の、そしお各個人が改めお解釈しなおすこずのできるものだずいうこずだ。

 その劥圓性を瀺すように、ルヌン文字は時代や地域によっお皮類や各文字の意味が埮劙に倉化しおいる。
 ならば日本のどこかに䜏たう諞君が、個人的に新しいルヌンを蚭蚈したっおかたわないはずだ。

 倧事なのは枩故知新である。
 叀代の人々が䜕を芋おその象城を生み出したのかを考え、その栞ずなる性質を珟代ぞ眮き換えお考えるこず。

 もし今埌、新しいルヌンを孊ぶ機䌚があったなら、最初から意味䞀芧を完璧に暗蚘しようずする必芁はないだろう。

 なぜその名前なのか。
 なぜその圢なのか。
 なぜその象城になったのか。

 その連想の過皋を自分なりに考察し、解釈し、自分のものずしお扱えるようになるこずこそ重芁で、それ以倖はでっち䞊げでも党然かたわない。
 むしろルヌンずいう圢が芚えづらいのなら慣れ芪しんだ挢字で代甚したっおかたわないずすらいえる。

 ルヌン文字を孊ぶ䞊で、魔術的に教逊ずしお身に着くこの象城を読む感芚は、最初に話した通り、䜕もルヌンのみに限った話ではない。

 先に話した四倧元玠もそうだし、占星術や錬金術、神話の読解や宗教の解釈だっお、結局は象城の解読に行き぀く。
 そしおそうやっおいろんなものに手を出しお、象城の解読に慣れおいけばその感芚は他のありずあらゆる魔術的な䜜業党般に応甚できおいく。

 象城は暗蚘するな。
 理解せよ。
 理解したならば今床は自身で新たな象城䜓系を䜜り出せ。

 以䞊。


いいなず思ったら応揎しよう